![](https://i3.gamebiz.jp/images/medium/127241537355cca0cf4ba140016.jpg)
■『モンスト』含むエンタメ事業は1Qで約470億円…月換算で約155億円
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/28365928755cc7392725930016.jpg)
売上に大きく寄与したのは、引き続き、エンターテインメント事業に含まれる『モンスト』だ。本作は、同事業の9割強の売上を占めており、1Qでは470億円の売上高を記録。これは『モンスト』が1ヵ月で約155億円を売り上げている計算に。同作のおもな売上増加の要因は、荻野氏いわく「アクティブユーザーの増加に紐づいている」とのこと。1ヵ月あたりの課金額や課金率など、KPI(重要業績評価指標)も安定してコントロールできているという。
また、海外限定オファリングとした公募像質を実施し、約175億円を調達。資金使途では、M&Aを中心に株主価値を持続的に成長させるための財務基盤の強化のほか、『モンスト』を含むエンターテインメント事業における広告宣伝費に充てられる。
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/165059185755cc7125b8ed90016.jpg)
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/185564975955cc7126196b30016.jpg)
▲売上高(四半期推移)では、メディアプラットフォーム部門が30億7800万円、『モンスト』を含むエンターテイメント部門が470億円。
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/41454373455cc7126a28e60016.jpg)
▲売上原価(四半期推移)では、『モンスト』の売上増に伴い外注費が増加。また、今回からミューズコー社における、ファッションコマースサービスに係る仕入が項目に追加。
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/125865827355cc71265d6c40016.jpg)
▲販管費(四半期推移)でも『モンスト』の売上増に伴い、決済手数料が増加。フンザ社及びミューズコー社の株式取得に伴いのれん償却額が増加。
■本格的なeスポーツ普及も視野、アニメ『モンスト』も進行中
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/162593113255cc7392bca600016.jpg)
1Qのトピックスでは、新スタジオ「XFLAG」の設立がある。これまで同スタジオは、モンストスタジオとして『モンスト』を含むエンテーテインメント事業を推進してきたが、今後は新作タイトルやアニメ制作など、多岐にわたるエンタメコンテンツを制作するため、新たなブランドを立ち上げたという。
また、『モンスト』の利用者数は、引き続き順調に推移して、現在は世界累計で約3000万人を突破(※同一端末で重複ダウンロードされた数は含んでいない)。国内では、メディアミックス戦略で認知度の向上及び、売上の最大化を図っていった。
変わったところでは、マーチャンダイジングの「LINE スタンプ」やダイレクトコンタクトの「青森ねぶた祭」の出展だろう。なかでも後者は、『モンスト』に登場するキャラクターを祭りのなかに登場させて、観光客はもちろん、地元の人からも好評だったようだ。ゲーム内コラボでは、きちんと世界観をゲームに落とし込み、セールスを見通した施策として、アニメ「エヴァンゲリオン」や『ウルトラストリートファイターIV』の2タイトルで実施。
動画コンテンツのアニメ『モンスト』は、2015年10月10日よりYouTubeで配信開始される。かねてから発表会(関連記事)でも伝えているように、スマートフォンやPC、タブレットで視聴することを想定し、1話あたりの長さや、短い時間で物語に入り込めるテンポ感、飽きさせない展開といった工夫を盛り込み、YouTubeに最適化した新たなアニメの形を提供していく。アニメでは、ゲームとの連動など新しい取り組みを積極的にチャレンジしていくとのこと。
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/73261161255cc7173c02b90016.jpg)
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/147205596855cc71ba75bd30016.jpg)
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/160830589955cc71babe8f40016.jpg)
そして、2015年8月2日(日)には幕張メッセで「モンストフェスティバル2015」を開催。総入場者数は約34,500人、インターネット生放送などの総視聴者数は約130万人を突破した。本イベントは、対戦に重きを置いた『モンストスタジオ』を使用し競う「モンストグランプリ2015」も開催。森田氏は「このイベントを皮切りに、スマートフォンでの本格的なeスポーツ普及を目指していく」と述べた。
だが、当日は会場のキャパシティを超える6万人以上のユーザーが訪れ、敢え無く入場規制、熱中症で搬送される方が出てくるなど、大きなニュースになったのも事実。これについて森田氏は「非常に反省しております。今後はこの経験を踏まえて、すべてのお客様にご満足いただけるようなイベントを開催していきます」とした。
■台湾・香港・マカオは絶好調、北米は大規模プロモ実施、中国は配信停止に
『モンスト』の海外の状況については、3つのPhaseに分けて説明してくれた。絶好調の台湾・香港・マカオでは、引き続き積極的なマーケティング施策を展開しており、7月には累計利用者数が400万人を突破、さらに3地域でセールスランキング1位も獲得。また、日本でも実施したアニメ「エヴァンゲリオン」コラボを台湾でも実施し、こちらも非常に好評だったという。
1年弱運用を続けてきた北米版はPhase3に突入し、第3四半期(3Q、10-12月)以降に大規模なプロモーション施策を備えている。今回のPhase切り替えの要因については、ミクシィが据えるコア・バリューに理解を示したパートナー企業が見つかったとのこと。「175億円の資金調達も行ったので、これを有効活用し北米で成功させていきたい」と言葉を添えた。
一方、2014年12月11日より中国Tencent社(WeChatとQQ)で提供していた中国版に関しては、2015年10月19日に配信停止するとのこと。これは両社の意向の違いが原因。というのも、もともとミクシィは『モンスト』を中心にスマートフォンを使った「face to face」のコミュニケーション要素を大切にしているが、対してTencent社は中国のPCオンラインゲーム事業に長けており、中国版『モンスト』でも遠方の人とも遊べるオンラインシステムを推進してきた。そうした両社の意向の違いを考慮し、今回の配信停止の判断に至ったという。とはいえ、中国市場を大きなマーケットと捉える森田氏は「将来の再参入を目指す」とした。
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/106192727755cc71efd31fa0016.jpg)
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/33015136455cc71f0aa2450016.jpg)
■「チケットキャンプ」「みてね」などが好調に推移
メディアプラットフォーム事業では、4月にジョインした子会社・フンザ社のチケットフリマサービス「チケットキャンプ」が好調に推移。7月よりタレントの小島瑠璃子さんを起用した2種類のテレビCMを放映し、認知度向上に努めていったという。下部の「Googleトレンドの人気度」でも、他社サービスと拮抗だったところ、テレビCM開始後から急上昇。さらに月次流通総額推移も急成長を果たした。「世の中に浸透してきた。日本最大級の夏フェス「SUMMER SONIC 2015」にも協賛するので、しっかりと事業を伸ばしていきたい」とコメント。
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/21450684255cc720feeab00016.jpg)
![](https://i3.gamebiz.jp/images/original/25144087355cc72103e3f60016.jpg)
そのほかの各サービス状況について。SNS「mixi」はコミュニティを中心に機能改善を実施。サロンアーティストとユーザーを直接つなぐサロン予約事業「minimo」は、予約申込件数が月10万件を突破。ヘアスタイルコンテストや、音楽イベントへのブース出展なども実施。
家族に特化した写真共有サービス「みてね」では、配偶者と繋がった家族の継続率が約70%、配偶者と祖父母と繋がった家族の継続率が約85%と高い水準を維持。サービス改善を行い、タイミングを見てプロモーションも実施するという。2015年6月より提供開始したカフェ系SNS「カフェ・フレ」は、「mixi」に次ぐ生活を豊かにするサービスとして始動。
2016年3月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高1850億円(前期比63.8%増)、営業利益800億円(同51.8%増)、経常利益800億円(同51.8%増)、最終利益520億円(同57.7%増)を見込む。
前述しているように、通期計画に対する進捗率では、売上高27.1%、営業利益30.4%、経常利益30.4%、純利益30.7%に達しており、このペースでの進捗が続けば業績予想の上方修正が実施されることになりそうだが、「北米の大規模プロモーションやアニメを活用したメディアミックス展開など、現時点で予想しづらいものがある。業績予想を見守りながら、マーケティングコストを下期にかけて徐々に強めていく」とのこと。
また、どうしても気になるのが「XFLAG」が開発中の『モンスト』に次ぐ新作ゲームタイトルだ。森田氏いわく、ひとつ決めているのが「スタジオのブランドを認知してもらう」とのこと。同スタジオでは、「face to face」で遊ぶ価値を大切にしており、新作も『モンスト』同様のコミュニケーションに重きを置いたタイトルになるという。
そして、肝心の『モンスト』の今後については「ピークはまだまだ見えていない。これからはPvPを皮切りに、また新しい遊び方を提供していく」と切り替えした。
(編集部:原孝則)
© mixi, Inc.
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121