サイバーエージェント、スマホゲームに特化したDMP「GameAudience」の提供開始…CA Beat羽片社長に聞くサービスの特徴
サイバーエージェント<4751>のアドテクスタジオは、この日(2月24日)、スマートフォンネイティブゲームアプリに特化したプライベートDMP「GameAudience(ゲームオーディエンス)」(提供:CA Beat)のサービスを開始すると発表した。
DMPとは、「Data Management Platform」で、「データを管理するプラットフォーム」。今回開始する「GameAudience」は、国内で初めてスマートフォンゲームのユーザーデータを収集・分析し、適切なユーザーに広告配信やメッセージを送ることで、マーケティング効率を向上させるサービスだ。
例えば、ユーザーの定着率やアクション回数、ゲームの進行度合い、所属ギルドなど、セグメント分解を行い、そのユーザーに合った広告を配信することが可能になる。さらに、同じ会社であれば、復数のゲームにわたって分析することもできるという。
スマートフォンゲームアプリについてはマーケティング費用の高騰が指摘されているが、このサービスを使うことで、より効率的なマーケティング活動が可能になる。2月から一部の企業から限定的に配信を開始し、3月から順次販売を拡大していく。2014年9月までに500アプリでの導入を目指す。
■アプリマーケティングは「面」の最適化から「質」重視に
今回、CA Beat代表取締役社長の羽片一人氏にサービスに関するインタビューを行った。
―――: サービスを提供しようと考えた背景は何でしょうか?
最近、スマートフォンゲームのマーケティングでは、ユーザーの質を重視する流れが強くなっています。これまでのマーケティングでは、どういった媒体に配信するかといった「面」の最適化が重視されていましたが、多くのゲーム会社はゲーム内で集めた膨大な情報をマーケティングに活用することで、マーケティングの効果がより高まると考えたことが背景です。
―――: 考えられる活用方法と効果を教えてください。
ユーザーデータに基づく広告配信ができるため、例えば、自社のアプリで遊んでいるユーザーに新作の広告を配信したり、ゲームをやめてしまったユーザーに呼び戻しの広告を配信する、といったことが可能になります。実は「ユーザーの呼び戻し」の広告配信もきちんと計測できるところはなかったんです。あとは、例えば、『戦国炎舞』で遊んでいるユーザーに『戦国炎舞』の広告を出すこともナンセンスですよね。そういうことも防ぐことができます。適切なユーザーに適切な広告が配信できるため、従来よりも広告の効果と効率性が高まります。
―――: 導入する場合の流れはどうなるのでしょうか?
サービスを利用する場合、まず、弊社側にログデータの情報をご提供いただき、弊社で分析を行います。その結果を活用して、広告やメッセージを配信していくことになります。自社アプリ限定ですが、横断的にデータが分析できるため、多くのアプリを提供している会社ほど、獲得単価などマーケティング活動の効率性が高まると考えています。
―――: 広告配信はどういった形で可能になるのでしょうか?
サイバーエージェント関連会社の「AMoAd」など、広告配信プラットフォームを使って、適切なユーザーに広告を配信することも可能になりますし、今後、「DSP(Demand Side Platform)」のようなサービスがでてくれば、そちらにデータを提供して広告を配信していくことになると思います。
―――: 契約はどういった形になるのでしょうか?
アプリ単位で契約しますが、使い方は会社によりけりです。このサービスで重要なのは、どれだけのユーザーにターゲティングできるかです。例えば、DAU(Daily Active Users)が数千万人いるようなアプリであれば、1アプリだけ十分ですし、DAU5万人のタイトルが5つある会社だと全て対象にするといいでしょう。
―――: すいません。初歩的なことで申し訳ないのですが、ユーザーデータと広告配信をひもづけるデータはなんでしょうか。
iOSだと、Appleから広告配信に使える「IDFA」が提供されており、Androidについても「Google AdID」が用意されていますので、それを使っています。ゲームで遊ぶユーザーのアクティブ度合いや最近の行動等により、個人を特定せず、セグメント化することでネットワークに接触したユーザーがどの属性を持っているか判断します。
―――: CAグループでゲーム会社が複数ありますが、情報のセキュリティに関しては大丈夫なのでしょうか?
多くのディベロッパーさんが気にされる点だと思いますので、かなり気をつけています。「DMP」はセキュリティも重要ですので、運用担当者が担当するアプリのみのデータを見られるようにしています。いただいた情報をグループ内のゲーム会社が閲覧できるようにすることはもちろんありませんし、弊社内でも全ての情報を見られるのは数人に制限しています。
―――: 収益の上げ方はどうなるのでしょうか?
広告配信ネットワークやDSP側から配信の何%かをいただく形になります。それとソーシャルゲーム特化型のノンインセンティブCPI広告「Gameselection」(関連記事)にもデータを使って配信できるようになりますので、そちらで収益を出していくことになります。我々は「DMP」に関しては、サービスを使う目的である広告配信で効果を上げていただき、その対価をいただきたいと考えているのです。
―――: ありがとうございました。
DMPとは、「Data Management Platform」で、「データを管理するプラットフォーム」。今回開始する「GameAudience」は、国内で初めてスマートフォンゲームのユーザーデータを収集・分析し、適切なユーザーに広告配信やメッセージを送ることで、マーケティング効率を向上させるサービスだ。
例えば、ユーザーの定着率やアクション回数、ゲームの進行度合い、所属ギルドなど、セグメント分解を行い、そのユーザーに合った広告を配信することが可能になる。さらに、同じ会社であれば、復数のゲームにわたって分析することもできるという。
スマートフォンゲームアプリについてはマーケティング費用の高騰が指摘されているが、このサービスを使うことで、より効率的なマーケティング活動が可能になる。2月から一部の企業から限定的に配信を開始し、3月から順次販売を拡大していく。2014年9月までに500アプリでの導入を目指す。
■アプリマーケティングは「面」の最適化から「質」重視に
今回、CA Beat代表取締役社長の羽片一人氏にサービスに関するインタビューを行った。
―――: サービスを提供しようと考えた背景は何でしょうか?
最近、スマートフォンゲームのマーケティングでは、ユーザーの質を重視する流れが強くなっています。これまでのマーケティングでは、どういった媒体に配信するかといった「面」の最適化が重視されていましたが、多くのゲーム会社はゲーム内で集めた膨大な情報をマーケティングに活用することで、マーケティングの効果がより高まると考えたことが背景です。
―――: 考えられる活用方法と効果を教えてください。
ユーザーデータに基づく広告配信ができるため、例えば、自社のアプリで遊んでいるユーザーに新作の広告を配信したり、ゲームをやめてしまったユーザーに呼び戻しの広告を配信する、といったことが可能になります。実は「ユーザーの呼び戻し」の広告配信もきちんと計測できるところはなかったんです。あとは、例えば、『戦国炎舞』で遊んでいるユーザーに『戦国炎舞』の広告を出すこともナンセンスですよね。そういうことも防ぐことができます。適切なユーザーに適切な広告が配信できるため、従来よりも広告の効果と効率性が高まります。
―――: 導入する場合の流れはどうなるのでしょうか?
サービスを利用する場合、まず、弊社側にログデータの情報をご提供いただき、弊社で分析を行います。その結果を活用して、広告やメッセージを配信していくことになります。自社アプリ限定ですが、横断的にデータが分析できるため、多くのアプリを提供している会社ほど、獲得単価などマーケティング活動の効率性が高まると考えています。
―――: 広告配信はどういった形で可能になるのでしょうか?
サイバーエージェント関連会社の「AMoAd」など、広告配信プラットフォームを使って、適切なユーザーに広告を配信することも可能になりますし、今後、「DSP(Demand Side Platform)」のようなサービスがでてくれば、そちらにデータを提供して広告を配信していくことになると思います。
―――: 契約はどういった形になるのでしょうか?
アプリ単位で契約しますが、使い方は会社によりけりです。このサービスで重要なのは、どれだけのユーザーにターゲティングできるかです。例えば、DAU(Daily Active Users)が数千万人いるようなアプリであれば、1アプリだけ十分ですし、DAU5万人のタイトルが5つある会社だと全て対象にするといいでしょう。
―――: すいません。初歩的なことで申し訳ないのですが、ユーザーデータと広告配信をひもづけるデータはなんでしょうか。
iOSだと、Appleから広告配信に使える「IDFA」が提供されており、Androidについても「Google AdID」が用意されていますので、それを使っています。ゲームで遊ぶユーザーのアクティブ度合いや最近の行動等により、個人を特定せず、セグメント化することでネットワークに接触したユーザーがどの属性を持っているか判断します。
―――: CAグループでゲーム会社が複数ありますが、情報のセキュリティに関しては大丈夫なのでしょうか?
多くのディベロッパーさんが気にされる点だと思いますので、かなり気をつけています。「DMP」はセキュリティも重要ですので、運用担当者が担当するアプリのみのデータを見られるようにしています。いただいた情報をグループ内のゲーム会社が閲覧できるようにすることはもちろんありませんし、弊社内でも全ての情報を見られるのは数人に制限しています。
―――: 収益の上げ方はどうなるのでしょうか?
広告配信ネットワークやDSP側から配信の何%かをいただく形になります。それとソーシャルゲーム特化型のノンインセンティブCPI広告「Gameselection」(関連記事)にもデータを使って配信できるようになりますので、そちらで収益を出していくことになります。我々は「DMP」に関しては、サービスを使う目的である広告配信で効果を上げていただき、その対価をいただきたいと考えているのです。
―――: ありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751