クリーク・アンド・リバー社、14年2月期は過去最高業績を達成…専門的な人材へのニーズ旺盛で

クリーク・アンド・リバー社(C&R社)<4763>は、4月3日、2014年2月期の連結決算を発表し、増収増益を達成した。売上高、営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも過去最高になったとのこと。専門的な人材へのニーズが旺盛で事業が好調に推移したため、と説明している。

同社の発表した決算は、売上高206億1200万円(前の期比17.6%増)、営業利益10億9200万円(同10.1%増)、経常利益10億9200万円(同5.5%増)、当期純利益4億9100万円(同46.8%増)だった。

 


事業セグメント別の状況は以下のとおり。

①クリエイティブ分野(日本)は、売上高132億1400万円(同18.4%増)だった。映像、ゲーム、Web・モバイル、広告・出版などのクリエイティブ領域で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業を展開しているが、各領域で展開する派遣稼働人数が過去最高に達し、映画「少年H」をはじめとするクリエイティブ制作受託額も過去最高額に達するなど、事業が順調に伸長した。

ゲーム分野では、コンシューマー、アミューズメント、ソーシャル分野のクリエイター需要増に着実に対応しているという。ゲームクリエイターが常駐する制作ルームの規模を拡張し、制作受託、自社開発への対応とともに、クリエイターの育成機能を強化した。自社開発によるソーシャルゲーム「刃牙」シリーズは、2010年より運営を開始し、累計会員数が100万人を突破した。

②クリエイティブ分野(韓国)は、売上高29億7900万円(同34.9%増)だった。TV・映像分野におけるクリエイターの派遣事業が順調に伸長する一方で、企業規模拡大に伴う社会保険料負担の増加、韓国国内における派遣事業の競争激化等の影響により収益性が低下傾向にある。

③医療分野は、売上高25億4100万円(同0.3%増)だった。連結子会社メディカル・プリンシプル社が「民間医局」のブランドのもと、ドクター・エージェンシーを中心とした事業展開をしている。前の期は、決算期変更に伴い、13カ月決算だったため、見かけ上、売り上げは横ばいとなったようだ。



■2015年2月期の見通し

2015年2月期は、売上高230億円(前期比11.6%増)、営業利益13億5000万円(同23.6%増)、経常利益13億5000万円(同23.6%増)、当期純利益6億5000万円(同32.4%増)を見込む。

 


①クリエイティブ分野(日本)は、エンタテインメント分野、ビジネス分野における堅調なクリエイター・ニーズに対応し、中核であるクリエイター・エージェンシー事業の強化を図る。既存事業の安定した成長に加え、電子書籍取次事業、作家エージェンシー事業、オンラインクリエイター事業への取組みを加速し、収益化を目指す。また、日本のコンテンツの海外市場での流通拡大を目指し、独自のライツビジネスを積極的に展開していく。新たに展開する建築分野、ファッション分野においては、営業基盤を拡充する。

②クリエイティブ分野(韓国)は、TV分野を中心としたエージェンシー事業をより一層強化し、韓国のメディア業界における存在感を高めていく。同社と中国子会社と連動した出版エージェンシー事業やファッション分野におけるエージェンシー事業展開などを通じ、クリエイター・エージェンシー事業とライツ事業を積極的に展開していく。

③医療分野
医師へのニーズの高さから引き続き医師の紹介事業を強化し、全国的な医師不足・地域的偏在への対応力強化をはかるため、人員の増強及び拠点の新設により、営業基盤のさらなる拡充をはかっていく。また、医療分野の更なる発展のため、医療業界の情報・人材交流の場を提供するなど、サービスを拡充させる。

④IT・法曹・会計他
[IT]IT技術者育成・派遣への取り組みを強化するとともに、3DCGによる可視化ソリューション技術を活用したビジュアライゼーション事業の拡大に注力することにより、収益の拡大をはかっていく。
[法曹]法曹のネットワーク強化をさらに進め、業界内のプレゼンス確立を目指してまいります。人員増強等により事業基盤を強化し、収益力の強化を目指す。
[会計]  各種セミナー・イベント等を通じて、会計士・税理士等に対する更なる知名度向上を図り、業界内でのブランドを確立するとともに、収益力強化を目指す。
株式会社クリーク・アンド・リバー社
http://www.cri.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社クリーク・アンド・リバー社
設立
1990年3月
代表者
代表取締役会長CEO 井川 幸広/代表取締役社長COO 黒崎 淳
決算期
2月
直近業績
売上高497億9900万円、営業利益41億300万円、経常利益41億3700万円、最終利益26億5800万円(2024年2月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4763
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