ミクシィ<2121>は、5月10日、2016年3月期の連結決算を発表するとともに、東京都内でメディア向けの決算説明会を開催した。発表した決算は、売上高2087億円(前の期比84.9%増)、営業利益950億円(同80.4%増)、経常利益947億円(同79.9%増)、最終利益610億円(同85.1%増)と大幅な増収増益を達成した。
また、第4四半期(16年1~3月期)の数字を見ると、売上高585億円(前四半期比QonQ6.5%増)、営業利益277億円(同17.3%増)、経常利益277億円(同17.6%増)、最終利益169億円(同8.9%増)とQonQでも増収増益を達成した。売上高と利益は四半期ベースでは過去最高を更新した。いうまでもなく『モンスターストライク』の売上が好調に推移したことが主な要因だった。
今回のレポートでは、第4四半期の業績推移を中心にまとめておこう。
主力の『モンスターストライク』を展開するエンターテインメント事業は、売上高が5.1%増の550億円と過去最高を更新した。有名作品とのコラボやアニメ配信、物産展など各種の取り組みが奏功し、DAU(日次アクティブユーザー数)が過去最高を更新した。この四半期の売上高は、3DS版『モンスターストライク』の売上高30億円(第3四半期に計上)が含まれず、ネイティブアプリだけで増収を達成したことになる。相対的に利益率の高いネイティブアプリの売上が伸びた結果、利益がQonQで2桁の伸びとなった。また、SNS「mixi」や「チケットキャンプ」を展開するメディアプラットフォーム事業も5.3%減の34億円の減収だったが、4四半期連続で四半期売上高30億円を超えた。費用面では、賞与の支給に伴い、開発人件費(原価)や、人件費(販管費)が一時的に増加したものの、増収効果で吸収した。
▲売上原価の推移。賞与の支給に伴い、開発人件費が増加した。また、前四半期に計上された14億円の仕入れは、3DS版『モンスターストライク』の製造原価である。
▲販管費の推移。広告宣伝費が増加傾向にある他、賞与の支払いに伴い人件費が増えた。
▲ミクシィのゲームアプリを網羅したイベント「XFLAG PARK2016」を9月25日に幕張メッセで開催する。事前応募制イベントとなる。同日同じ会場で、e-sports促進機構と共同で「モンストグランプリ2016チャンピオンシップ」も開催する予定だ。
▲メディアプラットフォーム事業の推移。長らく「mixi」だけであったが、Diverseの結婚支援事業が2014年3月期に連結に加わったことで売上が一段伸びた。さらにチケットキャンプとMUSE&Co.が加わったことで、四半期売上高は30億円を突破した。
2017年3月通期の連結業績は、売上高2180億円(前期比4.4%増)、営業利益800億円(同15.8%減)、経常利益800億円(同15.6%減)、当期純利益540億円(同11.5%減)と増収・減益を見込む。なぜ減益になるのか。
まず、事業セグメント別売上の売上想定から見ていこう。エンターテインメント事業が2040億円(同4.6%増)、メディアプラットフォーム事業の売上が140億円(同4.1%増)を計画している。両事業とも引き続き伸びる計画だ。なお、エンターテインメント事業においては、国内版『モンスターストライク』は課金のボリュームを維持する考えで、増加分の90億円は新規事業やアニメなどで増えることを想定しているとのこと。
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また、問題は営業減益の要因だ。これについて、森田仁基社長は、150億円の先行投資を行うことを明らかにした。先行投資の主な使途としては、広告宣伝費が最も大きく100億円規模になるという。広告宣伝費は、アプリ版『モンスターストライク』だけでなく、映像ソフトやマーチャンダイジング、新タイトルなどにも使っていく予定だ。このほか、新コンテンツの開発費などにも充当する考え。この意味で、2017年3月期は「種まきの期」になる(森田社長)。2018年3月期以降の再成長は、今期の先行投資がどれだけ成果を生むかにかかっている。
また、第4四半期(16年1~3月期)の数字を見ると、売上高585億円(前四半期比QonQ6.5%増)、営業利益277億円(同17.3%増)、経常利益277億円(同17.6%増)、最終利益169億円(同8.9%増)とQonQでも増収増益を達成した。売上高と利益は四半期ベースでは過去最高を更新した。いうまでもなく『モンスターストライク』の売上が好調に推移したことが主な要因だった。
今回のレポートでは、第4四半期の業績推移を中心にまとめておこう。
■『モンスターストライク』が順調に拡大
主力の『モンスターストライク』を展開するエンターテインメント事業は、売上高が5.1%増の550億円と過去最高を更新した。有名作品とのコラボやアニメ配信、物産展など各種の取り組みが奏功し、DAU(日次アクティブユーザー数)が過去最高を更新した。この四半期の売上高は、3DS版『モンスターストライク』の売上高30億円(第3四半期に計上)が含まれず、ネイティブアプリだけで増収を達成したことになる。相対的に利益率の高いネイティブアプリの売上が伸びた結果、利益がQonQで2桁の伸びとなった。また、SNS「mixi」や「チケットキャンプ」を展開するメディアプラットフォーム事業も5.3%減の34億円の減収だったが、4四半期連続で四半期売上高30億円を超えた。費用面では、賞与の支給に伴い、開発人件費(原価)や、人件費(販管費)が一時的に増加したものの、増収効果で吸収した。
▲販管費の推移。広告宣伝費が増加傾向にある他、賞与の支払いに伴い人件費が増えた。
▲『モンスターストライク』における取組の数々。ゲーム内イベントはもとより、動画コンテンツやマーチャンダイジング、テレビCMなどを多面的に行われた。
▲メディアプラットフォーム事業の推移。長らく「mixi」だけであったが、Diverseの結婚支援事業が2014年3月期に連結に加わったことで売上が一段伸びた。さらにチケットキャンプとMUSE&Co.が加わったことで、四半期売上高は30億円を突破した。
■2017年3月期は「種まきの期」に
2017年3月通期の連結業績は、売上高2180億円(前期比4.4%増)、営業利益800億円(同15.8%減)、経常利益800億円(同15.6%減)、当期純利益540億円(同11.5%減)と増収・減益を見込む。なぜ減益になるのか。
まず、事業セグメント別売上の売上想定から見ていこう。エンターテインメント事業が2040億円(同4.6%増)、メディアプラットフォーム事業の売上が140億円(同4.1%増)を計画している。両事業とも引き続き伸びる計画だ。なお、エンターテインメント事業においては、国内版『モンスターストライク』は課金のボリュームを維持する考えで、増加分の90億円は新規事業やアニメなどで増えることを想定しているとのこと。
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また、問題は営業減益の要因だ。これについて、森田仁基社長は、150億円の先行投資を行うことを明らかにした。先行投資の主な使途としては、広告宣伝費が最も大きく100億円規模になるという。広告宣伝費は、アプリ版『モンスターストライク』だけでなく、映像ソフトやマーチャンダイジング、新タイトルなどにも使っていく予定だ。このほか、新コンテンツの開発費などにも充当する考え。この意味で、2017年3月期は「種まきの期」になる(森田社長)。2018年3月期以降の再成長は、今期の先行投資がどれだけ成果を生むかにかかっている。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121