【2015年7～9月のゲーム関連株動向】全体市場と同様に苦戦が目立つ…株価上昇はバンダイナムコHD、コナミHD、スクエニHDの３社のみ

2015年も10月に入り、1年の4分の3を経過した。そこで今回は、前回の2015年4～6月期間に続き、2015年7～9月期間におけるゲーム関連株の動きを振り返ってみたい。

下の表は、現在上場しているゲーム関連株の主だったものをピックアップし、7月1日の始値から9月30日の終値までの騰落率をまとめたものだ。今回の集計期間は全体市場も中国景気の後退懸念から低迷したが、ゲーム関連株も同様に苦戦が目立ち、この3か月間で株価が上昇したのは3銘柄にとどまった。
   

■上昇率トップはバンダイナムコHD この3ヶ月で株価が上昇したのは大手ゲーム3社のみ

今回、期間中の上昇率が最大となったのは、バンダイナムコHD<7832>だ。8月5日に第1四半期（4～6月）決算の発表とともに第2四半期累計（4～9月）の連結業績予想の上方修正を発表するなど業績面の順調さが目立っている。トイホビー事業における定番IP商品の好調な推移に加え、家庭用ゲームやネットワークコンテンツなどネットワークエンターテインメント事業も2ケタ成長となっており、業績をけん引している。好調さが目立った大手ゲームの中でも特にその良好なその内容がストレートに評価されたと言えるだろう。なお、直近は『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』が爆発的な好スタートを切ったこともポジティブな材料となっているようだ。

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続いて2位となったのは、コナミHD<9766>だ。この10月1日から商号を実態に即したものに変更した同社だが、第1四半期（4～6月）決算はデジタルエンタテインメント事業がセグメント利益で前年同期比78.5％の増益となるなど、こちらも業績の好調が目立つ内容となっている。ちなみにそのけん引役の1つである『実況パワフルプロ野球』は、9月24日に累計1,600万ダウンロードを突破したことを発表（関連記事）しており、その成長が続いている。また、もう1つの上昇銘柄はスクウェア・エニックスHD<9684>で、結果として大手ゲーム株の業績好調な3社のみが上昇したという結果になっている。
   

■下落率トップはシリコンスタジオ…大幅下方修正で失望売りに押される

一方、下落率が最大となったのは、シリコンスタジオ<3907>だ。この期間は多くの銘柄が値下がりしたわけだが、同社はその中でも下落率60％超と半値以下にまで値を下げる結果となった。同社は、7月3日に2015年11月期の連結業績予想を大幅下方修正（関連記事）しており、失望売りが殺到した形となった。2月に配信を開始した『WONDER BLOCKS』の売り上げを従来予想から14億9800万円分引き下げたことがその最大の要因で、コンテンツ事業の変動リスクをあらためて認識させられた恰好だ。
 
ほか、下落率が大きかったのは、モブキャスト<3664>、アエリア<3758>、アクロディア<3823>などで、ここまでが下落率50％超えとなっている。アエリアは子会社リベルの『アイ★チュウ』への期待感で4～6月期間に大きく上昇した反動も大きかったようだ。
 

■コナミHDが5位に浮上…大手ゲーム株の順位が相対的に上昇

なお、下の表は主なゲーム関連株を9月30日現在の時価総額で並べ、その上位20社を抽出したものになる。コナミHDが5位に浮上したように大手ゲーム株が相対的に順位を上昇させた形となっている。また、7月1日時点ではガンホー<3765>を上回ったミクシィ<2121>の時価総額は、再逆転でガンホーが上回っており、両社の競り合いが続いている。
   
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