IDC Japanは、19日、国内モバイルデバイス市場の第2四半期(4~6月)の出荷台数実績を発表し、前年同期比14.7%増の1231万台だったと発表した。同四半期では、PC市場が12.5%減のマイナス成長となったが、スマートフォン市場とタブレット市場の急成長により、トータルでプラス成長となった。
同市場において主力端末となるスマートフォン出荷台数は、前年同期比26.8%増の653万台となりました。NTTドコモ向けアンドロイド端末の出荷台数は伸び悩んだ一方、auKDDI、ソフトバンクの両通信事業者から発売されている「iPhone 5」の販売が好調に推移したことが主要因だった。
またタブレット端末の出荷台数も、同92.0%増の180万台となり、順調に市場拡大を続けている。同市場が急成長している要因として、低価格タブレット端末が個人ユーザー層を中心に浸透し需要の増加傾向が続いていること、通信事業者の販売奨励金の上乗せ戦略により、LTE搭載のタブレット販売台数が堅調であること、そして法人タブレット需要が堅調に推移していることを理由としてあげている。
ただし、タブレット市場での出荷台数は順調に推移しているが、出荷台数と販売台数に大きな乖離が生じていることから、さらなる在庫問題への発展が1つの懸念材料と指摘している。
今後の見通しについては、IDC Japanのシニアマーケットアナリストの木村融人氏は、短期的に見ると「スマートフォン需要は、NTTドコモが次世代『iPhone』の販売を決定したことで、2013年後半も高い成長率を維持して拡大する可能性が高い。タブレット市場においても、引き続き、低価格タブレットが市場をけん引し、需要は今後も拡大する可能性が高いが、在庫問題への懸念に加え、ベンダー間での低コスト競争はさらに熾烈になる」との見方を示した。
なお、リリースでは、2013年~2017年の予測も発表されている。発表によると、2013年の国内モバイルデバイス市場の出荷台数は、前年比7.5%増の5611万台と予測されるとのこと。2017年における同市場は6522万台に拡大し、特にスマートフォン市場は3753万台、タブレット市場は1009万台にまで拡大すると予測しているという。
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