コナミHD、16年3月期の連結業績予想を上方修正…営業益は170億円→240億円に上ブレ スマホ版『パワプロ』や『メタルギア』最新作の好調で
コナミホールディングス<9766>は、1月29日、2016年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表、売上高は従来予想の2280億円から2430億円(増減率6.6%増)、営業利益は同170億円から240億円(同41.2%増)税引前利益は同160億円から235億円(同46.9%増)にそれぞれ修正された。なお、最終利益は従来予想の95億円をそのまま据え置いている。
デジタルエンタテインメント事業において、『実況パワフルプロ野球』と『ワールドサッカーコレクション』シリーズを始めとするモバイルゲームや、『メタルギア』シリーズの最新作『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』などの家庭用ゲームが好調に推移したことなどから、当初の予想を上回る見通しとなった。
ただ、遊技機事業において、縮小傾向にあるぱちんこ市場に加え、遊技機の規制強化など、市場構造の急激な変化が進む中で、ぱちんこビジネスの再構築に向けたタイトルの選択と集中に取り組むことと、固定資産の減損損失を計上することや繰延税金資産の取崩しを行うことを踏まえ、最終利益は従来予想を据え置く形となった。
同日発表した国際会計基準(IFRS)による2016年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、売上高1792億円(前年同期比15.0%増)、営業利益174億円(同62.3%増)、税引前利益171億円(同33.6%増)、最終利益62億円(同19.1%減)となった。最終利益が減益となっているのは前述の減損損失の計上などの影響によるもの。
各セグメントごとの状況は以下の通り。
①デジタルエンタテインメント事業…売上高934億円(前年同期比37.5%増)、セグメント利益255億円(同2.3倍)
モバイルゲームは『実況パワフルプロ野球』が配信開始以降約1年間で累計1,900万ダウンロードに到達し、業績に貢献したほか、10月に配信開始した『プロ野球スピリッツA(エース)』も好調に推移した。家庭用ゲームは、『メタルギア』シリーズの最新作『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』の累計出荷が600万本(ダウンロード版を含む)に達し、引き続き好評であるほか、『ウイニングイレブン』シリーズの最新作『ウイニングイレブン2016』を日本でも発売した。
②健康サービス事業…売上高536億円(同2.8%減)、セグメント利益28億円(同2.0倍)
2015年10月からフランチャイズ施設4施設がコナミスポーツクラブの頻度別料金プランを導入し、サービスの充実を図った。前期に実施した大型施設の退店や受託施設の減少等により売上高は減少した一方で、施設運営の効率化により費用は減少し、収益性が改善した。
③ゲーミング&システム事業…売上高244億円(同4.8%増)、セグメント利益36億円(同12.3%減)
第3四半期後半より新筐体「Concerto」の出荷販売を開始した。カジノマネジメントシステム「SYNKROS」の北米各州のカジノ施設への導入を順次進め、堅調に推移した。
④遊技機事業…売上高82億円(同18.3%減)、セグメント損益7億円の赤字(同0.4億円の赤字)
ぱちんこビジネスの再構築に向けたタイトルの選択と集中に取り組むこととし、有形固定資産及び無形資産の減損損失など83億円(累計91億円)を計上した。
なお、2016年3月期通期の連結業績予想は、上記の通り予想が修正されており、売上高2430億円(前期比11.4%増)、営業利益240億円(同56.8%増)、税引前利益235億円(同38.6%増)、最終利益95億円(同4.2%減)の見込み。
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766