【2015上半期総括】GooglePlay売上ランキング…『モンスト』が『パズドラ』を圧倒 LINEは平均4.2タイトルがトップ30圏内に バンナムとスクエニも好調

2015年の上半期(1~6月)の国内Google Play売上ランキングは、昨年度にガンホー<3765>の『パズル&ドラゴンズ』から奪ったトップの座を、ミクシィ<2121>の『モンスターストライク』が守り続けるといった構図になった。
 

■集計した全18日中、『モンスターストライク』の首位が15回に


今回、データの集計にあたって使用したのは、1~6月までの各月の1日、10日、20日のデータ(該当日が日曜・祭日の場合は翌日分)となるが、全18日分のデータのうち『モンスターストライク』の首位が15回、『パズル&ドラゴンズ』の首位が3回と大きく差が付いている。しかも、5月と6月については、デイリーベースですべて『モンスターストライク』が首位となっており、『モンスターストライク』の勢いが大きく増しているというよりも『パズル&ドラゴンズ』の勢いが一時期より減速している可能性もある。その辺の数字は次のガンホーの決算でしっかりと確認したいところだろう。

ちなみに下の図はミクシィ、ガンホーの両社と、LINE、コロプラ<3668>のトップ30へのランクイン状況を示したものになる。おおむねこの4社でトップ30中の約10タイトルを占めているというのが上半期の状況だ。特に活躍が著しかったのはLINEで、同社は平均4.2タイトルが常にトップ30圏内にランクインしていたことになる。ただ、上半期リリースの新作タイトルということになると、LINEは4月にリリースした『LINE バブル2』、コロプラも同じく4月リリースの『バトルガール ハイスクール』がランクインしているのみで、既存タイトルが活躍したというのが実情と言えそうだ。
 
 

■家庭用ゲーム大手でバンダイナムコ、スクエニが引き続き好調


続いて下の図は、家庭用ゲーム大手であるバンダイナムコ、スクウェア・エニックス、セガ、コナミのトップ30へのランクイン状況となる。バンダイナムコが昨年に続き順調にタイトルをランクイン(平均3タイトル)させており、それをスクエニが追っている(平均2.8タイトル)形だ。ただ、よりランキングの上位にタイトルを送り込んでいるのは、図を見ても分かる通り、スクエニとなる。

一方、セガとコナミは、上半期期間中について言えば、トップ30圏内に入ってくるタイトルが2タイトルに絞られてしまっている。ただ、コナミは昨年は『ワールドサッカーコレクションS』頼みに近い状況だっただけに、昨年12月に配信を開始した『実況パワフルプロ野球』が安定してトップ30圏内で推移していることは大きな収穫と言えるだろう。また、セガについては、今回集計に使用した18日には入っていなかったものの、『モンスターギア』(5月配信開始)と『オルタンシア・サーガ』(4月配信開始)がトップ30圏内に顔を出すヒットタイトルとなっており、下半期は状況が好転してくることが予想される。
 
 

■海外勢ではSupercellの『Clash of Clans』の活躍目立つ


海外勢に目を移してみると、トップ30圏内にランクインしているのは、Supercellの『Clash of Clans』、Kingの『キャンディークラッシュ』と『キャンディークラッシュソーダ』、Com2uSの『サマナーズウォー』の4タイトルとなる。ただ、トップ10圏内にも入り、18日すべてでランクインした『Clash of Clans』と比べると、Kingの両タイトルと『サマナーズウォー』はトップ30圏外へ入れ替わりすることも多く、海外勢に関して言えばSupercellの一人勝ちと言えるのではないか。
 
 

■『ファントム オブ キル』と『アヴァベルオンライン』が新たにランクイン


トップ30圏内に入った新顔と言えるのは、『ファントム オブ キル』を送り込んだgumi<3903>と『アヴァベルオンライン』のアソビモだ。ただ、gumiは、子会社エイリムの『ブレイブ フロンティア』がランクインしており、実質的にはそれに続くヒットタイトルの誕生ということになる。一方の『アヴァベルオンライン』は、リリースからかなりの期間が経っての初のトップ30入りであり、着実に人気を高めてきたその運営力は高く評価すべきだろう。
 

■8社でトップ30の6~7割を占める 大手による市場の寡占が進んだ印象も


最後に下のグラフは、トップ30へのランクイン本数を積み上げ棒グラフで表示してみたものになる。ミクシィ、ガンホー、LINE、コロプラ、バンダイナムコ、スクウェア・エニックス、セガ、コナミの8社で、全体の6割から7割程度を占めているのが現在の市場の構図になる。

今年の市場の予想として、“体力”に勝る大手による市場の寡占が進むのではとの見方があったが、今回の結果を見ると、実際にそうした方向へ市場が向かいつつあると言えそうだ。

また、全体を通して言えることなのだが、この上半期は新作の活躍がやや少なかった印象が強い。下半期はトップ30圏内、さらにはトップ10圏内もうかがうようなヒットタイトルの登場を期待したいところだ。
 
 
(編集部:柴田正之)