ネクソン<3659>といえば、中国や韓国からの収益の比率がかなり大きいことで知られているが、北米と欧州その他地域での売上も大幅に増えているようだ。同社の開示した決算説明資料によると、北米の7~9月期売上高は前四半期比(QonQ)で25.3%増の21億3800万円、欧州及びその他の地域は同39.9%増の27億2400万円となった。
同社によると、業績拡大のけん引役となったのは、NEXON Koreaが今年7月に中国と日本を除く140カ国でリリースした、スマートフォン向けRPG『HIT』だ。『リネージュII』や『TERA』など、大ヒットMMORPGを開発したパク・ヨンヒョン氏が手掛ける初のモバイルゲームで、Unreal Engine 4を使用したモバイルゲームにおける最高レベルのグラフィックや破壊力のあるアクションが特徴となっている。
特に「欧州及びその他の地域」では、台湾や香港、ベトナム、タイ、フィリピンなどのアジア地域のアプリストアの売上ランキングで上位に入っている。同社経営企画室長の熊谷峻平氏(写真)は「アジア地域では韓国産オンラインゲームが人気を博した経緯がある。韓国で開発したから当たり前だが、『HIT』もその流れを汲んでいる作品として評価されたのではないか」と人気の要因を分析する。
先日、ネクソンがタイのモバイルゲームパブリッシャーであるi Digital Connectに資本参加したが、市場動向に精通する現地パブリッシャーに運営を担当してもらうことで、「現地のニーズに即したきめ細かいサービスを提供することが狙い」だ。『HIT』は、日本国内でも事前登録が始まり、いよいよリリースが近づいてきた。『HIT』が日本国内でどこまでユーザーに受け入れられるのか注目される。
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(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659