【インタビュー】元ゲーム業界のエンジニアからみたアドテク業界の魅力とは?【PR】

スマートフォン関連のサービスがいま熱い。スマートフォン向けのゲームアプリをはじめ、ECや無料通話サービス、SNS、オークションなど様々なサービスが立ち上がっているが、そのなかでも最も高い成長を遂げている業界はスマートフォン向けの「広告」だろう。

「広告」は、次々と新しく立ち上がるサービスのプロモーション手段としてだけでなく、サービスの収益化を支援する手段でもあるからだ。そして、端末やOSの普及・進化、サービスの多様化に伴い、広告の種類も多様化し、広告効果測定の手法も飛躍的に進化している。

実際、サイバーエージェント<4751>をはじめ、ファンコミュニケーション<2461>、アドウェイズ<2489>など、直近の決算発表をみると、スマートフォン向けの広告サービスが大きく伸びたところが多かった。

今回、広告効果測定・配信ツール「Force Operation X」(「F.O.X」)を提供するCyberZのエンジニア3名にインタビューを行った。3名はいずれもゲーム業界からの転身組で、ゲームエンジニアからみたアドテク業界の魅力を語ってもらった。

 

■菊地氏(システムエンジニア)

 

―――: 現在の仕事内容を教えてください。

 「F.O.X」で蓄積されたユーザー数や課金額といった大量のデータを処理して、お客様のパソコンのブラウザ上で表示できるようにするアプリケーションの開発に携わっています。数字データとグラフが表示されるWEBアプリの開発です。これまでPHPで開発していましたが、そのスキルを活かすことができています。

―――: 前職ではどういったことをされていたのでしょうか?

 戦国系ゲームの開発責任者を担当していました。それ以前は、ブラウザゲームも手がけていたこともあります。どれも立ち上げの責任者としてマネジメントを行うことが多かったですね。

―――: ゲーム業界から転身された経緯は?

大きく2つの理由があります。ひとつは、担当していたゲームがヒットしたことで目標を達成したと思ったことです。もうひとつは、ゲーム開発に関わって3年になるのでちょうどいい節目になると考えたことです。こうした理由から、新しいことにチャレンジしたいと考え、スマホ広告で急成長をしていたCyberZに入社しました。

―――: ゲーム開発とはだいぶ違う仕事になりますよね。

ええ。とはいっても、全く違うわけではありません。出稿した広告がどういう形で運用されているか、効果を高めるためにどういった工夫・仕組みがあるのか、といった点にもともと興味がありました。前職の時は、ゲーム開発に専念できる環境にあったので、マーケティングには直接関わりませんでしたから、非常に楽しんで仕事ができています。

―――: この仕事の面白さはどういったことにあるでしょうか。

職務上、復数のゲームアプリのデータを見なくてはならないですし、様々な事前情報が入ってくるため、従来に比べて、業界全体を見渡せるようになったことですね。視野が広がっただけでなく、従来は気づかなかった、業界の細かい動きにも目が行くようになりました。
 
―――: 自分の運営していたゲームだけを見ていた状態から広がるわけですね。

そうです。もうひとつは、広告効果の測定だけでなく、課金データもカバーしていますので、取り扱うデータ量が非常に多いことです。特にアメリカ等、海外で流行している技術やシステム構成を研究して、データの処理能力をいかに上げていくか、という点も面白いですね。データを貯めこむだけでなく、契約している会社がいかに利用しやすく加工して提供するかも重要です。この点はゲームよりもスピードが求められるかもしれません。

―――: 取り扱うデータ量が非常に増えていそうですね。

はい。あとは、ビジネスに対する見方が広がることも面白さの1つです。ゲーム業界では、エンジニアはゲームで遊び、チュートリアルをクリアすると、最低限の業務知識が得られました。BtoBではわかりやすいチュートリアルがなく、自分で勉強したり、社内の人からレクチャーしてもらったりして知識を修得する必要があります。BtoBのシステム開発では、プログラム以外の知識をひたすら勉強するフェーズが必要なのですが、これが久しぶりだったこともあり、新鮮でした。モノを作って終わりではなく、モノを作った後、どうやって広告して販売するか、といった点も強く意識するようになりました。日経新聞を読んでも自然にゲーム業界以外のマーケティング関連の記事も読むようになって、業務提携や販売方法の意味も考えられるようになりました。

―――: ゲーム業界での経験はどういった点で役立ちましたか?

ゲーム業界で鍛えられて身につけたスピードと突破力がすごく活かせると思います。BtoBは、BtoCほどスピードは求められないように思われるかもしれませんが、スマートフォン向けの広告の変化は非常に早いです。広告配信や効果測定で新しい技術がどんどん導入されており、それにキャッチアップするのにスピードと突破力は強い武器になります。

―――: 技術的な部分も含めて、スマホの広告分野は本当に変化が激しいですね。

はい。私は、アメリカの情報を中心にキャッチアップしているのですが、とにかく早いですし、キャッチアップ自体もすごく楽しいです。ゲームに関しては、技術的な蓄積も進んでいて、ネットでもすぐに調べられるようになっていますが、アドテク分野に関してはいま盛り上がっているところで、技術が日々変わります。これを追い求めるのも面白さのひとつです。
 
―――: 今後、どういった仕事をしたいですか?

弊社の「F.O.X」は、広告の効果測定をする専門ツールだったのですが、ゲームを中心に培ったノウハウとデータを活かして、広告配信にも力を入れるようになっています。ジャンルや課金額に基づくターゲティングを行うことでゲームアプリの面白さをよりユーザーに伝えられるようになります。私も開発者のひとりとして、すごく面白いのに、広告費が出せないという状況や、広告配信のタイミングが悪いために売れないゲームを見て残念に思ってきました。ターゲットに合ったユーザーに正しい面白さを伝えて、ヒットしてもらうためには、ぼくらの技術にかかっていますので、ターゲティングのどんどん精度を上げたいと思っています。

―――: 今後のキャリアビジョンを教えて下さい。

ゲーム分野に関しては日本が引っ張っていますが、広告業界はアメリカが引っ張っています。アメリカで流行した技術が2、3年後に日本に入ってくることが多く、私自身も海外の技術情報は常にチェックしています。将来的には、こうした情報を集めるだけでなく、最先端の場所に身を置いて仕事したいと考えています。幸いCyberZは、サンフランシスコに支社もありますし、アジア圏など海外進出も多くしておりますので、海外で勤務するエンジニアはもっと増えてくると思います。そういうチャンスが来た時に手をあげられるように準備をしているところです。


 

■上原氏(インフラエンジニア)


―――: 前職ではどういったことをされていたのでしょうか?

以前は、スマートフォン向けのゲームプラットフォームで、インフラ部分を担当していました。サーバーやネットワーク、ミドルウェア、機器選定、テストまでを担当しました。サービスの立ち上げから関わりましたね。

―――: 仕事の内容は変わりましたか?

展開されるサービスこそ違いますが、インフラ部門に関しては、仕事内容自体は実はそれほど変わりません。

―――: CyberZに入社された経緯を教えて下さい。

スマホの広告業界ということで勢いが感じられること、そして、CyberZでインフラの人材が不足しているということで、必要とされる企業で働きたいと感じて転身しました。前職は運用部分の自動化がかなり進んでおり、すでにシステム的にも洗練されてきていたこともあり、一から自分の手で構築するところをやりたいと思いました。

―――: 同じインフラでもゲーム業界と異なる点はありましたか?

アドテク業界ならではというわけではないですが、CyberZは、若い会社なので運用面でまだまだ洗練されていない部分はあるものの、「攻め」のシステム構築ができる点ですね。守りの部分もまだ不十分で、これからどんどん良くしていきたいと思っています。

―――: 「守り」とはどういうことでしょうか。

インフラの仕事は、とにかくサービスを止めないという「守り」の部分に誇りをもって仕事に取り組めることに楽しさがあります。最近、爆発的に増えるデータ量が今後影響を与えてきそうなレベルにまで成長してきたので、サービスに影響が出始めていましたので、先月、ルーターとスイッチをハイエンドなものに入れ替えました。

―――: なるほど。それに対する「攻め」の意味を教えて下さい。

いまCyberZでは、社員数や売上だけでなく、データ量も倍々で伸びています。急増するトラフィックに対し、機器の入れ替えなどで対応するだけでなく、Hadoopなど新しい技術を導入して積極的に対応し、処理能力を上げるために取り組んでいます。HadoopやCassandraなどエンジニアの中でもまだ経験やノウハウの蓄積の少ない技術をキャッチアップして検証・リリースするようにしています。「守り」と「攻め」を同時にこなすのは、とてもむずかしい仕事ですが、とてもやりがいがありますね。

―――: 技術導入はどうやって行うのですか?

まず、セミナーや技術コミュニティに入って技術情報のキャッチアップを行っていきます。社内での勉強会や、情報交換の機会も頻繁にあります。そして、情報を仕入れた技術を自社のサーバールームに入れて、自分で構築して動かすことになります。動作確認ができたら、負荷チェックを出してリリースします。新しい技術は、思うように動かない時があって大変ですが、楽しいですね。

―――: ゲーム業界での経験やノウハウで活かせることはありますか?

ゲームでは、リリース時やイベント、キャンペーンなどの時にトラフィックが急増することがよくありますが、広告業界でもこうした突発的なトラフィックの急増がよく発生します。対応の仕方も似ていますので、ゲーム業界でのインフラ構築・運用の経験は十分活かせます。

―――: 自分で作り上げていく部分が多いというのは楽しいですよね。

そうですね。あと、ゲームプラットフォームのインフラも相当なスピード感が求められたのですが、現職はそれ以上という印象を持っています。新しい技術を導入するため、検証・リリースまで持っていくスピードがとにかく速いですね。

―――: アドテク業界の魅力を教えて下さい。

カオスマップという言葉がありますように、アドテク業界はまだまだ混沌としており、群雄割拠でチャンスは非常に多いです。ゲームのインフラの仕事では、自分の構築したインフラの上に載るサービスはゲームで、それがヒットすれば大きな成果だったわけですが、アドテクの場合、広告市場や、お客様の業界全体の状況や成果などが肌で感じられる状況にあります。そして、CyberZは業界でももっと良いポジションを築こうとしておりますし、これからもっと世界に羽ばたこうとしている会社です。これもひとつの楽しさでもあります。

―――: 将来的にどういったやりたい仕事をやりたいですか。

現在も守りと攻めというチャレンジングな仕事をやっていますが、引き続き守りと攻めをしつつ、新しい技術を導入していきたいですね。この会社のインフラエンジニアは、どんどんチャレンジングなことができますので、ぜひ一緒にチャレンジしてくれる仲間を増やしていきたいと思っています。


 

■平賀氏(システムエンジニア)


―――: 現在のお仕事を教えて下さい。

広告の計測に関する追加機能の要件実装や、計測のキモになるSDKのアプリ開発ミドルウェア対応などを担当しています。ミドルウェアというと、例えば、「Adobe AIR」や「Unity」、「Cocos2d-x」、「Corona」等です。最近対応したCoronaは、AnscaMobile社が提供している2Dゲーム開発用のSDKで、ゲーム開発において世界各国で利用されているミドルウェアです。日本語の文献が少なく、対応の際少し苦労しました(笑)。これらミドルウェアで開発したゲームアプリに当社の提供するSDKを組み込むだけで、広告効果測定が簡単にできるようになります。

―――: 前職の仕事は同じ業種だったのでしょうか。

ゲーム業界の開発エンジニアでした。もともとAndroidのネイティブアプリの開発が得意だったのですが、LAMP環境でソーシャルゲーム開発なども行っていました。前職の会社に移った当初は、サーバー部分を担当していたのですが、途中、ネイティブアプリの開発を行うプロジェクトが立ち上がり、それに参画したこともあります。そのネイティブアプリは、WEBビューベースのアプリだったため、課金関係やインタフェース部分を担当していました。

―――: 転職された経緯は。

もともとJavaが好きで、自分自身の強みでもありました。前職ではPHPを習得し、もっとJavaを使える環境で仕事をしたいと考えたことがひとつです。2つ目の理由としては、レスポンス速度に対するシビアな要件が求められる環境で働くことで、自分のチューニングに関する技術もより深めることができるのではないかと考えたことでした。

―――: この仕事の面白さはどういったことにありますか?

エンジニアの立場から、CyberZでの仕事の魅力は、サーバーサイドに特化せず、iPhoneやAndroidの仕事もできることでした。また、2009年に立ち上がった会社なので、まだ歴史が浅いですから、頑張って自分たちの作ったものがサービスの血肉になることも魅力に感じました。「自分たちで作っていく」という舵を切れるところ、ですね。

―――: 国内の計測ツールでミドルウェア「Corona」 に対応したのは当時国内初でしたよね。この仕事の面白さは何でしたか。

まさに他の人がやっていないことを簡単にまかせてくれることですね。前例がないことをやるので、先陣を切るという苦労がありますが、自分で道を作ることができる、というか。実績の有無だけでなく、熱意とやる気も評価してくれて、とにかく挑戦できることです。また、個人的にAndroidに関わっていたいと思っていましたので、最近出たKitKat(Android4.4)の検証もしていたりととてもやりがいがありますね。

―――: ゲーム業界でのスキルやノウハウが活かせていることは。

以前、ゲームではネイティブアプリの開発をやっていましたが、SDKを組み込む側の状況を理解できる、ということですね。アプリを開発していた時、広告会社のSDKを組み込み、動作確認をする仕事をしていました。そうした経験を活かし、アプリ開発者の視点に立って、組み込みやすいSDKを提供するように心がけています。クライアントからの問い合わせがあったとき、ゲームやサービスの開発の経験があると、先方がどこで困っているのかがわかりやすく、迅速に対応できることもあります。

―――: 技術的には問題なく入れたと。

技術に関しては問題なかったです。ただ、ネットや本などでアドテク業界の知識を入手しておく必要がありました。広告業界の知識がないと、ソースコードを見ても、何をするための記述なのか、まったく理解できないことがありますから。その知識の有無で仕事の効率がだいぶ変わってきます。また、gihyoで執筆する機会をいただき、自分で調べて書くことで身についた知識も多かったですね。

―――: ゲーム業界との違いはなんでしょうか?

ゲーム業界に比べて、プレイヤーが限られているので、様々な情報が集まってきて、入手しやすい状況にあることが面白いですね。海外の技術情報や、お客様の開発状況などの最新情報をいち早く取り入れ、国内で先んじてサービスを開発してリリースして優位に立つと、お客様のF.O.X導入が進んだり、広告のお取引などにすぐに反映されたりします。自分が頑張って開発した部分と成果の結びつきがすぐに反映される点が面白くもありシビアでもありますね。

―――: アドテク業界の面白さとは。

新しい技術の導入には、非常に貪欲で、積極的なことですね。「とにかく新しい技術を試したい」という方には最高の環境かもしれません。広告の効果を上げる、そしてクライアントの満足度が向上する技術であれば、どんどん検証して取り入れていく環境です。

―――: すぐにやらせてもらえるものなのですか?

そうですね。この技術を導入するメリットを示しつつ、発生するであろうデメリットをどうやってなくすことができるかが明確であれば、すぐにやらせてもらえますね。検証でも実用的と判断されれば、すぐにプロダクトに落としこむというフローになりますから。

―――: 将来的にこういう仕事をやりたいというイメージはありますか?

まだまだ私自身勉強している状況ですが、将来的には、新しい計測技術などを提案できるようになりたいですね。とにかく「業界初」「世界初」といえるような技術を一番早く導入したいですね。



【編集後記】
アドテクに関わる3名のエンジニアの話を聞いて、改めて広告市場のスピード感を実感しました。BtoBのエンジニアは、お客様が関わる分、比較的スピード感が遅いのでは?というイメージがありましたが、まさにその逆。いち早く新しい技術を取り入れ、検証し、一から構築していく面白さ、スピード感が伝わってきました。お話を伺った皆さま、ありがとうございました!



▼CyberZ人事部より

CyberZでは、スマートフォンテクノロジーの未来を創るエンジニアを募集しています! ぜひ会社の様子や、ニュースなど、Facebookページをご覧ください!人事としては、皆さんが働きやすい環境をどんどん創っています!



CyberZ 人事部マネージャー 山本真由美さん

 

■関連サイト


株式会社CyberZ 

株式会社CyberZ Facebookページ

株式会社CyberZエンジニア採用ページ

株式会社CyberZ
https://cyber-z.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社CyberZ
設立
2009年4月
代表者
代表取締役社長CEO 山内 隆裕
決算期
9月
企業データを見る