カヤック<3904>は、5月16日、東京都内で2016年12月期の第1四半期(1~3月)の決算説明会を開催した。13日に発表した2016年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高11億4300万円(前年同期比41.5%増)、営業利益1億2300万円(同22.8%増)、経常利益1億5100万円(同54.1%増)、四半期純利益9900万円(同58.6%増)となった。
決算説明会では、同社の代表取締役CEOの柳澤大輔氏が第1四半期決算の業績概要と、各サービスの状況についての説明を行った。
今回はその中から業績概要の部分を中心に取り上げたい。
■過去最高の四半期売上高を達成
まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第1四半期は売上高が前四半期比4.2%増、営業利益が同17.0%減、経常利益が同2.3%減、四半期純利益が同7.4%減となった。売上高はすべてのサービスが増収となり、過去最高の四半期売上高を達成している。
一方、QonQで減益となった要因の1つが費用の増加だろう。これは事業規模の拡大(グループ会社の増加含む)に伴い、人件費や外注費が増加したことが大きい。
サービス別の状況に目を移すと、クライアントサービスは、前年同期比44.5%の増収となり、過去最高の四半期売上高を記録した。そうした中で、スクウェア・エニックスのVR版『乖離性ミリオンアーサー』に制作協力するなどVRへの取り組みも行っている
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ソーシャルゲームは、前年同期比22.8%の増収となった。新たに子会社となったガルチの本格的な寄与は第2四半期以降になる見通しだという。なお、『ポケットフットボーラー』は、同社の撤退ラインに達したため、2016年6月にサービスを停止し、リソースを新規タイトル開発に振り向ける予定。本作の失敗の要因については、「いきなり全世界でリリースしたこと」(柳澤氏)としていた。ただ、「打席に立ち続けないと(オリジナルの)ヒットは出ない」(同)とし、今後もオリジナルタイトルで自社IPを育てていくことを目指すようだ。
Lobiは、前年同期比61.8%の増収と順調な成長が続いている。期中はリアルイベントサービスの提供も開始しており、サムザップの『戦国炎舞』のリアルイベントには400名以上のユーザーが来場するなど成功を収めたという。また、「Lobiプレミアムサービス」の提供も開始した。
■通期予想は据え置き 下期偏重型の予算配分
なお、2016年12月期通期の予想については、売上高51億円(前期比37.6%増)、営業利益5億1500万円(同31.1%増)、経常利益5億3000万円(同33.9%増)、当期純利益3億3000万円(同26.3%増)という従来予想を据え置いている。
通期予想に対する売上高、営業利益の進捗率は約23%となっているが、新規タイトルのリリースやLobiの成長などもあり、当初から下期偏重型の予算配分になっているとのことだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904