ゲーム企業の株式時価総額に明暗…ネイティブアプリ好調の企業が急拡大、ブラウザ主体企業は低迷 大手ハード企業にも差が
2014年4~6月期の決算発表シーズンも終盤に差し掛かり、決算内容を受けた選別投資が進んだ。2か月前の株式時価総額と比べると、ネイティブアプリでヒットタイトルを生み出せた企業が急拡大する一方、ブラウザ主体の企業が低迷しているなど、明暗が分かれている。また2大ハード企業であるソニー<6758>と任天堂<7974>にも差がついた。
▼主なゲーム関連企業の株式時価総額
時価総額の増加が目立ったのはコロプラ<3668>とミクシィ<2121>だ。ともに5000億円の大台に乗せた。コロプラ<3668>は既存アプリの好調持続に加え、新作アプリ『白猫プロジェクト』の急速な立ち上がりを好感した買いが入り、時価総額は2カ月で7割近く増加。ミクシィ<2121>も主力タイトル『モンスターストライク』が驚異的な成長を見せ、時価総額は8割近く増えた。ミクシィ株は8月12日もストップ高水準まで上昇しており、一段の増加も見込まれる。
強力なIP(知的財産、版権)を活用したアプリを複数リリースしたバンダイナムコ<7832>も時価総額が3割増加し、ガンホーを上回った。一方の、ガンホーは2割減少。『パズル&ドラゴンズ』の成長の織り込みが進み、市場は『パズル&ドラゴンズ』の更なる成長、あるいは次のヒット作待ちの状況となっている。ほかの急成長する企業に資金が流れたとする見方も多い。
スクウェア・エニックス<9684>も『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』『スクールガールストライカーズ』とネイティブアプリのヒット作を生み出し、時価総額も4割増。サイバーエージェント<4751>、グリー<3632>、ディー・エヌ・エー<2432>といったブラウザプラットフォーム3社を抜いた。ブラウザプラットフォーム3社の時価総額はいずれも1~2割減少した。
▼主なゲーム関連企業の株式時価総額
企業 | 8月12日 | 6月17日 | 変化率 |
ソニー<6758> | 1兆8538億円 | 1兆7101億円 | +8% |
任天堂<7974> | 1兆5534億円 | 1兆7127億円 | -9% |
バンダイナムコホールディングス<7832> | 6737億円 | 5294億円 | +27% |
ガンホー<3765> | 6670億円 | 8432億円 | -21% |
コロプラ<3668> | 5747億円 | 3434億円 | +67% |
セガサミーホールディングス<6460> | 5292億円 | 5542億円 | -5% |
ミクシィ<2121> | 5083億円 | 2835億円 | +79% |
ネクソン<3659> | 4270億円 | 4317億円 | -1% |
コナミ<9766> | 3548億円 | 3300億円 | +8% |
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684> | 2687億円 | 1940億円 | +39% |
サイバーエージェント<4751> | 2101億円 | 2664億円 | -21% |
グリー<3632> | 2085億円 | 2287億円 | -9% |
ディー・エヌ・エー<2432> | 1937億円 | 2143億円 | -10% |
■コロプラとミクシィの時価総額が急拡大
時価総額の増加が目立ったのはコロプラ<3668>とミクシィ<2121>だ。ともに5000億円の大台に乗せた。コロプラ<3668>は既存アプリの好調持続に加え、新作アプリ『白猫プロジェクト』の急速な立ち上がりを好感した買いが入り、時価総額は2カ月で7割近く増加。ミクシィ<2121>も主力タイトル『モンスターストライク』が驚異的な成長を見せ、時価総額は8割近く増えた。ミクシィ株は8月12日もストップ高水準まで上昇しており、一段の増加も見込まれる。
■バンナム、スクエニも増加…ガンホーやブラウザ企業が減少
強力なIP(知的財産、版権)を活用したアプリを複数リリースしたバンダイナムコ<7832>も時価総額が3割増加し、ガンホーを上回った。一方の、ガンホーは2割減少。『パズル&ドラゴンズ』の成長の織り込みが進み、市場は『パズル&ドラゴンズ』の更なる成長、あるいは次のヒット作待ちの状況となっている。ほかの急成長する企業に資金が流れたとする見方も多い。
スクウェア・エニックス<9684>も『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』『スクールガールストライカーズ』とネイティブアプリのヒット作を生み出し、時価総額も4割増。サイバーエージェント<4751>、グリー<3632>、ディー・エヌ・エー<2432>といったブラウザプラットフォーム3社を抜いた。ブラウザプラットフォーム3社の時価総額はいずれも1~2割減少した。
■ソニーと任天堂にも明暗
6月時点ではほぼ同水準だったソニーと任天堂の時価総額も明暗がついた。ソニーは2013年11月に発売した「プレイステーション4」(PS4)の販売が海外中心に好調で、業績も改善(関連記事)。時価総額は8%増えた。一方、任天堂の時価総額は9%減。ニンテンドー3DSのハード・ソフト販売減少を新ハードで補えず、業績の悪化が続いている(関連記事)。
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684