ネクソン<3659>は、2月12日、2014年12月通期と第4四半期(14年10~12月期)の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。
発表した決算は、売上収益が1729億円(前の期比11.3%増)となった。韓国におけるFIFAワールドカップ開催に合わせた『EA SPORTSTM FIFA Online 3』と『EA SPORTSTM FIFA Online 3M』のプロモーションとアップデートの成功、既存PCオンラインゲームとモバイルゲームの好調、中国『アラド戦記』における年間を通じたコンテンツアップデートの実施、為替相場の円安などが主な増収要因となった。
利益面では、営業利益455億円(同10.2%減)、当期純利益293億円(同2.7%減)となり、減益となった。減益となった主要因は、2012年に買収したgloopsの減損損失が計上されたことに加え、『FIFA』など版権タイトルの売上の増加に伴うロイヤリティ費用の増加、モバイルゲームの売上が伸びたことによる支払手数料の増加、地域別売上収益の構成比率の変化などがあげられる。
gloopsの減損損失の計上について、同社のオーウェン・マホニー社長(写真)は、「第4四半期に『スカイロック』や『クリムゾンウォーズ』『サモンソウルバトル』『トイズドライブ』の4タイトルをリリースしたものの、十分な成果を生み出すことができなかったため、回収可能性を検討した結果だ」と説明した。そして、「ブラウザゲームの後退と、ネイティブゲームの隆盛という変化に対応しきれなかった」、「正しい戦略をとっているものの、実行面で改善の余地があった」などと振り返った(断りがない限り「」内の発言はマホニー社長)。
会場からはgloopsののれんを追加で減損する可能性について質問が出た。最高財務責任者の植村 士朗氏は、「日本のマーケット、gloopsの状況を見ながら、ディスカウントキャッシュフロー法によって企業価値と回収可能性を判断し、今回の減損処理を行うことにした。この検証は、四半期ごとに行っている。言い換えると、現状を正確に反映させた評価ともいえる。今後、gloopsや市場環境に予期する以上のドラスティックな変化が発生した場合はともかく、再度の減損を行う可能性についてはそれほど心配していない」と回答した。
■第4四半期は増収・赤字転落
続いて第4四半期(14年10-12月期)の決算をみると、売上収益429億円(前年同期比25%増)、営業損益7億円の赤字(前年同期3億2700万円の黒字)、四半期純損益44億9800万円の赤字(同44億3700万円)となり、減収・赤字転落となった。中国や韓国の売上が伸びたものの、日本における売上が減少したことに加え、前出の子会社gloopsに係る"のれん"の減損損失110億円が発生したことが影響した。また一過性の税金費用が発生したことも最終損益の赤字幅を広げたという。
地域別の状況は以下のとおり。
■中国…売上高164億円(前年同期比36%増)
『アラド戦記』については、コンテンツアップデートとアイテムセールにより、11月と12月の売上が特に好調だった。MAUは11月と12月は減少したものの、第4四半期全体では安定的に推移したという。MAUの減少した要因については、パブリッシャーによるBOTの排除が影響しているとのこと。運営開始から6年経過したタイトルであり、今後もMAUの安定を図りながら運用とコンテンツアップデートを行っていく考え。
■韓国…売上高167億円(同44%増)
『EA SPORTSTM FIFA Online 3』と、『サドンアタック』、『メイプルストーリー』、『マビノギ英雄伝』といった主要PCタイトルが前年同期比で成長した。コンテンツアップデートとプロモーションが好評だった。モバイルについては、『EA SPORTSTM FIFA Online 3M』が好調だったこともあり、前年同期比で8.2倍の32億円となった。
■日本…売上高69億円(同16%減)
gloopsを中心とするブラウザゲームの売上収益が減少しており、同13.9%減の53億円だった。またPCオンラインゲームも同23.2%減の15億円だった。
■北米…16億円(同35%増)
『メイプルストーリー』や『マビノギ』、『マビノギ英雄伝』などの主要PCタイトルの売上収益はプラスとなった。ただし、植村氏は「北米その他の利益に関しては赤字だが、既存タイトルをはじめ、新規のタイトルを出すことで改善している。2015年はグローバルローンチが出てくるため、損益状況は改善していく見通し」とコメントした。また欧州の売上収益は11億円(同7%減)だった。
■第1四半期は減益となる見通し
第1四半期(15年1~3月期)の業績予想については、売上収益442億円~477億円(前年同期比6.8%減~0.5%増)、営業利益147億円~181億円(同30.5%減~14.3%減)、四半期純利益127億円~156億円(同20.8%減~2.9%減)と減益となる見通しだ。
売上収益については地域別では、韓国と北米の伸びを予想しているものの、中国が10%台後半から1ケタ台%後半の減少となるほか、日本は20%台の減少が予想されるという。また欧州も減少する見通し。
費用面では、『EA SPORTSTM FIFA Online 3』と『EA SPORTSTM FIFA Online 3M』など外部IPタイトルに関連したロイヤリティ費用の増加、韓国での給与や従業員数の増加に伴う人件費の増加、そして、韓国と北米での新規ゲームタイトルのリリースに伴うマーケティング費用の増加などが収益を圧迫するという。また利益率の低い韓国やモバイル事業の売上比率が伸びることも影響する。
なお、PCオンラインゲームを含む新作については、2015年上期で8タイトル、下半期以降で16タイトル以上を準備しており、「史上最も充実している」という。決算説明会上では、PCオンラインゲーム『メイプルストーリー2』や『攻殻機動隊オンライン』、そして、スマートフォン向けRTS『DomiNations』のデモ映像が公開された。gloopsも新規5タイトル以上を配信する計画があるとのこと。
発表した決算は、売上収益が1729億円(前の期比11.3%増)となった。韓国におけるFIFAワールドカップ開催に合わせた『EA SPORTSTM FIFA Online 3』と『EA SPORTSTM FIFA Online 3M』のプロモーションとアップデートの成功、既存PCオンラインゲームとモバイルゲームの好調、中国『アラド戦記』における年間を通じたコンテンツアップデートの実施、為替相場の円安などが主な増収要因となった。
利益面では、営業利益455億円(同10.2%減)、当期純利益293億円(同2.7%減)となり、減益となった。減益となった主要因は、2012年に買収したgloopsの減損損失が計上されたことに加え、『FIFA』など版権タイトルの売上の増加に伴うロイヤリティ費用の増加、モバイルゲームの売上が伸びたことによる支払手数料の増加、地域別売上収益の構成比率の変化などがあげられる。
gloopsの減損損失の計上について、同社のオーウェン・マホニー社長(写真)は、「第4四半期に『スカイロック』や『クリムゾンウォーズ』『サモンソウルバトル』『トイズドライブ』の4タイトルをリリースしたものの、十分な成果を生み出すことができなかったため、回収可能性を検討した結果だ」と説明した。そして、「ブラウザゲームの後退と、ネイティブゲームの隆盛という変化に対応しきれなかった」、「正しい戦略をとっているものの、実行面で改善の余地があった」などと振り返った(断りがない限り「」内の発言はマホニー社長)。
会場からはgloopsののれんを追加で減損する可能性について質問が出た。最高財務責任者の植村 士朗氏は、「日本のマーケット、gloopsの状況を見ながら、ディスカウントキャッシュフロー法によって企業価値と回収可能性を判断し、今回の減損処理を行うことにした。この検証は、四半期ごとに行っている。言い換えると、現状を正確に反映させた評価ともいえる。今後、gloopsや市場環境に予期する以上のドラスティックな変化が発生した場合はともかく、再度の減損を行う可能性についてはそれほど心配していない」と回答した。
■第4四半期は増収・赤字転落
続いて第4四半期(14年10-12月期)の決算をみると、売上収益429億円(前年同期比25%増)、営業損益7億円の赤字(前年同期3億2700万円の黒字)、四半期純損益44億9800万円の赤字(同44億3700万円)となり、減収・赤字転落となった。中国や韓国の売上が伸びたものの、日本における売上が減少したことに加え、前出の子会社gloopsに係る"のれん"の減損損失110億円が発生したことが影響した。また一過性の税金費用が発生したことも最終損益の赤字幅を広げたという。
地域別の状況は以下のとおり。
■中国…売上高164億円(前年同期比36%増)
『アラド戦記』については、コンテンツアップデートとアイテムセールにより、11月と12月の売上が特に好調だった。MAUは11月と12月は減少したものの、第4四半期全体では安定的に推移したという。MAUの減少した要因については、パブリッシャーによるBOTの排除が影響しているとのこと。運営開始から6年経過したタイトルであり、今後もMAUの安定を図りながら運用とコンテンツアップデートを行っていく考え。
■韓国…売上高167億円(同44%増)
『EA SPORTSTM FIFA Online 3』と、『サドンアタック』、『メイプルストーリー』、『マビノギ英雄伝』といった主要PCタイトルが前年同期比で成長した。コンテンツアップデートとプロモーションが好評だった。モバイルについては、『EA SPORTSTM FIFA Online 3M』が好調だったこともあり、前年同期比で8.2倍の32億円となった。
■日本…売上高69億円(同16%減)
gloopsを中心とするブラウザゲームの売上収益が減少しており、同13.9%減の53億円だった。またPCオンラインゲームも同23.2%減の15億円だった。
■北米…16億円(同35%増)
『メイプルストーリー』や『マビノギ』、『マビノギ英雄伝』などの主要PCタイトルの売上収益はプラスとなった。ただし、植村氏は「北米その他の利益に関しては赤字だが、既存タイトルをはじめ、新規のタイトルを出すことで改善している。2015年はグローバルローンチが出てくるため、損益状況は改善していく見通し」とコメントした。また欧州の売上収益は11億円(同7%減)だった。
■第1四半期は減益となる見通し
第1四半期(15年1~3月期)の業績予想については、売上収益442億円~477億円(前年同期比6.8%減~0.5%増)、営業利益147億円~181億円(同30.5%減~14.3%減)、四半期純利益127億円~156億円(同20.8%減~2.9%減)と減益となる見通しだ。
売上収益については地域別では、韓国と北米の伸びを予想しているものの、中国が10%台後半から1ケタ台%後半の減少となるほか、日本は20%台の減少が予想されるという。また欧州も減少する見通し。
費用面では、『EA SPORTSTM FIFA Online 3』と『EA SPORTSTM FIFA Online 3M』など外部IPタイトルに関連したロイヤリティ費用の増加、韓国での給与や従業員数の増加に伴う人件費の増加、そして、韓国と北米での新規ゲームタイトルのリリースに伴うマーケティング費用の増加などが収益を圧迫するという。また利益率の低い韓国やモバイル事業の売上比率が伸びることも影響する。
なお、PCオンラインゲームを含む新作については、2015年上期で8タイトル、下半期以降で16タイトル以上を準備しており、「史上最も充実している」という。決算説明会上では、PCオンラインゲーム『メイプルストーリー2』や『攻殻機動隊オンライン』、そして、スマートフォン向けRTS『DomiNations』のデモ映像が公開された。gloopsも新規5タイトル以上を配信する計画があるとのこと。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659