【決算分析】ガンホーの決算説明資料より…2Qは売上高300億円割れと減少トレンド続く 7月より中国本土向け展開がいよいよ開始 新分野でVR向けも

7月29日に発表されたガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の2016年12月期の第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、売上高614億円(前年同期比25.4%減)、営業利益266億円(同35.7%減)、経常利益263億円(同36.6%減)、四半期純利益168億円(同36.1%減)と2桁減収減益での着地となった。

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今回はガンホーが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
 

■売上高、利益とも減少トレンドに歯止めがかからず


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、会社側は引き続き堅調に推移としているものの、第2四半期期間(4~6月)は、売上高297億円(前四半期比6.2%減)、営業利益125億円(同11.3%減)、経常利益123億円(同11.4%減)、四半期純利益76億円(同17.3%減)と減少トレンドに歯止めがかかっていない状況だ。

なお、広告宣伝費については、「ガンホーフェスティバル 2016」の開催や3DS版『パズドラクロス』の宣伝活動を開始したことなどが増加要因となったものの、北米版の広告宣伝費を抑えたことや、国内も各タイトルの年始に実施していた広告強化の反動もあって、前四半期比微減となっている。
 

期中には、大きなトピックはなかったものの、7月に入っていくつかの大きな動きが浮上してきた。その1つが『パズドラ』初の中国展開だ。TencentのWeChat/QQでの配信をAndroid版は7月19日、iOS版は7月20日より開始しており、当初の予定よりは大きく遅れたがいよいよ中国本土での展開が始まった。
 

また、前述の3DS版『パズドラクロス』も7月28日より発売開始となっているほか、ホビー商品展開も行うなど、クロスメディア展開も本格化した。
 

その一方で、スマホ向けの新作については、当初2016年春に配信予定としていたスマホ向けの新作タイトルは配信予定が下期に変更されたこともあり、この第2四半期は大きな動きがなかった。ゲームロフトから日本国内におけるパブリッシング権を獲得した『ディズニー マジックキングダムズ』と合わせて、どの時期でリリースできるタイミングとなるのか、第3四半期以降をしっかりと注目したい。
 

■スマホ向け新作、家庭用ゲーム機向け新作、そして新分野のVR


第2四半期については、第1四半期から大きな変化はなく、MAUや売上高の減少傾向が続く結果となった。前述のスマートフォン向け新作に加え、家庭用ゲーム機向け新作、そして新分野となるVRについても、新たなヒットタイトルの創出に向けた開発中タイトルとして示されており、第3四半期はこれらの動きが実際に目に見える形で出てくるかどうかがポイントになってきそうだ。
 

 

(編集部:柴田正之)


 
 
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
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