​【TGS2016】「艦隊これ」や「刀剣」のヒットの先に目指すものとは? DMMゲームズの事業戦略



DMMゲームズは、9月15日「東京ゲームショウ2016」のDMMゲームズブースで「ビジネスユーザー向けDMMゲームズカンファレンスステージ」を行い、企画営業本部本部長の林研一氏がDMMゲームズの事業戦略に関する説明を行った。

最初に、これまでのDMMゲームズの歩みを振り返ると、DMMゲームズは12月で5年目を迎え、今年でTGSでのブース出展も3回目となる。事業規模としては、会員数が1700万人を突破し、ユーザベースの多いPCを主軸とした配信プラットフォーム戦略を行ってきた。
 


事業について振り返ると、時代を彩ったとも言えるタイトルがあるという。「艦隊これくしょん」が出たタイミングでプラットフォームに対する見え方や風向きが変わり、「刀剣乱舞」が出たことで、今まではDMM=男性向けとイメージがあったが、多くの女性ユーザーにも興味を持ってもらったという。また今回のTGSでは「刀剣乱舞」のVRの体験も可能なので是非体験して欲しいとのこと。
 


またこれによって著名な会社と取引ができるようになり、「エルダー・スクロールズ・オンライン」をはじめとして海外からの大型タイトルのパブリッシング権の獲得も積極的に行っている。実際に会員推移を見ても右肩上がりで伸ばしている。
 


上記は、配信プラットフォームとその主なタイトルになるが、今後は海外プラットフォームに注力し、成人向けのコンテンツだけでなく一般版やスマートフォン対応も拡大していく考えだ。

また、DMMの強みである「マルチデバイス展開」のデータ連携の成功例として「レッドコラプション」の事例を紹介した。多くの人から「複数のプラットフォームやデバイスで展開することにより、重なるユーザーがいるのではないか」という声が聞かれるが、「レッドコラプション」の場合は、PC版リリース後も売上が積み上げられており、売上とMAU(月次アクティブユーザー数)ともに減少が見られなかったということだった。
 


DMMゲームズの今期の戦略として、タイトルの競争力の強化、艦これ・刀剣に続く人気IP創出、海外展開の拡大をあげた。
 


タイトルの競争力の強化に関しては、ゲーム性やジャンルのさらなる拡大をしていく。例えば、「一血卍傑-ONLINE-」については、DMM.com OVERRIDEが開発運営、Rejetがシナリオを担当する協業事業となり、「ラグナストライクエンジェルズ」はDINGO・Aniplexとの3社間で製作委員会を作り、役割分担をしてコンテンツを作り上げた。上記の例のように、今期はIPを育てることや制作委員会への参加など積極的に投資を行っていくという。
 


2つ目に艦これ・刀剣に続く人気IPの創出がある。そのためには原作、イラスト、シナリオを重要視し、アニメの放送と同時にゲームをリリースし瞬間最大風速を高めたり、人気の作家やイラストレイターとの協業を行ったりして、IPの骨子となる部分をより深掘りするような展開を考えているという。
 


3つ目に海外展開の拡大がある。中華圏だけでなくアジア圏を中心に開発会社との協業やパブリッシング権の獲得などパートナー展開を積極的に行っていくという。基本的にはライセンスアウト、ライセンスイン、共同ゲームIPの創出事業の3つに関してアジア圏で注力していく。

DMMゲームズで配信済みのタイトルを中華圏の大手パブリッシャーや大手プラットフォームにライセンスアウトして中国市場に事業拡大を目指し、すでに決定している「刀剣乱舞」や「シューティングガール」に続き、今後も自社のタイトルを出していきたいという。

ライセンスインに関しては、全世界を対象としてDMMゲームズがパブリッシング権を獲得して、例えばプロモーションやローカライズをDMMゲームズが行う座組みで、グローバルの同時リリースなど行っていく。

共同IP創出事業に関しては、ハイエンドなゲームを作るという点で見ると、中華圏や韓国は高い技術があると評価しているそうだ。そこで、IPやゲーム企画やストーリーなどのコンテンツの部分をDMMゲームズが担当し、パートナーにはクオリティの高いゲームを作ってもらい運営を任せているとのこと。
 


 
(取材・撮影・記事執筆:森山晃義)
DMM GAMES(EXNOA)

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