サイバーエージェント、AI研究組織「AI Lab」が静岡大学工学部の前原研究室と共同研究を開始 東京大学、明治大学に続く3つ目の産学連携に

サイバーエージェント<4751>のアドテクノロジー分野におけるサービスの開発を行うアドテクスタジオは、2016年1月設立した、人工知能(※1)をアドテクノロジーに活用するためのAI研究組織「AI Lab(エーアイ ラボ)」において、静岡大学助教 前原貴憲氏と共同研究を開始した。

拡大を続けるディスプレイ広告市場において、幅広く広告を配信し多くのユーザーを獲得するという従来の配信方法に加えて、より高度で効率的な広告取引が可能となるRTB(Real Time Bidding)を活用した広告配信が一般化している。近年では、大手国内事業社のDSP事業への参入や、新たな付加価値をもったRTB広告商品の登場などにより、今後もRTBを活用した国内ディスプレイ広告市場は拡大を続け、2017年には1,023億円に達すると予想される(※2)。

「AI Lab」では、RTBを活用したディスプレイ広告において、企業のROI (投資対効果)を最大化するための配信技術の開発を目的に、静岡大学工学部 数理システム工学科、前原研究室と共同研究を開始ました。前原貴憲氏は人工知能分野の代表的な国際カンファレンス「AAAI」を中心に、「ICDE」「VLDB」などで登壇するほか、「ICML」「KDD」にて論文を採択されるなど、機械学習・データマイニング・データベースの幅広い分野で活躍する若手を代表するリサーチャーだ。東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程を修了後、国立情報学研究所を経て、現在は静岡大学工学部数理システム工学科にて最適化や数値計算の理論に基づく人工知能技術の研究を行っている。

「AI Lab」では、RTBを活用したディスプレイ広告配信において、CTR(クリックレート)やCVR(コンバージョンレート)を予測するモデルを開発しており、入札を最適化するロジックの研究開発を行ってきた。今後は前原氏とともに、最適化・数値解析の理論を用いて、企業が設定する広告予算制約の中で様々なKPIを最大化するようなペーシング技術(※3)や、リターゲティングやブロードなどのあらゆるターゲティング方法に最適な予算配分を行うアロケーション技術(※4)などの研究に一層力をいれていく。今後も、効果の高い広告配信技術の開発を行うとともに、マーケティング全体において最適な投資配分を設計するツールなどの開発を目指す方針だ。

なお、本共同研究はアドテクスタジオが開発する、多様なデータを柔軟に組み合わせターゲティング配信するDSP「BitBlend(ビットブレンド)」や、スマートフォンに特化したダイナミックリターゲティング広告「Dynalyst(ダイナリスト)」などのプロダクトへ活用していく予定だという。

「AI Lab」は2016年1月の設立以来、高度なAI研究技術を持ち、実用化に積極的な研究室との産学連携を進めており、これまで、東京大学、明治大学と産学連携を行っている。今回、新たに静岡大学と産学連携したことにより、3つの大学と各AI分野において共同研究を行っていく。今後も企業とユーザーをOne to Oneで結び、最適なタイミングで最適な情報を届ける広告配信技術の実現を目指し、研究・開発に努めていくとしている。

※1 人工知能とは、コンピュータ上において、人間と同様の知能を実現させようという試みや技術のこと。
※2 当社調べ「アドテクノロジー広告市場」(2014年9月3日)
※3 ペーシング技術とは、企業が設定した広告配信期間・予算にて、広告効果を最大化するために、最適な時間帯・配信ペース、予算配分などを分析し設計するロジックのこと。
※4 アロケーション技術とは、各マーケティング施策において、最適な予算配分を分析し、設計するロジックのこと。

 
株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
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