ブロッコリー、16年2月期は売上高2%増ながら営業益31%減に スマホ向けアプリ『うた☆プリアイランド』を3月31日に終了…減価消却で損失を計上
ブロッコリー<2706>は、4月8日、2016年2月期の決算(非連結)を発表、売上高64億2900万円(前々期比2.8%増)、営業利益10億1000万円(同31.3%減)、経常利益9億8900万円(同33.3%減)、当期純利益6億2200万円(同32.2%減)と増収を確保しながらも各利益項目は大幅減益となった。
各セグメントごとの状況は以下の通り。
①コンテンツ部門
当社女性向けコンテンツ「うたの☆プリンスさまっ♪」では、2015年3月12日にPSP専用ソフト『うたの☆プリンスさまっ♪All Star After Secret』を発売、また、2016年1月28日には『うたの☆プリンスさまっ♪MUSIC3』をPS Vita専用ソフトとして発売したが、前回のPSP専用ソフト『うたの☆プリンスさまっ♪MUSIC2』の出荷数には及ばなかった。
「うたの☆プリンスさまっ♪」関連では、TVアニメ第3期「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」(4月から6月にかけて放送)と連動した「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ アイドルソング」CDシリーズを、4月22日発売「クロスユニットアイドルソング 一十木音也・四ノ宮那月」から、6月3日発売の「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ アイドルソング 寿 嶺二」まで計7作品として発売した。このCDシリーズは、オリコン週間シングルランキングにて全てTOP10入りするなど、大変好調に推移した。
また、9月30日には、シャイニング事務所のアイドル総勢11人が歌う、超豪華シングルCD「Shining All Star CD」の第2弾を発売。11月18日には、うたの☆プリンスさまっ♪オフィシャルプロジェクトとして、「映画」をキーワードに展開するドラマCD「シアターシャイニング」シリーズの第一弾「うたの☆プリンスさまっ♪シアターシャイニングBLOODY SHADOWS」を発売し、2016年1月13日発売の「うたの☆プリンスさまっ♪シアターシャイニング ポラリス」までの計4作品として発売した。「シアターシャイニング」シリーズは、オリコン週間アルバムランキングTOP10に全作ランクインするなど、大変好調な販売となった。
その他の女性向けコンテンツでは、株式会社MAGES.原作の「明治東亰恋伽」シリーズ第2弾、PSP専用ソフト『明治東亰恋伽 トワヰライト・キス』を4月23日に発売した。また、初の男性専属アーティスト蒼井翔太も、4月22日に1stフルアルバム「UNLIMITED」を発売し、オリコン週間アルバムランキング7位にランクインしており、5月には、2nd LIVE「UNLIMITED」をTOKYO DOME CITY HALLで開催し、約4,000名を動員した。
※蒼井翔太は、2016年3月1日をもって、専属レコード会社をブロッコリーからキングレコードに移籍。
一方、スマートフォン向けゲームアプリ『うた☆プリアイランド』は、新機能の追加やコンテンツの拡充など、継続的なアップデートを行い、ユーザー数の維持・拡大に努めたが、2016年3月31日をもって終了した。これに伴いイニシャルコストの未償却分について減価償却を行い、損失を計上した。今後のゲームアプリTOTALの戦略としては、2016年1月8日に発表したKLab<3656>との業務提携をはじめとした他社との共同開発も含めて、より音楽性やゲーム性を追求した顧客満足度の高い新規タイトルを複数投入することを目指していく。
男性向けコンテンツでは、トレーディングカードゲーム「Z/X -Zillions of enemy X-(ゼクス ジリオンズ オブ エネミー エックス)」シリーズのブースター第12弾「魔蠱の人形姫(まこのにんぎょうひめ)」を4月23日に、第13弾「変革の疾風(へんかくのかぜ)」を7月16日に、EXパック第5弾「蒼海の大決闘」を8月20日に、第14弾「断罪の白焔弓(だんざいのはくえんきゅう)」を10月22日に、第15弾「起動!超神器(きどう!ちょうしんき)」を2016年1月28日に、EXパック第6弾「乙女の聖戦(ヴァルキリーエンゲージ)」を2月25日に発売し、2012年7月発売の第1弾より累計出荷数2,000万パックを突破したが、昨年以来の競合他社タイトル発売の中、苦戦が続た。新拡売策としては、タカラトミー<7867>の人気トレーディングカードゲーム「WIXOSS -ウィクロス-」とのコラボレーション企画「X(クロス)カードキャンペーン」や、2016年夏開催予定の、全国のZ/Xプレイヤーから “最強” を決める初のイベント「Z/X 日本選手権」に向けた施策を実施している。Z/Xについては、今後も逆襲に向けた拡売策を継続して実施していく。
②リアルグッズ部門
他社ライセンス製品は、男性向けコンテンツ市場がヒット作品に恵まれ活性化していることに伴い好調に推移し、人気イラストレーターteracco(てらこ)氏を起用したオリジナルデフォルメグッズシリーズ「chipicco(ちぴっこ)」第1弾を10月に発売、新グッズアイテム「ちゅんコレ」シリーズを2016年1月発売から開始するなど、新規女
性向けアイテムの発案・発売も行い、売上は好調に推移したが、利益率については課題を残した。
自社ライセンス製品は、「うたの☆プリンスさまっ♪」関連グッズがTVアニメ第3期放映に伴い、店頭や通販での販売を強化したことや、「うたの☆プリンスさまっ♪」5周年記念イベント「シャイニングストアサテライト」(東京ビッグサイトにて7月25日開催)・コンセプトショップ「シャイニングストア」(東京原宿にて7月26日から10月25日まで開催)においてイベントでの販売も強化し、11月には当社オリジナルヘッドホン「PRINCE HEADPHONE」(全11種)を発売するなど、新規アイテムにも積極的に取り組んだ結果、売上計画を上回り、過去最高売上を記録した昨年度売上に次ぐ高実績を上げた。また、来期に向けた施策として、アイドルたちが「着てほしい」をテーマにデザインした「アイドルプロデュースカップルックTシャツ」の発売を2016年7月に控え、3月より特設サイトにて予約を開始するなど、新たな展開も始めた。
なお、2017年2月期通期の予想については、売上高51億~56億円(前期比20.7~12.9%減)、営業利益8億~11億円(同20.8%減~8.9%増)、経常利益8億~11億円(同19.2%減~11.1%増)、当期純利益6億~7億円(同3.6%減~12.4%増)と幅を持たせたレンジ予想を開示している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブロッコリー
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 鈴木 恵喜
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 2706