【決算まとめ②】ゲーム関連企業35社の24年7~9月期はグリーやBOIなど4社が赤字転落 コスト削減進めるgumiなど5社が黒字転換に

柴田正之 編集部記者
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主要モバイルゲーム企業の2024年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。

この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の35社中、12社となった。前四半期の13社から1社の減少となる。なお、この四半期は5社が営業黒字転換を果たした一方で、新たに4社が営業赤字に転落している。

この四半期に営業黒字転換を果たしたのは、アエリア<3758>とgumi<3903>、カヤック<3904>、アカツキ<3932>、ワンダープラネット<4199>の5社だ。gumiは、苦戦していた『アスタータタリクス』のサービスを2024年9月30日をもって終了するなどコスト削減を進めており、オリジナルタイトルの開発中止に伴い一過性の費用10億円がなくなったことも収益改善につながった。こうした動きは子会社エイリムのガンホー<3765>への譲渡など足元も続いており、事業構造の転換が次の四半期も続いていくことが予想される。

一方、この四半期に赤字転落となったのは、ボルテージ<3639>とグリー<3632>、アピリッツ<4174>、バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>の4社だ。グリーは、投資先ファンドにおける保有株式の評価替えの影響を受けた投資事業の損失計上により、赤字計上となった。この損失計上は一過性のものではあるが、同社はその一方でゲーム・アニメ事業の再編やDX事業の再編を進めるなど事業構造の改革に取り組んでおり、今後その収益性が改善してくるのかどうかが注目されるところだ。

また、BOIは、主力の『メメントモリ』でサマーキャンペーンを開催したものの、2周年記念キャンペーン前の課金控えで減収となったことに加え、一時的な費用の計上で運営利益が新作開発投資を下回り、四半期ベースでの営業赤字計上となった。また、10月21日には、セガから特許権侵害差止等請求訴訟の提起を受けたことを明らかにしており、この訴訟が業績に及ぼす影響についても次の10~12月期決算以降に留意しておく必要がありそうだ。

株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
企業データを見る
グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
企業データを見る
株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
http://www.boi.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
設立
2006年1月
代表者
代表取締役社長 樋口 智裕
決算期
9月
直近業績
売上高213億3300万円、営業利益49億円、経常利益49億2000万円、最終利益32億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4393
企業データを見る