お世話になっております。板垣と申します。
都内某所から、こんにちは。
「ポケモンGO」が日本でもリリースされましたね。
昔、Mother2というゲームの「おとなも こどもも おねーさんも。」というキャッチコピーがありましたが、まさにコレを地で行ってる感じがあります。
スゴイ社会現象ですね。
● 「ポケモンGO」って?
20年ほど前に発売されたゲームボーイ用ゲームを皮切りに、様々な続編や派生作品を世に生み出した「ポケットモンスター」シリーズの、スマートフォン版最新作です。
今まで任天堂は、WiiUや3DSなど、基本的に自社のゲーム機でしか自社関連のゲームを販売してこなかったワケですが、ついにスマートフォンの特性を活かした本気のゲームを任天堂が出して来たぞ!と、ちょっとゲーム業界界隈が沸いた、話題作です。
(※正確には「任天堂関連会社と資本関係のある会社のゲーム」なので、任天堂では無いんですけども。。。まぁ、お客さんからすると、普通はファイナンスの話まで気にしませんよね。ポケモン=任天堂が作ってるゲームというイメージを持ってしまうと思います)
● 何が面白いのか?
ポケモンGOは、一言で言うと、「ポケモンを集める」という行為を現実世界で疑似体験出来るゲームです。
そしてゲームの目的は、ポケモンのコンプリート。
育成や陣取り合戦は、その目的を盛り上げる為の要素として存在している感じです。
歩き回ることだったり、諸々のモンスター強化攻略の話だったり、いろいろ取り上げられていますが、本質的には「現実世界でカメラ越しにポケモンと出会って捕まえるのが面白い」という部分に尽きます。
これは、当時はゲーム内でポケモン捕まえて、脳内補完しながら冒険を楽しんでいた部分を、カメラを通して実際に捕まえるという新しい体験が出来るようになったということかなと。
例えるなら、ディズニーランドと同じなのです。(ディズニーの世界観を実際に体験出来る、という広い意味で)
● e-sports化出来るのか?
e-sports化するには、戦い合う何かしらが必要ですね。
現状だと、ジム(拠点)を取り合う部分で、疑似対戦が出来ます。
リアルタイムでその場で対決するというよりは、アップロードされた誰かのデータと対決する感じです。
なので、ポケモンならではの駆け引き対戦は、今の所弱いですね。
今だと、ドラゴンコレクションなどのパラメータ対戦に近いかなと思いますので、e-sports化には適してないです。
● e-sports化するにはどうしたら良いか?
バトルを、今までのポケモンならでは駆け引きが出来るようにしたい所です。
ポケモンGOのバトルは、
「設置されてるポケモンのパラメータを見て、それに対して戦いを挑む」
という一方的なモノです。
自分のポケモンを設置する際も、
「なるべく、いろんなポケモン相手に対応出来るように、CPが高くて、汎用性が利いて、良い技を持ってるポケモンを設定しよう」
となるので、設置するのは限られたポケモンに集約しがちです。(ちょっと強引ですが)
比べて、過去のポケモンのバトルは、
★どのポケモンを先頭に出しておくか?、の駆け引き。
★どのポケモンをデッキに入れておくか?、の駆け引き。
★ポケモンの属性にどう対応するか?、の駆け引き。
★どの技を出すか?、の駆け引き。
★どう魅せるか?、の駆け引き。
などを考えつつ事前にポケモンを育成して、その上でバトルに挑んで駆け引きする流れが、自然と出来るように作られていました。
対人戦の場合は、それらが研ぎ澄まされ、さらに駆け引きが際立った戦いが繰り広げられます。
ポケモンGOも、バトル部分を上記のような方向性にすると、一気にe-sports化向きのゲーム性になるとは思います。
むしろ、そこ以外はe-sports向きだと思います。
、、、では、なぜそれをしないのか?
● 現実世界ならではの問題が、、、
ゲームセンターの対戦ゲームのように、戦う為に敢えてその場所に行ってお金を払って戦いを楽しむ場合は別ですが、ポケモンGOの場合、現実世界とリンクしている分、何の気なしに戦って路上の喧嘩やトラブルなどが多発するのが、容易に想像出来ますね。
確かに、e-sports化は出来るかもしれませんが、問題の方が大きくなりそうです。
おそらく、その辺りを懸念して、敢えて今のポケモンGOスタイルのバトルにしたのかなと。
こういった面からも、ARを使ったゲームのe-posrts化の課題が見えてくるなぁと。ポケモンGOを通して、深く考えさせられました。
私も頑張ろうっと。
ただ、よく話題に出される「ポケモン収集に地方格差がある」などの部分は、むしろ逆に面白いなと思ってます。
完全に平等ではなく、この地域出身のポケモントレーナーが強い、というのも、スポーツらしくていいかなぁと。
取り急ぎ、そんな感じです。
(※この記事は、2016年7月28日時点の記事です)
【過去記事アーカイブ】
■第3戦「ゲーム内に大会機能を同梱するのは、e-sports化の近道??」
■第2戦「『にゃんこ大戦争』を、もしe-sports化しようとしたら、どうなる??」
■第1戦「『クラッシュ・ロワイヤル』はe-sportsタイトルとなりえるのか?」
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現在、「見てる人が楽しい」をコンセプトにしたスマホ向けe-sports用タイトルの開発を進めています。専用の開発スタジオも作りました。
現在、積極的に仲間を募集中~!!
著者
板垣護
ポノス株式会社、e-sports事業の総括。 兼、ヤルキマントッキーズ合同会社、CEO。
最近の一言
「ドードーは、乱獲されすぎて、そろそろ絶滅するんじゃないかな?」
会社情報
- 会社名
- ポノス株式会社
- 設立
- 1990年12月
- 代表者
- 辻子禮子、辻子依旦
- 決算期
- 11月
- 上場区分
- 非上場