ゲーム株概況 任天堂が10%高、中国のゲームハード規制緩和を材料視 ソニーのCES講演内容に前向き評価も

1月8日の東京株式市場ではゲーム株は総じて上昇した。全体相場が上昇に転じたことで、買い戻しや買い直しの動きが広がった。とりわけ上昇が目立ったのが任天堂<7974>で、前日比1540円(10.8%)高の1万5850円で取引を終えた。円安に加えて、中国政府が家庭用ゲーム機規制を緩和する方針であることが買い材料視された。

任天堂は一時、1万6050円まで買われ、昨年来の高値を更新。株価が1万6000円台に乗せるのは、2011年7月以来、約2年半ぶりとなる。中国政府が前日、上海の自由貿易試験区で外資系企業の家庭用ゲーム機販売を解禁する規制緩和策を実施すると発表した。ゲームハードを販売している企業にとって新たな市場が開放されるとの見方から、買いが集まった。

ソニー<6758>も1.4%高と上昇した。ソニーもゲームハードを製作販売しているが、株式市場では前日の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」での平井一夫社長の講演内容も材料視されているようだ。米国で今夏からクラウドコンピューティングを活用したゲームの配信を始め、今年後半からテレビ番組も試験提供する方針であることを明らかにした。ゴールドマン・サックス証券のアナリストは「ソニーがホームエンターテイメントのプラットフォーマーとして優位に立てる可能性があるサービス」と前向きに評価していた。

ディー・エヌ・エー<2432>は7%高と上昇が目立った。週刊マンガアプリ『マンガボックス』が200万ダウンロードを達成した(関連記事)ことを材料視する声が一部にあった。収益化に成功するかを見極めたいサービスだ。一方、新作ゲーム『フルボッコヒーローズ』への期待感で買われてきたドリコム<3793>は下げた。いったん利益確定売りに押された。


以下、8日の主なゲーム企業の株価と騰落(単位は円)。
銘柄名 証券コード 終値 前日比 前日比率
任天堂 7974 15,850 1,540 10.76%
ミクシィ 2121 6,970 600 9.42%
ディー・エヌ・エー 2432 2,305 157 7.31%
オルトプラス 3672 2,547 167 7.02%
アクセルマーク 3624 809 45 5.89%
グリー 3632 1,054 48 4.77%
クルーズ 2138 4,480 195 4.55%
日本一ソフトウェア 3851 904 39 4.51%
コーエーテクモHD 3635 1,252 41 3.39%
コナミ 9766 2,415 75 3.21%
エイティング 3785 1,914 56 3.01%
セガサミーHD 6460 2,747 77 2.88%
エイチーム 3662 6,670 170 2.62%
ボルテージ 3639 1,213 29 2.45%
バンダイナムコHD 7832 2,354 52 2.26%
ネクソン 3659 945 20 2.16%
スクウェア・エニックスHD 9684 1,860 39 2.14%
ガンホー 3765 728 14 1.96%
ケイブ 3760 2,584 41 1.61%
GMOインターネット 9449 1,371 21 1.56%
日本ファルコム 3723 1,160 15 1.31%
マーベラスAQL 7844 801 8 1.01%
カプコン 9697 1,880 15 0.80%
モブキャスト 3664 1,321 10 0.76%
KLab 3656 856 5 0.59%
enish 3667 2,713 1 0.04%
コロプラ 3668 3,165 0 0.00%
サイバーエージェント 4751 4,340 0 0.00%
アエリア 3758 1,425 -4 -0.28%
ドリコム 3793 287,300 -2,300 -0.79%
任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

会社情報

会社名
任天堂株式会社
設立
1947年11月
代表者
代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
決算期
3月
直近業績
売上高1兆6718億6500万円、営業利益5289億4100万円、経常利益6804億9700万円、最終利益4906億0200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7974
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