任天堂<7974>は、10月29日、2016年3月期の経営方針説明会/第2四半期決算説明会の資料「社長説明」を同社IRサイトで公開し、スマートデバイス事業に関する今後の取り組みついてに公開した。本稿では、資料をもとに解説していく。
はじめに同社は、任天堂IPの価値を高めることで、さらなるゲーム人口拡大を目指していくことを説明。具体的には、スマートデバイスで任天堂IPを活用した新しいアプリの提供。また、テーマパークでも任天堂IPを活用した新しいアトラクションを提供する予定という。
はじめに同社は、任天堂IPの価値を高めることで、さらなるゲーム人口拡大を目指していくことを説明。具体的には、スマートデバイスで任天堂IPを活用した新しいアプリの提供。また、テーマパークでも任天堂IPを活用した新しいアトラクションを提供する予定という。
これに併せて新アカウント「Nintendo Account(ニンテンドーアカウント)」も発表。具体的に新しいアカウントでは、facebookやGoogle、Twitterなどでもログインできるほか、「メールアドレスとご自身で設定されたパスワード」でもログインできるという。もちろん、既に持っているニンテンドーネットワークIDはそのままご使用できる。また、同アカウントでは、PCやスマートデバイスでソフトの紹介記事や紹介動画を見て、気に入ったソフトがあれば、その場で購入することができ、購入したソフトは自動的にユーザーのWii Uや3DSにダウンロードされる。
さらに、新しいポイントプログラムも開始。新ポイントプログラムは、任天堂のゲーム専用機だけではなく、スマートデバイスも対象になる。2015年9月30日をもって終了した会員制サービス「クラブニンテンドー」では、ゲームソフトを購入するとポイントが付きだが、新ポイントプログラムは、ゲームを遊ぶことでもポイントが付くという。
ゲーム専用機のソフトで遊んでも、スマートデバイスのアプリで遊んでも、ポイントが付与され、そのポイントはゲーム専用機でも、スマートデバイスでも使用できる。もちろん、ゲームソフトを購入した際にもポイントは付く。ポイントを使うことで、遊んでいるゲームが一層楽しくなる追加のデジタルコンテンツやオリジナルグッズ、また欲しいソフトがお得に買える割引クーポンを手に入れることが可能。
ユーザー同士のつながりという点については、ゲームを一緒に楽しむ遊び仲間、「フレンド関係」をつくることができるようになる。フレンド関係は、ユーザーの安全性を重視し、既に知っている人同士がお互いの承認を経て成立する仕組み。このフレンド関係は、ゲーム専用機のソフトでも、スマートデバイスのアプリでも、活用できる。
また、「少し先の話になりますが…」と前置きした君島社長は、キャラクターデータなどゲームのセーブデータをクラウド上に保存し、ゲーム専用機のソフトでも、スマートデバイスのアプリでも活用することができるサービスを開発中であることも言及。さらに、テーマパークや映画館、店頭などの実際の店舗や施設でも新会員サービスの特典を提供していく計画という。
■同社初のスマホアプリ『Miitomo』
ゲーム専用機とスマートデバイスをつなぐ新しい会員サービス「My Nintendo(マイニンテンドー)」も発表。これに併せて、同社初となるスマートデバイス向けアプリ『Miitomo(ミートモ)』を発表。同作は、マイニンテンドーを牽引するFree to Start型の、つまり無料でアプリの利用を開始できるコミュニケーションアプリ。
『Miitomo』の主人公はユーザー自身。まずユーザーは、自分のMiiを作成していく。Miiは、ユーザーにいろいろな質問をし、その回答を話題にMiiが友達のMiiとコミュニケーションをしていく。コミュニケーションはフレンド登録したトモダチの間で行われ、安心・安全に配慮したコミュニケーションアプリとなっている。
このように、ユーザーが自分のことを自分から発信するのではなく、Miiから訊かれたことを、Miiが勝手に発信するという、いわば「ネタふりコミュニケーション」が『Miitomo』の特徴となる。「ネタふりコミュニケーション」は、能動的に発信することに消極的な人も参加しやすい、という利点がある。
また、あえて自分からは言わないけれど、訊かれたら言いたい、というような、潜在的な話題を掘り起こすことができ、友達のこれまで知らなかった意外な一面や、思いがけない共通点を発見できる、という特徴がある。同社は、ネタふりコミュニケーションにより、トモダチとの関係が深まり、ゲームを遊ぶ仲間の輪が広がることを大切に考えているという。
会社情報
- 会社名
- 任天堂株式会社
- 設立
- 1947年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆6718億6500万円、営業利益5289億4100万円、経常利益6804億9700万円、最終利益4906億0200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7974