グリーのゲーム・アニメ事業…『ヘブバン』中国展開好調も一部運用タイトルの不調で減収減益に 新作パイプラインに自社IPのコンシューマゲームも

柴田正之 編集部記者
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グリー<3632>は、11月5日、2025年6月期の第1四半期(7~9月)連結決算を発表し、その決算説明資料を公開した。今回はその中から同社のゲーム・アニメ事業の状況を取り上げたい。

ゲーム・アニメ事業の第1四半期(7~9月)は、売上高90億6000万円(前四半期比7%減、前年同期比23%減)、営業利益7億5000万円(同47%減、同52%減)となった。

ライブサービスゲームは、ライセンスアウトとして『ヘブンバーンズレッド』の中国展開が開始され好調な進捗となっているものの、一部運用タイトルの不調に伴い、前四半期比(QonQ)、前年同期比(YonY)ともに減収減益となり、「大規模な新規開発の仕込み」による費用の先行も影響して、7000万円の営業赤字を計上した。

一方、ライセンス事業は、海外ライセンスゲーム各タイトルの好調な推移と出資済アニメからの配分収益増加により、前四半期比で増収増益となった。

新作パイプラインについては、今回、内製開発中のタイトルのパイプラインを発表しており、今期リリースを見込む『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra』のほか、他社IPタイトル2本、そして自社IPのコンシューマゲーム1本の合計4本の開発を進めているとしている。

注目されるのは、前四半期に本格参入に向けた体制準備を進めるとしていたコンシューマゲームが1本入ってきたことだろう。FY26、つまり来期発売を現時点では目標としているもようだが、今後の発表などが期待されるところだ。

ゲーム・アニメ事業の2025年6月期通期の見通しについては、新規タイトルの貢献は保守的に織り込み、売上・営業利益ともに昨年度対比で微減となる見通しとして、売上高414億円(前期比8%減)、営業利益43億円(同38%減)を見込むとしている。

前四半期に発表した業績予想との比較では、売上高が下ブレとなった一方、利益は上ブレとなる見通しになっている。

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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