ゲーム株概況　グリーに決算期待先行の買い　好決算発表の日本ファルコムは急落、市場は今期見通しに失望か

11月13日の東京株式市場でグリー<3632>株が買われ、前日比44円（5.3％）高の871円で取引を終えた。取引終了後に発表を控えていた決算内容への期待感から買いが入った。取引時間中に2013年9月期決算と14年9月期業績見通しを発表した日本ファルコム<3723>は、今期の業績の伸び率が物足りないとして売られたとの見方があった。

グリーの7～9月期の営業利益は前年同期比38％減の98億円と、事前の一部観測報道（5割減の80億円程度）を上回った。また4～6月との比較では、コスト削減の効果で20億円（26％）ほどの増益になっている（関連記事）。グリーの株価は10月前半に700円割れの水準まで売り込まれたが、その後は買い戻しが続き、観測報道後も目先の悪い材料が出尽くしたとして、堅調な推移が続いていた。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>とenish<3667>も大きく上げた。両社ともに業績に過度な期待を抱いていた向きの売りが一巡したとの見方がある。ガンホーは海外大手との提携効果への期待、enishは業績の安定感を評価する声が多い。

一方、日本ファルコムが14時に決算を発表して以降、急落し、終値は72円（7.2％）安の927円で取引を終えた。2013年9月期はPS3とPSvita向けに同時発売した『英雄伝説 閃の軌跡』が好調で、営業利益が前期から倍増し、過去最高の７億円となった（関連記事）。「軌跡」シリーズ10周年の14年9月期も増収増益目指すが、売上高で3％、利益で5％の伸びにとどまる見通しだったことから、過度な業績期待を抱いていた向きから売りが出たという。ファルコムは9月に業績予想を上方修正しており、14年9月に向けた期待感が醸成されていたようだ。


以下、13日の主なゲーム企業の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	終値	前日比	前日比率
ｅｎｉｓｈ	3667	2,699	182	7.23%
ガンホー・オンライン	3765	60,200	3,300	5.80%
グリー	3632	871	44	5.32%
ケイブ	3760	103,200	5,200	5.31%
エイチーム	3662	2,424	91	3.90%
ディー・エヌ・エー	2432	1,848	40	2.21%
バンダイナムコＨＤ	7832	2,021	40	2.02%
エイティング	3785	1,938	30	1.57%
任天堂	7974	12,500	190	1.54%
ボルテージ	3639	1,011	15	1.51%
ドリコム	3793	92,100	1,300	1.43%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	1,771	25	1.43%
クルーズ	2138	3,225	45	1.42%
カプコン	9697	1,804	24	1.35%
モブキャスト	3664	1,083	12	1.12%
サイバーエージェント	4751	3,320	25	0.76%
オルトプラス	3672	4,740	25	0.53%
ネクソン	3659	894	4	0.45%
ＧＭＯインターネット	9449	1,121	4	0.36%
マーベラスＡＱＬ	7844	570	1	0.18%
アクセルマーク	3624	737	1	0.14%
アエリア	3758	901	1	0.11%
トーセ	4728	668	-1	-0.15%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,195	-4	-0.33%
セガサミーＨＤ	6460	2,615	-13	-0.49%
日本一ソフトウェア	3851	770	-7	-0.90%
コロプラ	3668	2,515	-24	-0.95%
ＫＬａｂ	3656	679	-17	-2.44%
コナミ	9766	2,463	-105	-4.09%
日本ファルコム	3723	927	-72	-7.21%