【発表会】「360度動画のテレビ局に」…コロプラの子会社360Channelが手掛ける新感覚動画サービスが遂に始動 サービス概要や体験会の模様を取材
コロプラ<3668>の100%子会社である360Channelは、オリジナルの360度動画を配信する新サービス『360Channel(サンロクマルチャンネル)』を、本日5月26日より開始したことを発表した。
『360Channel』で配信するオリジナル動画は、360度全方位へ自由に視点を動かすことが可能で、あたかも動画内に自分がいるかのような臨場感と視聴体験を楽しめる点が最大の特長。サービス開始にあたり、「バラエティ」「旅行」「ライブ」「パフォーマンス」「体験」「ドキュメンタリー」の6カテゴリーのチャンネルから、合計20コンテンツを超えるオリジナル動画が楽しめる。
今回の発表に先立ち、メディア向け発表会が5月25日に開催された。本稿では、360Channelとしての企業の取り組みやサービス概要が語られた発表会、そして体験会の模様を取材。
■「360度動画のテレビ局に」…映像のプロたちをスタッフに迎える
発表会では、360Channelの中島健登氏が登壇し、新サービス『360Channel(サンロクマルチャンネル)』の概要を説明してくれた。
そもそも同社は、コロプラ<3668>の100%子会社として2015年11月に設立された(関連記事)。360度動画関連の事業を行うこと以外は、この日まで特別新しい情報を開示してこなかったため、中島氏は「具体的に何をしている会社なのか、分からない方も多かったのではないか」と述べた。
以前、代表の馬場氏が媒体インタビューにおいて、同社の特徴について訊かれたところ「360度動画のテレビ局になりたい」と答えた。現在もそのコンセプトはぶれておらず、まさに今回発表した同名サービス『360Channel』は、360度動画(コンテンツ)の制作・配信までを行う、テレビ局(プラットフォーム)のような存在である。
では、具体的にどのようにして制作を行っているのか。中島氏は制作について3つの特徴を挙げた。
■動画制作経験者が360度動画制作
■企画、撮影ノウハウが醸成されている
■スティッチ体制が充実
驚くべきことに、動画の企画・撮影はほぼ内製で手掛けられている。テレビ番組や広告映像の制作をバックグランドに持つ、言わば映像のプロたちをスタッフに迎え、「360度動画ならでは」の質の高いコンテンツ制作が出来る環境を整えている。
なかでも、スティッチ体制が充実している点を強く押し出した。スティッチとは、一言でいえば撮影した動画を360度動画にする技術のこと。実際の撮影では、ウェアラブルカメラのGoProを複数台用いて、色々な角度で動画を撮影することになるのだが、編集の際に動画をつなぎ合わせることになる。その作業をスティッチと呼ぶ。なお、現場ではスティッチ専門に業務を行うスタッフは十数名いるという。
■動画制作経験者が360度動画制作
■企画、撮影ノウハウが醸成されている
■スティッチ体制が充実
驚くべきことに、動画の企画・撮影はほぼ内製で手掛けられている。テレビ番組や広告映像の制作をバックグランドに持つ、言わば映像のプロたちをスタッフに迎え、「360度動画ならでは」の質の高いコンテンツ制作が出来る環境を整えている。
なかでも、スティッチ体制が充実している点を強く押し出した。スティッチとは、一言でいえば撮影した動画を360度動画にする技術のこと。実際の撮影では、ウェアラブルカメラのGoProを複数台用いて、色々な角度で動画を撮影することになるのだが、編集の際に動画をつなぎ合わせることになる。その作業をスティッチと呼ぶ。なお、現場ではスティッチ専門に業務を行うスタッフは十数名いるという。
配信の特徴については以下の通り。
■オリジナルコンテンツ配信(他社コンテンツも)
■チャンネルで継続的にコンテンツ提供
■誰でも視聴可能(ユーザー無償)
動画はオリジナルコンテンツが中心になり、ユーザー投稿などのいわゆるCGM(Consumer Generated Media)に移行することは、現状では「ほぼない」とのこと。「まずは自分たちで面白い360度動画コンテンツとは何なのか、ということを見極めてしっかりと配信していく」と言葉を添えた。
また、ユーザーに視聴習慣をつけてもらうために、継続的にコンテンツを提供。今後の配信頻度については、具体的な数字は明かさなかったが「ユーザーが少ないなかでも、習慣がつけられるように続けていく」とした。そして、VRの魅力やポテンシャルを感じてもらうために、当面は無償で視聴できるようにするという。
ここからは詳細なサービス概要について。『360Channel』では、大きく3つの特徴がある。
■高品質な360度動画コンテンツ
■マルチデバイスに対応
■便利なお気に入り対応
▲ローンチでは「バラエティ」「旅行」「ライブ」「パフォーマンス」「体験」「ドキュメンタリー」の6カテゴリーのチャンネルから、合計20コンテンツを超えるオリジナル動画が楽しめる。
▲VR専用ヘッドマウントディスプレイ(以下「HMD」)で見てもらうことを前提にコンテンツを制作しているが、360度動画を幅広い方に体験してもらうためにもマルチデバイスに対応。PC、スマホ、WEBで視聴できるほか、ローンチではOculus Rift、Gear VRに対応。その他の端末は順次対応予定。
▲無料アカウント登録すると、チャンネルや動画をお気に入り登録できる。外出先で視聴したい動画や気になる動画をお気に入り登録して、帰宅後、落ち着いた環境でハイエンドなHDMで視聴するなど、ライフスタイルに合わせた機能となっている。
発表会の最後に中島氏は、「VR市場はまだまだ赤ん坊です。そして我々(のサービス)はまだ生まれていません(取材当時)。5月26日に大きな第一歩を踏み出します。超えなければならない壁も多いと思いますが、そのぶん、人に与えられる感動は大きいと思います。そういう課題を乗り越えて、尽力してまいります」と意気込みを語り、締めくくった。
■“360度動画ならでは”の6チャンネル・20番組以上 継続的に提供予定
ここからは『360Channel』の体験会に移った。当日は、スマートフォンを装着して視聴できるHMD「Gear VR」と、ハイエンドHMD「Oculus Rift」のふたつで体験できた。
前述しているように、「バラエティ」「旅行」「ライブ」「パフォーマンス」「体験」「ドキュメンタリー」の6カテゴリーのチャンネルから、合計20コンテンツを超えるオリジナル動画が楽しめた。ここからは各チャンネルごと紹介していく。
■バラエティ
お笑い芸人・チュートリアルを司会に迎えた、恐らく世界初(?)となる360度動画のバラエティ番組。グラビアアイドルをはじめとする美女たちが、男性を誘惑するマル秘テクニックを実演し、チュートリアルが採点するという内容だ。HMDを装着した体験者は、美女の視線と吐息を間近で感じ取れるなど、同じ空間を堪能できる。男の妄想が現実になる新感覚バラエティ。
■旅行
日本各地の美しい風景や人気の観光スポットを紹介する旅番組。ローンチでは東京・静岡・福井・岡山が誇る美しい風景や人気スポットを紹介している。今までなかなか行くことが出来なかった魅力あふれる観光地に、本当に“行った気分”になれる、非常にVRと親和性が高いコンテンツになっている。
■ライブ
次世代を担うアイドル“神宿”の超満員LIVEを、特等席で鑑賞できる「発掘!次世代アイドルLIVE」。大迫力の熱狂パフォーマンスを360度で体感できるのだが、その立ち位置はステージと観客席のあいだ。ひとりだけ乗り出しているかの如く、アイドルのパフォーマンスを目の前で体験できる。カメラを意識して手を振ったり、視線をくれたりと、360度動画ならではのコンテンツに仕上がっている。
■パフォーマンス
達人から繰り出される唯一無二の360度パフォーマンスを目の前で体感できる番組。ローンチでは、和太鼓とけん玉のふたつが用意。淡々とパフォーマンスを行うのではなく、細やかな動きあり、多彩な映像演出ありで体験者を楽しませてくれる。
■体験
大人の社会科見学もVRで体験できる。この番組では、東京国際空港(羽田)にある「ANA機体工場」において、ボーイング777をはじめ、ボーイング787、ボーイング767など大型機、中型機がどのように整備されているのかを実際に見られる。下から見上げることもできるほか、普段ではなかなか見られないカメラアングルなども実現。
■ドキュメンタリー
2016年4月14日に発生した「平成28年熊本地震」。発生から約10日後の熊本県各地を360度カメラで取材。大規模地震に直面した町とそこに住む人々の記録が収録されている。
▲1コンテンツ(番組)の視聴時間は、5分から10分ほど。
▲ホーム画面では、ログイン機能を搭載。
▲番組は、7台ものGoProを組み合わせて撮影されており、洗練された360度動画を実現。
▲スマートフォンで視聴する際は、独自のUIで展開。
『360Channel』の今後の展開として、生放送やアニメーションのコンテンツに関しても、「検討している」と前向きにコメントした。また、さきのドキュメンタリーチャンネルにもあるように、今後報道を題材としたチャンネルのなかで、速報性の高いコンテンツの創出については「スティッチなどの作業で難しいが、視野に入れている」と回答。
現状マネタイズについても予定はなく、仮に行うのであればスポンサーという形になるという。海外展開についても当面は考えていないとのこと。
企画・制作を含めて、多量のコンテンツを矢継ぎ早に配信することは難しいが、今後制作サイドのノウハウが蓄積されることで、それらの問題も解消されていくことだろう。未曾有のサービス『360Channel』の動向に、今後も注目していきたい。
(取材・文:編集部 原孝則)
(取材・撮影:編集部 和田和也)
(取材・撮影:編集部 和田和也)
■360 Channel
© 2016 360Channel, Inc.
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668
会社情報
- 会社名
- 株式会社360Channel
- 設立
- 2015年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 小松 恵司