【決算分析】ボルテージの決算説明資料より…『ダウト』と『天下統一恋の乱』がけん引役に 新作は国内1タイトル、海外1タイトルを計画

4月28日に発表されたボルテージ<3639>の2016年6月期の第3四半期累計(7~3月)の連結決算は、売上高85億7100万円(前年同期比8.8%増)、営業利益4億4300万円(同97.4%増)、経常利益4億2800万円(同72.1%増)、四半期純利益2億1800万円(同2.3倍)と大幅増益での着地となった。

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今回はボルテージが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
 

■日本語版恋愛ドラマアプリが順調に拡大


まずはセグメント別の売上を見てみたい。主力の日本語版恋愛ドラマアプリは売上高、営業利益とも順調に拡大している。また、英語版恋愛ドラマアプリも売上規模を急速に拡大させているが、こちらは赤字幅が拡大するなど費用が先行している段階にあるようだ。

一方、サスペンスアプリは、広告を抑制して画面デザインなどの改善を推進中で、売り上げが大きく縮小する形となっている。
 



 

■英語版恋愛ドラマアプリの収益改善フェーズへの移行を目指す


続く第4四半期(4~6月)は、日本語版恋愛ドラマアプリでは、『ダウト~嘘つきオトコは誰?~』において、オフィスが舞台となるシーズン2「オフィスは男女の嘘だらけ」を5月に投入する。また、英語版恋愛ドラマアプリについては、収益改善フェーズへの移行を目指すべく、広告の拡大や開発のオフショア化を進めていく。

さらにサスペンスアプリは、新機能導入など、ベース改善の継続に引き続き取り組んでいく方針だ。

なお、新作タイトルについては、先日4月29日に同社初のパズルアクションゲーム『LOVE☆スクランブル』のiOS版を配信開始(関連記事)。第4四半期期間中は、さらに国内向け1タイトル、海外向け1タイトルのリリースが予定されている。
 


■通期計画の達成に向けて利益率の改善が課題に


前年同期比では増収増益での推移となるが、2016年6月期通期の計画対比で見ると、各利益項目の進捗状況は営業利益で55.3%、経常利益で53.5%、当期純利益で54.5%とやや厳しい状況だ。第4四半期期間は、どのくらい利益率を高めていけるのか、注目されるところだ。

また、同社としては、あらたな試みとなるパズルアクションゲーム『LOVE☆スクランブル』がどういった成果をもたらすのかは第4四半期の注目ポイントの1つとなってこよう。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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