スクエニHD、13年3月期は赤字転落…欧米での大型タイトルやアミューズメント機器の不振で 構造改革も実施

スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は、この日(5月13日)、2013年3月期の連結決算を発表し、売上高1479億円(前期比15.7%増)、営業損益60億円の赤字(前期107億円の黒字)、経常損益43億円の赤字(同102億円の黒字)、当期純損益137億円の赤字(同60億円の黒字)だった。       同社では、欧米で発売した家庭用ゲームソフトの大型タイトルの販売が伸び悩んだことに加え、アミューズメント機器の販売が不振となったため、としている。また、昨今のゲーム事業の環境変化を踏まえ、開発方針の変更や組織体制の見直し、一部ビジネスモデルの変更などを行い、特別損失も計上したとのこと。 セグメント別の状況は以下のとおり。 ■デジタルエンタテインメント事業は、売上高894億円(同24.5%増)、営業利益4400万円(同99.7%減)だった。欧米における家庭用ゲーム機向けの大型ソフト販売が伸び悩み、営業損益の水準が大きく低下した。また、ブラウザゲーム「戦国IXA」や、Mobage「ファイナルファンタジーブリゲイド」などが引き続き収益に貢献したほか、「拡散性ミリオンアーサー」が国内だけでなく、韓国でもヒットした。 ■アミューズメント事業は、売上高442億円(同5.6%増)、営業損益3億円の赤字(前期25億5200万円の黒字)だった。アミューズメント施設運営は堅調に推移したが、アミューズメント機器が不振だった。 ■出版事業は、売上高110億円(同2.2%減)、営業利益24億円(同3.5%減)だった。人気作品のメディアミックスの効果により、引き続きコミック単行本の販売が堅調に推移した。 ■ライツ・プロパティ等事業は、売上高32億円(同18.0%増)、営業利益6億円(同10.2%減)だった。自社コンテンツのキャラクターグッズやサウンドトラックなどの販売・許諾を行うとともに、品揃えの強化や海外展開による収益機会の多様化に努めた。   ■2014年3月期の見通し 2014年3月期は、売上高1400~1500億円(前期比5.4%減~1.4%増)、営業利益50~90億円(黒字転換)、経常利益50~90億円(黒字転換)、当期純利益35~60億円(黒字転換)を見込む。     同社では、欧米における家庭用ゲーム機向けソフト市場の競争激化・寡占化が進む一方、スマートフォン、タブレットPCなどいわゆるスマートデバイスが急速に普及するなど、大きな変革期にあるとし、「事業構造の改革を進めることによって、新たな収益基盤を確立し、収益性を改善する取り組みを強力に進めて」いく、としている。とりわけ大規模なHDゲームの開発体制の見直しを行うとのこと。
株式会社スクウェア・エニックス
https://www.jp.square-enix.com/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
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