米国市場で急速に存在感を高める日本の女性向け恋愛ゲーム 活躍目立つボルテージとNTTソルマーレ
日本の女性向け恋愛ゲームが米国市場での存在感を急速に高めている。ボルテージ<3639>やNTTソルマーレは、ここ数年、女性向け恋愛シミュレーションゲームの海外展開を強化しているが、ここにきて継続的な取り組みが実を結んできたようだ。
■乙女ゲームは上位20タイトル中、7タイトルを占める
11月16日時点での、米国App Storeのエンターテイメントカテゴリーの売上ランキングをみると、トップ20のうち、ボルテージが4タイトル、NTTソルマーレは3タイトル入っている。しかもトップ10では4タイトルがランクインした。
下の表は、8月14日時点と11月16日時点の同カテゴリーの売上ランキングを比較したものだ。これをみると、8月14日時点ではトップ20のうち、女性向け恋愛ゲームは4タイトルが入っていたのに対し、11月16日時点では実に7タイトルがランキングに入っており、急速にポジションを高めたことがわかる。しかも、トップ10に入ったタイトルは1タイトルから4タイトルに増えた。
出所: AppAnnie
このなかでも、ボルテージの『My Forged Wedding』は首位を獲得したことが注目される。「誓いのキスは突然に♪」の英語版で、ストーリーとキャラクターはすべてオリジナルのまま楽しめる。米国以外でもヒットしており、44カ国・地域で売上ランキング1位を獲得した。
一方、NTTソルマーレも好調だ。現在のトップタイトルは、『Shall we date?: Destiny Ninja』だが、こちらも20カ国・地域のApp Storeの売上ランキングで首位に輝いた。トップ10に入ったのは41カ国・地域にのぼる。
出所: AppAnnie
■両社は好調の要因をどうみる?
今回、両社にこれまでの取り組みと好調の要因を聞いてみた。その概要は以下のとおり。
(1)ボルテージ
ボルテージでは、日本で配信中のタイトルのストーリーやイラストをそのまま翻訳した“Romance Sims”シリーズを13タイトル、北米市場に向けにイラストとストーリー設定などを大幅に変えたUSオリジナルの“My Romance”シリーズを7タイトル提供している。
同社では、好調の要因について、女性向け恋愛シミュレーションゲームという市場がない中、創業以来掲げているコンテンツのテーマ「恋愛と戦いのドラマ」は、エンターテインメントとして、日本だけでなく海外でも受け入れられる普遍のテーマであったと分析している。
さらに、スマートフォンやSNSの普及に伴い、FacebookやTwitterなどを通じて、従来からの日本アニメが好きな一部の層だけではなく、日本のアニメがアプローチできていなかった一般層にも訴求できたこともひとつの要因とみているという。
(2)NTTソルマーレ
NTTソルマーレでは、「Shall we date?」というブランドで4年前から恋愛ゲームの海外展開を進め、現在、9タイトルを提供している。魅惑的なストーリーや美麗なスチルなど提供しているが、ユーザーの動向や要望をもとに改善を繰り返している状況で、現時点では決め手となったヒット要因については確証が得られていないとのこと。
ただし、継続的な改善に取り組んできた中で、App Storeにおいては★4.5という高いユーザーから得ている。同社では、「ゲーム制作や運用(改善)を丁寧に行なってきた結果であり、引き続きお客様から高い評価を頂けることが大切であると考えております。」とコメントしている。
■早い段階からの取組が市場創出に
両社のヒット要因に対する見解と、取り組みは大きく異なっているが、女性向け恋愛シミュレーションゲームという市場が存在しないなか、いち早く参入して地道に取り組み続けたことが市場の創出と売上の伸びにつながったといえよう。かつては日本の女性向け恋愛ゲームが海外のユーザーから受け入れられるのか半信半疑だった人は少なくなかったと思うが、そうしたなかで果敢に取り組んだことで良好な結果につながりつつある。AppAnnieのまとめたGoogle Playの非ゲームカテゴリーの世界売上ランキングでボルテージがトップ10に入ったことは記憶に新しいが、両社とも、引き続き海外市場に向けた取り組みを継続する方針で、今後、App Storeでも上位に食い込んでくる可能性は十分ある。
■乙女ゲームは上位20タイトル中、7タイトルを占める
11月16日時点での、米国App Storeのエンターテイメントカテゴリーの売上ランキングをみると、トップ20のうち、ボルテージが4タイトル、NTTソルマーレは3タイトル入っている。しかもトップ10では4タイトルがランクインした。
下の表は、8月14日時点と11月16日時点の同カテゴリーの売上ランキングを比較したものだ。これをみると、8月14日時点ではトップ20のうち、女性向け恋愛ゲームは4タイトルが入っていたのに対し、11月16日時点では実に7タイトルがランキングに入っており、急速にポジションを高めたことがわかる。しかも、トップ10に入ったタイトルは1タイトルから4タイトルに増えた。
【米国App Storeエンターテイメントカテゴリー売上ランキング】
出所: AppAnnie
このなかでも、ボルテージの『My Forged Wedding』は首位を獲得したことが注目される。「誓いのキスは突然に♪」の英語版で、ストーリーとキャラクターはすべてオリジナルのまま楽しめる。米国以外でもヒットしており、44カ国・地域で売上ランキング1位を獲得した。
出所: AppAnnie
一方、NTTソルマーレも好調だ。現在のトップタイトルは、『Shall we date?: Destiny Ninja』だが、こちらも20カ国・地域のApp Storeの売上ランキングで首位に輝いた。トップ10に入ったのは41カ国・地域にのぼる。
出所: AppAnnie
■両社は好調の要因をどうみる?
今回、両社にこれまでの取り組みと好調の要因を聞いてみた。その概要は以下のとおり。
(1)ボルテージ
ボルテージでは、日本で配信中のタイトルのストーリーやイラストをそのまま翻訳した“Romance Sims”シリーズを13タイトル、北米市場に向けにイラストとストーリー設定などを大幅に変えたUSオリジナルの“My Romance”シリーズを7タイトル提供している。
同社では、好調の要因について、女性向け恋愛シミュレーションゲームという市場がない中、創業以来掲げているコンテンツのテーマ「恋愛と戦いのドラマ」は、エンターテインメントとして、日本だけでなく海外でも受け入れられる普遍のテーマであったと分析している。
さらに、スマートフォンやSNSの普及に伴い、FacebookやTwitterなどを通じて、従来からの日本アニメが好きな一部の層だけではなく、日本のアニメがアプローチできていなかった一般層にも訴求できたこともひとつの要因とみているという。
(2)NTTソルマーレ
NTTソルマーレでは、「Shall we date?」というブランドで4年前から恋愛ゲームの海外展開を進め、現在、9タイトルを提供している。魅惑的なストーリーや美麗なスチルなど提供しているが、ユーザーの動向や要望をもとに改善を繰り返している状況で、現時点では決め手となったヒット要因については確証が得られていないとのこと。
ただし、継続的な改善に取り組んできた中で、App Storeにおいては★4.5という高いユーザーから得ている。同社では、「ゲーム制作や運用(改善)を丁寧に行なってきた結果であり、引き続きお客様から高い評価を頂けることが大切であると考えております。」とコメントしている。
■早い段階からの取組が市場創出に
両社のヒット要因に対する見解と、取り組みは大きく異なっているが、女性向け恋愛シミュレーションゲームという市場が存在しないなか、いち早く参入して地道に取り組み続けたことが市場の創出と売上の伸びにつながったといえよう。かつては日本の女性向け恋愛ゲームが海外のユーザーから受け入れられるのか半信半疑だった人は少なくなかったと思うが、そうしたなかで果敢に取り組んだことで良好な結果につながりつつある。AppAnnieのまとめたGoogle Playの非ゲームカテゴリーの世界売上ランキングでボルテージがトップ10に入ったことは記憶に新しいが、両社とも、引き続き海外市場に向けた取り組みを継続する方針で、今後、App Storeでも上位に食い込んでくる可能性は十分ある。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639
会社情報
- 会社名
- エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社(NTTソルマーレ)
- 設立
- 2002年4月
- 代表者
- 苫名 明
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 非公開
- 上場区分
- 未上場