家庭用ゲームソフト大手6社、第2四半期は総じて良好…スクエニ、コーテク、セガサミーが好調【決算まとめ】

家庭用ゲームソフト大手6社の4-9月期決算が出揃った。本業の儲けを示す営業利益が前年同期に比べてプラスとなったのは、6社中4社だった。減益だったバンダイナムコホールディングス<7832>も上方修正を行っており、全体的には良好な決算だったといえよう。

これまでブラウザソーシャルゲームに注力する会社の収益が大きく伸びる傾向にあったが、次世代ゲーム機やスマートフォンの普及とともに変化がでている。好調な主力事業にアドオンする形で、スマートフォン向けネイティブアプリ、オンラインゲーム、アミューズメント機器などの収益が加わることで業績を伸ばしていることが多いようだ。


 
【ゲーム大手各社の4~9月期決算一覧】
(注1)コナミはSEC基準のため、経常利益はない。
(注2)前年比で%表記のないものは前年同期の実績を示す。
(注3)▲は赤字であることを示す。


 
【大手ゲーム6社の4~9月期の売上高比較(単位:億円)】
資料:各社発表の決算短信、決算説明会資料より作成



【大手ゲーム6社の4~9月期の営業利益比較(単位:億円)】
資料:各社発表の決算短信、決算説明会資料より作成



ちなみに参考までにガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の4~9月期の売上高・営業利益を比較グラフに加えると以下のようになる。


 
【大手ゲーム7社の4~9月期の売上高比較(単位:億円)】
資料:各社発表の決算短信、決算説明会資料より作成
注) ガンホー社は、4~6月期と7~9月期の売上高の合計。



 
【大手ゲーム7社の4~9月期の営業利益比較(単位:億円)】
資料:各社発表の決算短信、決算説明会資料より作成
注) ガンホー社は、4~6月期と7~9月期の営業利益の合計。



各社の状況は以下のとおり。

■コーエーテクモホールディングス<3635>
第2四半期(4~9月期)の連結決算は、売上高154億円(前年同期比12.6%増)、営業利益16億円(同83.8%増)で、コーエーとテクモの経営統合以来の過去最高となった。PSVita/PSP向けハンティングアクションゲーム『討鬼伝』が販売本数が伸びたことに加え、Yahoo!Mobage版『AKB48の野望』や、中国での『のぶニャがの野望 』の運営も良好に推移した。株式市場の活況により、投資有価証券の売却益を計上したことも利益を押し上げた。

 

■セガサミーホールディング<6460>
第2四半期(4~9月期)の連結決算は、売上高1622億円(前年同期比18.8%増)、営業利益123億円(同57.1%増)だった。主力の遊技機事業では、『回胴黙示録カイジ3』を中心にパチスロ遊技機の販売が伸びたことに加え、パッケージゲーム『Total War:  ROME II』の海外での販売本数が伸びた。またオンラインゲーム『ファンタシースターオンライン2』、スマートフォン向けアプリ『チェインクロニクル』と『ぷよぷよ!!クエスト』も好調だった。

 

■バンダイナムコホールディングス<7832>
第2四半期(4~9月期)の連結決算は、売上高2285億円(前年同期比2.7%増)、営業利益263億円(同4.9%減)だった。減益となったが、期初の見通しを上回っており、2014年3月期の業績予想を上方修正した。「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」や「ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ」、「ガンダムブレイカー」などの家庭用ゲームソフトがヒットするとともに、玩具やスマートフォンアプリも寄与した。

 

■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
第2四半期(4~9月期)の連結決算は、売上高616億円(前年同期比1.0%増)、営業利益46億円(前年同期52億円の赤字)と黒字転換に成功した。8月に販売を開始した『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』が合計145万本と高いセールスを記録したほか、課金者数も60万人を突破した。さらに、北米での家庭用ゲームソフトの販売や、アミューズメント機器『ロード オブ ヴァーミリオン III』の販売、アミューズメント施設運営も良好だった。

 

■カプコン<9697>
第2四半期(4~9月期)の連結は、売上高532億円(前年同期比16.9%増)、営業利益75億円(同15.2%増)だった。9月発売のパチスロ機『デビル メイ クライ4』が2万5000台を販売したほか、『モンスターハンター4』が300万本、『バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション』もミリオンセールスとなるなど家庭用ゲームソフトが伸びた。他方、『スマーフ・ビレッジ』が安定した収益を稼いだものの、新作のヒットは出ず軟調に推移した。

 

■コナミ<9766>
第2四半期(4~9月期)の連結決算は、売上高及び営業収入979億2800万円(前年同期比8.2%減)、営業利益37億7100万円(同70.0%減)だった。ビデオスロットマシン「Podium」やメカニカルスロットマシン「Advantage」シリーズなどカジノ関連機器が伸びたものの、家庭用ゲームソフトやソーシャルゲームを手がけるデジタルエンタテインメント事業が営業利益68%減と大幅な減益だった。10月にに「パワフルプロ野球」を投入するなど下期偏重型の予算のため、計画通りに進捗しているようだ。
株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
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