ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3635>が提供するパズルRPG『パズル&ドラゴンズ』。ゲーム業界に多大な影響を与えたスマートフォン向けアプリの本作は、今年もバラエティに富んだ取り組みと露出で、多種多様なエンタメ業界で話題を呼んだ。
さてさて、そんな『パズル&ドラゴンズ』だが、果たして2013年はどんな年になったのか? 本稿では年の瀬企画として、とどまることを知らない『パズドラ』を、イベント施策や功績、取り組みなどを2013年1月から順々に振り返ってみることにした。
【配信当初】2012年2月20日に産声をあげてから……
『パズル&ドラゴンズ』は、2012年2月20日にiOS向けに配信スタート。当初は、通常価格170円のところを期間限定で無料ダウンロードとしていた。もはや説明不要ではあるが、本作は「モンスター」を育てる楽しみと、「パズル」で戦う斬新さを兼ね備えたパズルRPGである。
プレイヤーは、お気に入りの「モンスター」で編成したチームで冒険に出かけ、ドロップを揃えて敵の「モンスター」を討伐し、ダンジョンを攻略していく。同じ色を揃えて消す馴染み深い「パズルゲーム」がメインで、直観的な操作で老若男女を問わず楽しめるようになっている。
さて、2012年2月に配信開始されてからは、早々にトップセールスを記録するなど、当初からゲームとしての面白が大変評価されていた『パズドラ』。その面白さはクチコミで徐々に広がっていき、配信開始後146日目となる2012年7月15日で大台100万ダウンロードを記録した。
その後は、2012年9月18日にAndroid版、同年11月9日に英語版のサービスを開始と海外にも展開。なお、2012年12月時点で、1周年を迎えずにして600万ダウンロードまで到達した。
ここからは、2013年における『パズル&ドラゴンズ』の取り組みやイベント施策、功績などを、月毎にまとめてみた。本稿を通せば、2013年の『パズドラ』の凄まじさが伝わるだろう。
■1月 - 主要プラットフォームと主要言語が出揃う
【Topics】
・ガンホーの『ケリ姫スイーツ』とコラボ(関連記事)
・Kindle Fire対応版をリリース(関連記事)
・韓国App Storeで配信開始(関連記事)
・700万ダウンロード突破(関連記事)
2013年1月では、Kindle Fire対応版が配信開始された。これでiOS/Android/Kindleと主要プラットフォームが出揃ったことに。さらに英語版に続き、韓国版のiOS版も配信開始(Android版は配信済み)。先ほどのプラットフォーム同様、これによってアプリ売上に寄与する主要言語にも対応したことになる。ある意味、2013年1月は最低限のマネタイズに関わる箱を、きちんと揃えたことが伺える。
また、同社の『ケリ姫スイーツ』ともコラボを開始。なお、このコラボをきっかけなのか、売上ランキングでは『ケリ姫スイーツ』が急上昇したことを確認している(関連記事)。現在ではお馴染みの『パズドラ』コラボだが、やはり強力なマスとして捉えることで、絶大な送客にも繋がるクロスプロモーションが発揮される。
▲『パズドラ』ゲーム内の『ケリ姫スイーツ』コラボの様子。
■2月 - たった12日間で100万ダウンロード上乗せ
【Topics】
・iOS版サービス開始1周年(関連記事)
・韓国版がApp Store売上ランキング首位獲得(関連記事)
・800万ダウンロード突破(関連記事)
・900万ダウンロード突破(関連記事)
1月30日付で国内累計800万ダウンロードを突破。発表が2月のためこちらに入れさせてもらった。じつは、この800万DL突破だが、『パズドラ』における“100万DL上乗せ”において、最短12日で達成した異常なスピードが特徴的な功績である。
そして、1月に配信開始されたばかりの韓国版が、App Storeの売上ランキングで首位を獲得と海外人気も見せつけた。韓国ではAndroidが主要であるものの、他の人気アプリを抑えている点は、目を見張るものがある。
■3月 - いったぜ1000万ダウンロード!
【Topics】
・Google Play1周年記念ダンジョン「未知の来訪者」を配信(関連記事)
・新テレビCMの放映開始(関連記事)
・1000万ダウンロード突破(関連記事)
・1100万ダウンロード突破(関連記事)
2013年3月、ついに配信開始1周年を迎えて1000万ダウンロード突破。また、3月26日からは新しいテレビCMの全国放送も開始した。テレビCMでは、これまでのゲーム画面を紹介した内容とは異なり、プレイヤーが戦略を練りながら『パズドラ』をプレイしている様子が描かれている。
ゲームのプレイ映像を中心に構成されているため、本作の特徴である縦横無尽に移動させることのできるパズルの動きや、連続コンボを達成した時の爽快感など、ゲームの魅力がより分かりやすく、かつシンプルに表現されていた。
▲新TVCMのワンシーン。
■4月 - 「パズドラファン感謝祭」開催…タイムアタック日本一を決める大会も実施
【Topics】
・オフラインイベント「パズドラファン感謝祭」を開催(関連記事)
・初のスピンアウトアプリ『パズドラチャレンジ』を配信開始(関連記事)
・パズル部分で使用される“ドロップ”をドラマ『でたらめヒーロー』に提供(関連記事)
・バンダイの人気カード付きウエハースチョコ『神羅万象チョコ』とコラボ(関連記事)
・カナダのGoogle Playで配信開始(関連記事)
・1200万ダウンロード突破(関連記事)
・1300万ダウンロード突破(関連記事)
ここに来ると、1ヵ月200万ダウンロード上乗せが当たり前になってきたようだ。さて、2013年4月には、バンダイの人気カード付きウエハースチョコ『神羅万象チョコ』とのコラボが実施された。コラボでは、『神羅万象チョコ』の人気キャラクターが『パズドラ』のコラボダンジョンに登場するほか、お菓子のマスコットキャラクター「ウエハーマン」などもキャラクターとして登場。また、海外展開として米国、韓国に続き、カナダでもリリース(Android版から配信開始)。
そして、4月29日にはオフラインイベント「パズドラファン感謝祭2013」が開催された。当日は、メインイベントとして、『パズドラ』初のタイムアタック日本一を決める大会「第1回パズドラジャパンカップ」が行われた。こちらの競技では、スピンオフアプリ『パズドラチャレンジ』が用いられた。さらに『パズドラ』のBGMの作曲を担当している伊藤賢治氏のスペシャルライブも。
・初のスピンアウトアプリ『パズドラチャレンジ』を配信開始(関連記事)
・パズル部分で使用される“ドロップ”をドラマ『でたらめヒーロー』に提供(関連記事)
・バンダイの人気カード付きウエハースチョコ『神羅万象チョコ』とコラボ(関連記事)
・カナダのGoogle Playで配信開始(関連記事)
・1200万ダウンロード突破(関連記事)
・1300万ダウンロード突破(関連記事)
ここに来ると、1ヵ月200万ダウンロード上乗せが当たり前になってきたようだ。さて、2013年4月には、バンダイの人気カード付きウエハースチョコ『神羅万象チョコ』とのコラボが実施された。コラボでは、『神羅万象チョコ』の人気キャラクターが『パズドラ』のコラボダンジョンに登場するほか、お菓子のマスコットキャラクター「ウエハーマン」などもキャラクターとして登場。また、海外展開として米国、韓国に続き、カナダでもリリース(Android版から配信開始)。
そして、4月29日にはオフラインイベント「パズドラファン感謝祭2013」が開催された。当日は、メインイベントとして、『パズドラ』初のタイムアタック日本一を決める大会「第1回パズドラジャパンカップ」が行われた。こちらの競技では、スピンオフアプリ『パズドラチャレンジ』が用いられた。さらに『パズドラ』のBGMの作曲を担当している伊藤賢治氏のスペシャルライブも。
■5月 - 使徒、襲来
【Topics】
・ガンホーの『ケリ姫スイーツ』と再びコラボ(関連記事)
・『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とコラボ(関連記事)
・大型アップデートを実施(関連記事)
・1400万ダウンロード突破(関連記事)
2013年5月は、人気の「英雄」シリーズのモンスターが究極進化可能になったり、4インチディスプレイへの対応したり、フレンド登録可能人数を最大200人まで増やせるようになったなどの大型アップデートが実施された。なかでも機能面では、4インチディスプレイに対応したことにより、表示領域が拡張し、時間などの端末ステータスバーが同時表示されるようになって、プレイ環境における利便性が格段に上がった。
そしてコラボでは『ケリ姫スイーツ』と再び実施したほか、なんと『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とも開始。「シンジ」、「レイ」、「アスカ」、「マリ」などのお馴染みのキャラクターたちが、それぞれが搭乗する「ヱヴァ」と一緒になって出現する「コラボガチャ」を、イベント期間限定でレアガチャに登場させた。『パズドラ』用に描き下ろされたキャラクターたちが、可愛く話題を呼んだ。
そしてコラボでは『ケリ姫スイーツ』と再び実施したほか、なんと『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とも開始。「シンジ」、「レイ」、「アスカ」、「マリ」などのお馴染みのキャラクターたちが、それぞれが搭乗する「ヱヴァ」と一緒になって出現する「コラボガチャ」を、イベント期間限定でレアガチャに登場させた。『パズドラ』用に描き下ろされたキャラクターたちが、可愛く話題を呼んだ。
▲『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』コラボの登場キャラクター。
▲大型アップデートで施された機能面。
■6月 - 『クラクラ』旋風はここから!? コラボが知名度向上に貢献
【Topics】
・Supercellの『Clash of Clans』とコラボ(関連記事)
・「日経トレンディ」の「2013年上半期ヒット商品ベスト30」で第2位を獲得(関連記事)
・一番くじがセブン-イレブンに地域限定で登場(関連記事)
・1500万ダウンロード突破(関連記事)
2013年6月は、後にソフトバンクとガンホーによって買収される、フィンランドのゲーム会社・Supercellの大ヒットタイトル『Clash of Clans』(通称:クラクラ)とのコラボを実施。いまでは、日本でも売上ランキングの上位常連となった『Clash of Clans』だが、恐らく日本で一気に知名度を上げたのは、この『パズドラ』コラボの効果といっても過言はないだろう。ランキングもコラボ開始後、グングンと上昇したことも確認されている(関連記事)。
そして、6月3日に発表された月刊情報誌「日刊トレンディ」の「2013年上半期ヒット商品ベスト30」において、第1位の「アベノミクス消費」に続く総合第2位(単独商品としては1位)を『パズドラ』が獲得した。これは、2012年10月~2013年5月の期間に発売された製品・サービスを対象に、「売れ行き」「新規性」「影響力」「ヒット持続力」の4項目に沿って独自に判定し、ランク付けされている。
▲『パズドラ』用にデフォルメされた『クラクラ』の面々。
7月20日より『パズドラ』と今冬発売予定のニンテンドー3DS専用ソフト『パズドラZ』について、全国7都市のイオンモール内特設会場で、オフラインイベント「パズドラツアー in イオンモール」が開催。当日は、イオンモール内のポイントをまわる「クイズラリー」、さらに「パズドラクイズ大会」や「ガチャドラ」が登場する「パズドラスペシャルステージ」などが行われた。そして、韓国語版が100万ダウンロード突破。当時は、同国の売上ランキングでも常に上位をキープしており、海外とは言えども分け隔てなくゲーム本来の面白さがヒットしたのが伺えた。
▲『パズドラZ』緊急発表会に登壇した、左からプロデューサーの山本大介氏、
作曲家の伊藤賢治氏、タレントの中川翔子さん、ガンホー社の森下一喜社長。
■9月 - ゲーム大賞をW受賞
【Topics】
・Android版サービス開始1周年(関連記事)
・富山県高岡市とコラボ(関連記事)
・カプコンの『ドラゴンズドグマ クエスト』とコラボ(関連記事)
・カプコンの『モンハン商店 アイルーでバザール』とコラボ(関連記事)
・ガンホーの『ケリ姫スイーツ』と3度目のコラボ(関連記事)
・1900万ダウンロード突破(関連記事)
ガンホーも出展した「東京ゲームショウ2013」の開催月。『パズドラ』は、「東京ゲームショウ2013」で発表された「日本ゲーム大賞2013」において、「経済産業大臣賞」と「年間作品部門 特別賞」を受賞した。そのほか、各種コラボ展開も賑わいを見せている。カプコンをはじめ、『ケリ姫スイーツ』では3度目となるコラボ、そして富山県高岡市とのコラボでは、観光大使「あみたん娘」や富山の名産が勢ぞろいした。また、大型アップデートでは、新しいスキルが解放される「能力覚醒システム」のほか、「モンスターBOX」の拡張などが実装。
ガンホーも出展した「東京ゲームショウ2013」の開催月。『パズドラ』は、「東京ゲームショウ2013」で発表された「日本ゲーム大賞2013」において、「経済産業大臣賞」と「年間作品部門 特別賞」を受賞した。そのほか、各種コラボ展開も賑わいを見せている。カプコンをはじめ、『ケリ姫スイーツ』では3度目となるコラボ、そして富山県高岡市とのコラボでは、観光大使「あみたん娘」や富山の名産が勢ぞろいした。また、大型アップデートでは、新しいスキルが解放される「能力覚醒システム」のほか、「モンスターBOX」の拡張などが実装。
2013年10月には、ゲームデータを異なるOS間でも移行させる機能を、10月4日のメンテナンス終了後より実装した。これまで『パズドラ』では、異なるOSの端末に機種変更をした際、ゲームデータが引き継げない状態であったが、今回の実装に伴い、Android端末で『パズドラ』を遊んでいたユーザーがiPhoneに機種変更した際、従来遊んでいたゲームデータを引き継ぐことができるようになった。また、10月にはApple社の価格改定に伴い、魔法石の値段が変わるなど、バタバタした月でもあった。
そして、コラボ面ではワールドワイドで実施された「バットマン」をピックアップ。このコラボでは、24時間限定の「ゴッドフェス」の開催とも重なり、北米で売上を伸ばした。また、ダウンロード数の増加にも寄与して、無料ランキングでも順位が上昇。さすがは、アメリカが誇るダークヒーロー、本家国内のファンに大きく響いたようだ。
また、10月には2000万ダウンロード突破。なお、関連記事中にも記載したが、同社関係者によると、いわゆる「リセットマラソン(リセマラ)」による重複ダウンロード数は、累計ダウンロード数には含まれていないとのこと。
そして、コラボ面ではワールドワイドで実施された「バットマン」をピックアップ。このコラボでは、24時間限定の「ゴッドフェス」の開催とも重なり、北米で売上を伸ばした。また、ダウンロード数の増加にも寄与して、無料ランキングでも順位が上昇。さすがは、アメリカが誇るダークヒーロー、本家国内のファンに大きく響いたようだ。
また、10月には2000万ダウンロード突破。なお、関連記事中にも記載したが、同社関係者によると、いわゆる「リセットマラソン(リセマラ)」による重複ダウンロード数は、累計ダウンロード数には含まれていないとのこと。
▲「バットマン」コラボで登場したキャラクター。
・2100万ダウンロード突破(関連記事)
2013年11月には、世界的大ヒットゲームアプリ『Angry Birds』とのコラボの実施や、北米版が200万ダウンロード突破するなど、海外展開における朗報が盛り沢山の月に。また、その年に顕著な実績を残したチームを表彰する「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2013」において、同作のプロジェクトチームが一般部門で受賞した。そのほか11月では、ニンテンドー3DS用ソフト『パズドラZ』の体験版が配信開始された。こちらは、体験版から製品版にセーブデータを引き継ぐことから、各所で話題を呼んだ。
■12月 - アプリ版とは異なるプラットフォームで話題に
【Topics】
・3DS『パズドラZ』の新TVCM放送開始(関連記事)
・3DS『パズドラZ』パッケージ版の国内出荷数が累計100万本突破(関連記事)
・「Google検索ランキング」で『パズドラ』が国内急上昇部門で2位(関連記事)
・アーケードゲーム『パズドラ バトルトーナメント』開発決定(関連記事)
・『劇場版HUNTER×HUNTER』とコラボ(関連記事)
・大型アップデート実施(関連記事)
・欧州6カ国のApp Storeで配信開始(関連記事)
・2200万ダウンロード突破(関連記事)
iOS版を欧州6カ国(フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、フィンランド)に配信開始するとの情報で始まった12月では、アプリ版とは異なるプラットフォームで展開する作品が目立っていた月でもあろう。12月12日に発売開始となったニンテンドー3DS用ソフト『パズドラZ』パッケージ版の国内出荷数が累計100万本突破したほか、スクウェア・エニックスが開発を務めるアーケードゲーム『パズドラ バトルトーナメント』が電撃発表されるなど、様々なプラットフォームで『パズドラ』の話題が飛び交っていた。
▲左から『パズドラ バトルトーナメント』の筺体、『パズドラZ』のパッケージ。
【総括】 王座、揺るがず
下部には、App Storeにおける売上と無料ランキングの推移、そして100万ダウンロード毎の経過日数の表を掲載した。売上ランキングに関しては、2013年も「ゲームカテゴリー」でぶっちぎりの首位を維持。しかし、「全てのカテゴリー」では、一度だけ無料通話・メールアプリ『LINE』が首位になったことがある(関連記事)。ユーザー母数が遥かに多い『LINE』の功績といえるか、はたまた何らかのトラブルだったのか。
『パズル&ドラゴンズ』は、2014年2月でサービス開始2周年を迎えるが、その勢いはとどまることを知らない。ゲーム本来の面白さが牽引していることはもちろん、「パズル」という繰り返し遊べる中毒性の高いゲームジャンルは、どうやら飽和状態には繋がらないようだ。
■100万ダウンロード毎の経過日数
■2013年の『パズル&ドラゴンズ』 App Store無料ランキング推移
出所:App Annie
■2013年の『パズル&ドラゴンズ』 App Store売上ランキング推移
2014年も売上に関しては『パズドラ』の独走が続くだろう。
■関連サイト
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会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765