【突然の対談インタビュー】グリモア神谷社長まさかの乱入! Happy Elementsの最新情報を握る2人が明かす子会社化の内幕、そして新作と今後の展望
Happy Elements 株式会社(以下、Happy Elements)の新井元基社長のインタビュー中、突如乱入した謎の男は、2016年10月末をもってHappy Elementsグループ入りした株式会社グリモア(以下、グリモア)の社長、魔術局長、およびハイパードラゴニックエグゼクティブプロデューサーでもある神谷友輔氏であった。今回Social Game Infoは急遽、新井氏・神谷氏の対談インタビューを行い、新作や今後の展望について話を聞いた。
――:突然の登場にも驚きましたが、今回のグリモアさんのHappy Elementsグループ入りにも驚きました。
神谷氏:SORRY。驚かせてしまいましたね。逆に言えば、面白い展開だと思ってもらえているという証。光栄の極みです。確かに、普通に考えればHappy Elementsとグリモアは生まれも考え方も全く違う会社同士に見えるでしょう。ですが、それは違う。
新井氏:そ、ソーリー?…グリモアはHappy Elementsと似ている所が多いと感じています。
神谷氏:YES。ウーノ(1つ目)に「少人数開発」、ドス(2つ目)に「2Dへのこだわり」、トレス(3つ目)には「オリジナル作品の重視」…ふぅ、数え切れません。
新井氏:本当にYESって言うんですね…。ともかく、昨今のスマホゲーム市場では大型IPを使ったゲームが増えていく中、オリジナルIPで挑戦する会社が減ってきています。その意味で、グリモアの目指していることには共感していますし、応援したいという思いを常々持っていました。
――:両社のタイトルを見ると一緒になるのは意外な感じがありましたが、根底にある考え方は似ているんですね。先日の発表ですと、グリモアがグループにおけるスタジオになるというお話でしたが…。
新井氏:グループ内のスタジオという位置づけと発表していますが、私としては、これまでと同じようにやってほしいと思っています。
▲Happy Elements 東京拠点となったグリモアスタジオ。
神谷氏:BANG。そう、いわば独立部隊。本隊とは別行動をしながらも、目的を同じくするプラトゥーン。先程Happy Elementsとグリモアは似ている、という話をしましたが、見方を変えれば、違う所もあるという事。その違う所こそが”グリモアらしさ”、あるいはHappy Elementsに出来ないことなのかなと。だからこそ、ほどよく協力しながらも、お互いに干渉しすぎない自由なものづくりを目指そう、というメッセージをもらっています。
――:グリモアらしさ、ですか。
神谷氏:LISTEN。よく聞いて下さい。「大真面目に悪ふざけ」。大事なので二度言います。「大真面目に悪ふざけ」、これはグリモアの標語であり社是となってる、まさに魂。あるいは軸・芯と言っても良いでしょう。
――:以前のインタビューにも「変な運営を目指す」とありましたね。
神谷氏:PERFECT。すばらしい。相当なグリモイスト(グリモアファンの意)ですね。以前のインタビューの通り、我々は時に自爆するほど変な運営です。普通の会社ではやらない悪ふざけを大真面目にやっていく。それは、世界中のグリモイストたちの期待を良い方向に裏切っていこう!という考え方に他なりません。期待されればされるほど違う方法で達成したくなる。「グリモアって変だな(褒め言葉)」と言われるような事をとにかく突き詰めていくことが「グリモアらしさ」なのです。
新井氏:コミケに不思議な広告を出したりしていましたね。あれもまた、グリモアらしさなのかな、と。
神谷氏:OOPS。それを先に言われるとは。新井社長もかなりのグリモイストのご様子。グリモアでは、普通に考えれば効果がなさそう・出ないだろうな、というクリエイティブで広告を出すことがあります。ちょうど1年前の冬に「企業ブースに落選したのでエアコミケやってる」という内容の広告をコミックマーケット企業ブースエリアに出しました。普通、作品を知ってもらおうとか、どのくらいユーザーさんを増やしたいとかを考えますよね?でもグリモアのメッセージは「コミケ出たい」ってことなんです。もっと言えば「次のコミケでは企業ブース出す予定だから待っててね」と。こんなこと広告費を払ってまで伝えるべきことか、と思ってしまうような事に価値があると考えている。こういうことを積み重ねていくと「この人たち、ちょっと変だな。作るゲームは他と違うのかな」と思ってもらえるようになっていくだろう、と。
新井氏:本当に変わってます(笑)。
神谷氏:THANKS。ありがとうございます。こういう「変だな」の小さな要素の集まりがグリモアらしさ。考えても見て下さい。そんなグリモアがHappy Elementsと組んだとき、さぁ、一体どんな奇跡が起きてしまうのか!考えるだけで楽しみでしょう?
――:奇跡ですか。もしかして、『ブレイブソード×ブレイズソウル(以下、ブレ×ブレ)』と『あんさんぶるスターズ!(以下、あんスタ)』のコラボですか。奇跡というか、とんでもないことになりそうな予感がします。
神谷氏:HAHAHA。それはもはや奇跡の域を超えてプレッシャーで息ができない。『ブレ×ブレ』 は女の子ばっかりなので夢ノ咲学院のみんなには女の子になってもらうしか(笑)。少しだけ服が脱げちゃいますけどいいですか?
新井氏:聞かなかったことにしておきます。
神谷氏:KIDDING。冗談はさておき、スタートは人材交流からやりたいと話しています。カカリアスタジオの方々にも実際にグリモアらしさを体感してほしいですし、我々もHappy Elementsらしさを肌感覚で知りたい。
新井氏:どうやっていくかは検討中ですが、おもしろいコラボレーションができると良いと考えています。
神谷氏:LOVE。愛ですね。まずはお互いを知り合って、徐々に歩み寄りつつ同じ方向を向いて歩く。まるで初恋のような…。
新井氏:………。どうやっていくかはまだまだ検討中ですが!おもしろいコラボレーションができると良いと考えています!
神谷氏:TWICE。大事なので2回。大事ですね。まずはお互いを知ることで自らを知ろうと。お互いにどこを尖らせていくべきなのか、グリモアの本質とは何なのか、何を武器とすべきなのか。それらと向き合った上で「グリモアらしい」ゲームを作っていきたい、そう思わざるを得ません。その意味で、両社のコラボは未知数…震えますね。
――:机を揺らすのはやめていただけますか。ところで新井さんはもうグリモアには足を運ばれているとおもいますが、どういった印象をお持ちですか。
新井氏:本当に「ザ・スタートアップ」って感じです(笑)。小さいオフィスで少人数で頑張っているという印象を持ちました。うちもそういう時期がありましたから、懐かしいと思いましたね。Happy Elementsのスタッフもグリモアの空気に触れることで、色々と学べることがあるはずです。
神谷氏:OH!ちなみに、前回いらした時よりはキレイになりましたよ!たしかに、その辺に抱きまくらとか資料用の下着が落ちていたことは否定しませんけど…。
新井氏:そういうところも含めて本当に「ザ・スタートアップ」って感じですね(笑)。ただ下着は普通は落ちていませんね。
神谷氏:WOW。驚きです。普通のスタートアップには落ちていると思っていました。
――:社内も既に「グリモアらしい」のですね。さて、グリモアらしいということで先ほど少し話に出ました新作について、どういった作品になるのでしょうか。お話できる限りで、結構ですが。
神谷氏:SECRET。内緒ですよ?ですが、確実なことを1つ。Happy Elementsの新作をグリモアが開発中です。
公開時期や作品の内容についてはまだ言えません。ですが、新井社長のインタビューに乱入させていただいた以上何も言わないわけにはいきません。そこでヒントを少々、というのはどうでしょう。
新井氏:しょうがないですね。ですが公開して良いのは3つまで。
神谷氏:GENEROUS。太っ腹です。流石は新井社長。3つ、そうですね…、アイン(1つ目)はデバイスがスマホであるということ、ツヴァイ(2つ目)はターゲットが男性だけでなく女性も楽しめる作品であること、ドライ(3つ目)は、歴史や神話上の英霊、戦車・戦艦の擬人化が登場する作品では無いということ。
――:え、英霊?戦車に戦艦?
神谷氏:FULL。お腹いっぱいです。ガチャで英霊を戦士として呼び出して戦ってもらう系の作品が最近多すぎるという印象は拭えません。いい加減、信長やナポレオン、アーサー王には休んでいてもらいましょう。『ブレ×ブレ』という武器擬人化の作品を開発・運営している身で何を言う、という感じかもしれませんが(笑)。しかし、『ブレ×ブレ』はモチーフあれど架空武器ですし、きっちりした英霊ものや擬人化ものをやってしまったら、それはグリモアらしくも、勝手な私のイメージですがHappy Elementsらしくもないのかな、と。
――:なるほど、攻めますね。Happy Elementsの新作、Happy Elementsらしさ、ということは、Happy Elements名義の作品となるのでしょうか。
神谷氏:EXACTLY。その通りでございます。新作は、企画と開発をグリモアが行い、Happy Elements名義でリリースすることになるでしょう。グリモア作品は、カカリアスタジオ作品と色合いが全く違う…ようにみえますよね。いえ、否定しません。その通りかと思いますが、だからこそ「良い」のです。だからこそグリモアがHappy Elements名義でリリースする意味がある。
――:グリモアがタイトルの幅を広げる役割をする、と。新井さんとしては、グリモア加入にはそういった意味合いも考えておられた?
新井氏:もともと当社は、ポートフォリオを組んでタイトルを展開していこう、という考え方は持っていません。開発チームを作ったら、何を作るかはチームのメンバーに自由に決めてもらっています。不思議なもので、結果的に「Happy Elementsっぽさ」と呼べるようなカラーができている状況ですが、こういうものでなくてはならない、という考えはありません。グリモアはグリモアの好きなものを作ってもらいたい、そう考えています。
――:そうだったのですか。てっきりポートフォリオのイメージがあって開発をされているのかと思っていました。各チームの自主性を尊重しているのですね。
新井氏:チームの自主性に任せていて、私がゲームに対して何か口を出すことはまず無いです。ちなみに、アレコレ意見を言うことはあるのですが、大体いわゆるテンプレ回答で対応されてます。「今後の参考にさせていただきます」って!
一同:(笑)
▲Happy Elements の新作を担当するグリモアの第1弾作品「ブレイブソード×ブレイズソウル」。
――:新作はいまどういったフェーズなのでしょうか。
神谷氏:PHASE 1。企画をじっくりコトコト詰めている段階、と言えば伝わるでしょうか。期待に応えられるよう、なるべく早く世に公開したい、と前向きに考えている所存です。とはいえリリースしてからが本当の戦いですし、ならば今はまさに「文化祭の前日」と言えるでしょう。
新井氏:Happy Elementsとしては、良いものができたら出せばいいと思っています。スケジュールはもちろん大事ですが、本音を言えば、良いものができるまで作り込んで欲しい。時期を決めて無理に出しても良い結果にはならないですし、とにかく全力でやっている限りは好きなだけ魂を注いで欲しいですね。
神谷氏:C’MON。震えますね。クリエイター冥利に尽きます。こう言われると何が何でも良いものを、それもカカリアスタジオの皆様が「斜め上にすごいな、これ」と驚愕するようなやつを作ってみたいですね。そして必ずプレイヤーの皆様を驚かせてみせますよ。ここまで来たら骨と皮になるまで頑張ります。今後の新情報にご期待ください!
――:お待ちしております。ところで、もう一つ確認なのですが『ブレ×ブレ』の運営は続けるのでしょうか。
神谷氏:OF COURSE。もちろんです。終わりません。とはいえ、ニュースサイトに買収の話がでたときは『ブレ×ブレ』の魔剣使い様(『ブレ×ブレ』プレイヤーの呼称)たちもザワついていました。「『ブレ×ブレ』が終わるんじゃないか」「Happy Elementsグループに入ったらこんなゲーム運営させてもらえないんじゃないか」と。驚かせて、そして心配させてしまったことは本当に申し訳なかったです。即日、ゲーム内お知らせにて「終わりませんよ」という告知を出しました。グリモアは変わりませんよ、と。『ブレ×ブレ』には既に準備中のものも含め、これからも公開予定のコンテンツがゲーム内外にたくさんあります。
――:冬コミにもついに出展されると聞きました。
神谷氏:AMAZING。先の広告の話のとおり、去年の冬、今年の夏、と出展できなかったコミックマーケットの企業ブースに、今年はついに出展することとなりました。クリスマス前にはニコ生などで『ブレ×ブレ』の最新情報を伝える番組も配信予定です。まだまだ『ブレ×ブレ』の挑戦は終わりませんよ!
――:それは楽しみですね!…とはいえ、6人で開発されているということでしたが、どう考えても新作を開発するのは無理ですよね。開発体制はどうされるのですか?
神谷氏:DEAD OR ALIVE。まさに正念場。少人数開発のこだわりは維持しつつも、ただいま組織を強化中です。企画、開発、デザイン…どの職種であろうとも優秀な人を採用していきたいですね。とはいっても何十人も増やして大企業!みたいなことは目指していませんので、引き続き数人レベルの採用を続けていくつもりです。というより実はグリモアとして初めての採用強化なのですが(笑)。
――:ずっと少人数で開発運営をされてきた。ということは、5~6人を新しく入れて新作のチームを作って、という計画なのでしょうか。
神谷氏:NO。残念ながら、今までそういった人員計画で上手くいった例をそれほど多く知りません。新作専門チームを作るのではなく、全員で既存タイトルと新規開発を並行する。それがグリモアの出した答えです。
――:珍しい体制です。何か強い信念がありそうですが、どういった理由から。
神谷氏:JESUS。それは『ブレ×ブレ』から得た学び、あるいは反省です。想像してください、新作ソーシャルゲームをとりあえずダウンロードするタイプのプレイヤーなら皆様必ず経験があるはずです。「このゲーム、出来は良いのに運営が下手だな」と感じる瞬間を。ご多分にもれず、我々もそうでした。昨今のスマホゲームの開発期間は約1~2年くらい、その間を新規開発だけやっていると、過去にどれだけ運営に従事していたとしても、運営感や温度感のようなゲーム運営の感覚や気持ちをびっくりするほど忘れるんです。おそらく、世界中でおきているリリース直後のゲームの運営事故はこれが原因だと思っています。『ブレ×ブレ』も2ちゃんねるのスレタイに『自爆運営』の冠を頂戴したことがありました。『ブレ×ブレ』の開発期間は約1年。ほんの1年運営から離れただけで、プレイヤーの気持ちに気付けなかったり、気付くのが遅くなるんです。長くソーシャルゲーム業界に身を置いていたにも関わらずこんなミスしてしまうのかと我が事ながらショックを受けました。だからこそ、開発メンバーには常に魔剣使い様たちを見ていて欲しい。サービスを提供する感覚を失わずに、新作を作っていってほしい。そういった思いから、既存と新規の並行開発に挑戦したいと考えています。
――:それも「グリモアらしさ」といえるかもしれませんね。面白い考え方です。
新井氏:そうですね。新作について唯一疑問だったのは、6人という少人数で本当に開発できるのか。何を作ってもいいけど、どうやって作るんだろうと(笑)。さすがに採用するということなので、安心しました。
――:どういう方に来て欲しいとお考えですか?
神谷氏:BLACK HISTORY。そう黒歴史ホルダー、あるいは『中二病』――。例えて言えば、中学校の時、筆箱の中に妖精がいる設定で「…おい、来んなって言っただろ!」と小声で会話したことがある、怪我してないのに右手に包帯を巻いて学校に行った、自分を多重人格だと思いこんで別人格と対話した…そういった経験を持つ者を待っています。
▲右手の封印を解放したシーンを再現する神谷氏。
――:それってもしかして全部…
神谷氏:WHAT’S!?私ではありませんよ。ゲフンゲフン。ちなみに社内には、秘薬調合…という設定で粉々にしたお菓子を怪しく摂取していた黒歴史ホルダーなど様々な中二病を羅患してきた者たちがいます。彼らはいずれも才能があるスタッフばかり。私は彼らを、中二病を大人になっても忘れなかった恵まれた才能の持ち主だと考えています。
というのも、我々グリモアでは中二病を「夢を見る能力」として定義しています。思春期が見せる夢を、大人になって実現する者たち。彼らを増やしていきたい、彼らを手助けしたい。それがグリモアのビジョンです。それは作品を通してのものでもあり、採用を通じてのスタッフへのメッセージでもあります。
『我々が大人になってしまったら誰が世界に夢を見せるのか』というメッセージに共感できる方、常に子どものような部分を持ち続けたいと思う方を大募集しております。
――:なるほど、中二病の魂を持つ者たち。では、もう少し具体的に、ゲーム業界経験など期待する技能や実績などはあるのでしょうか。
神谷氏:NICE。良い質問ですね。実は「こういう人に来て欲しいシリーズ」を考えていまして、例を挙げると、コスプレイヤーなデザイナーさんや、声優なプランナーさんで…
一同:…。
神谷氏:WHY?おやおや「コイツまた不思議なことを言いやがった」という雰囲気ですね。ふふ、この空気嫌いじゃないです。ですが、悪ふざけで言っているわけではありません。大真面目ですから。
――:しかし、コスプレイヤーに声優とは…
神谷氏:DON’T BE AFRAID。引かないで。聞いて下さい。まずはこれ(服をつかむ)服飾です。これは、作品を作っていくにあたって大事な視線だと思っています。つまり、服飾に関する知見、そしてそれを現実に再現する想いのある方ですね。というのも、オリジナル作品のキャラクターを世に出していくにあたって二次創作のことを考えるのはすごく重要だと捉えています。このキャラになりたい、このキャラに会いたい、そう思ってもらえるようでなくてはいけない。そして、そう思う大事な要素の1つが、服装をリアルに想像できるか、描きやすいかどうか。ゲーム・アニメなど出自を問わず、世の人気キャラクターには「謎の服」な構造のものがあまり存在しないように見受けられます。つまり再現しやすい。
――:なるほど。そういった意味でコスプレイヤー。確かにデザイナー職との相性はよさそうですね。
神谷氏:COOL。おわかりいただけましたか。もちろんデザイナーである必要はなくて、あくまで一例です。プランナーでもエンジニアでも。
これは私の私見ですが、例えば『あんスタ』は、キャラクターの服が描きやすく、着やすそうに感じます。同人誌やコスプレの入り口として敷居も低く、ファンが楽しみやすい。一方、ゲームとして人気はあるもののオリジナルIPとして一線を超えにくい作品は、服の構造が謎だったり複雑だったりして描きにくいし作りにくい、再現が難しいものが少なくありません。そういった意味でコスプレイヤーさんの視点がほしい。
新井氏:思いがけないところで『あんスタ』の話が出てきました。ですが神谷くんの指摘は間違っていなくて、『あんスタ』ではキャラの衣装にムチャクチャこだわっています。衣装決めの会議が白熱しすぎて…なんてこともあります。
神谷氏:WOW。カカリアスタジオにはポーズを確認するための鏡張りの部屋が用意されているほどですから、きっとこだわっているだろうと思っていました。
――:なるほど、そうだったのですね。シリーズということなんですが、声優のプランナーというのは?
神谷氏:YES。そのままの意味、演技と声の専門家、つまり声優さん、もしくは声優の卵さんをグリモア内部に迎えさせていただきたいということです。ゲームにおけるセリフや声の演技は非常に重要な要素です。専門家としての意見や知見をやはり大きいですし、逆にゲームづくりの現場にいることで声優さんが得られるものも大きいのではないか、と考えています。何より声のニーズの大きさを実感してもらいたいですし、グリモア作品の開発もしつつそのまま出演いただくような組み方ができたら素敵じゃないかな、と。
これも私見ですが、現状のアニメ放送枠には限界があり、ゲームは声優さんが活躍できる重要なフィールドになってきていると感じています。であれば、もっと密な取り組みができても面白いな、と。まずは事務所さんとお話しないといけないですが(笑)
――:これもまた「グリモアらしさ」満載の考え方ですね。中二病にコスプレイヤー、声優、一見バラバラにも見えますが、共通するところはあるのでしょうか?
神谷氏:SOUL。これが一番重要です。今までお話した中二病やコスプレイヤー、声優というところはプラスアルファな要素ですが、そこには共通した思いがあると考えています。それは作品や空想、夢を愛する心、その魂を持っていることです。何より大事なポテンシャルである魂を持っている方をお迎えし、一緒にゲーム開発をしていきたいという思いが強くあります。
新井氏:やはり内製でやる強みは大きいと思います。カカリアスタジオでは、ゲームで使うイラストはほぼ内製なのですが、目標の浸透や目線の合わせやすさなど、クオリティの追求がやりやすいのはクリエイターが社内にいるからこそできる大きなメリットだと感じています。
――:思いを同じくした人を内部に持つという考え方は、グループに共通した「らしさ」のように感じました。では、内製する体制を作るにあたり具体的にどのような職種を募集しているのでしょうか?
神谷氏:GOOD。よくぞ聞いてくれました。このままだと何職を募集しているか謎のままですよね(笑)。募集している職種はイラストレイター、デザイナー、プランナー、サーバサイドエンジニア、クライアントエンジニア、アニメーター、ディレクター…全部の職種で採用強化中です!大々的に中二病を募集しちゃう会社なのがグリモアで、そういう文化に興味を持てる人、その中で成長したい人、そういう思いを持ってくれる方を大募集です!
具体的な話でいえば、ゲーム業界未経験でも大歓迎です。むしろ文化に合うかどうかのほうが大事ですね。グリモアのような雰囲気を気持ち良いと感じてくれる方。そういう方はきっと何でもできますし成長できます。むしろ、ゲームが大好き!やり込んでいるスマホゲームがある!という方は素晴らしい。そうじゃないとこの業界は楽しくないと思いますし(笑)
――:YES。確かにそれは大事ですね。それでは最後に、お二人からメッセージをいただければ。
神谷氏:SO COOL。ついにYESがうつりましたね。感動的です。さて、そんな変なことばっかりやっているグリモアがHappy Elements作品を手掛けるなんて!これはなんか面白そうだ!と思った方、期待していてください。そして、少しでもグリモアに興味をもって下さった方、まだまだベンチャーな我々ですが【ワンフォーオール】な社風で一所懸命開発しています!どうです?一緒に「大真面目に悪ふざけ」しませんか?連絡お待ちしております。
新井氏:YES…コホン。そうですね…。Happy Elementsとグリモアのコラボにご期待ください。
――:ありがとうございました。
――:突然の登場にも驚きましたが、今回のグリモアさんのHappy Elementsグループ入りにも驚きました。
神谷氏:SORRY。驚かせてしまいましたね。逆に言えば、面白い展開だと思ってもらえているという証。光栄の極みです。確かに、普通に考えればHappy Elementsとグリモアは生まれも考え方も全く違う会社同士に見えるでしょう。ですが、それは違う。
新井氏:そ、ソーリー?…グリモアはHappy Elementsと似ている所が多いと感じています。
神谷氏:YES。ウーノ(1つ目)に「少人数開発」、ドス(2つ目)に「2Dへのこだわり」、トレス(3つ目)には「オリジナル作品の重視」…ふぅ、数え切れません。
新井氏:本当にYESって言うんですね…。ともかく、昨今のスマホゲーム市場では大型IPを使ったゲームが増えていく中、オリジナルIPで挑戦する会社が減ってきています。その意味で、グリモアの目指していることには共感していますし、応援したいという思いを常々持っていました。
▲突然乱入したことを謝罪するグリモア神谷氏と、Happy Elements 新井氏の腕。
――:両社のタイトルを見ると一緒になるのは意外な感じがありましたが、根底にある考え方は似ているんですね。先日の発表ですと、グリモアがグループにおけるスタジオになるというお話でしたが…。
新井氏:グループ内のスタジオという位置づけと発表していますが、私としては、これまでと同じようにやってほしいと思っています。
神谷氏:BANG。そう、いわば独立部隊。本隊とは別行動をしながらも、目的を同じくするプラトゥーン。先程Happy Elementsとグリモアは似ている、という話をしましたが、見方を変えれば、違う所もあるという事。その違う所こそが”グリモアらしさ”、あるいはHappy Elementsに出来ないことなのかなと。だからこそ、ほどよく協力しながらも、お互いに干渉しすぎない自由なものづくりを目指そう、というメッセージをもらっています。
――:グリモアらしさ、ですか。
神谷氏:LISTEN。よく聞いて下さい。「大真面目に悪ふざけ」。大事なので二度言います。「大真面目に悪ふざけ」、これはグリモアの標語であり社是となってる、まさに魂。あるいは軸・芯と言っても良いでしょう。
――:以前のインタビューにも「変な運営を目指す」とありましたね。
神谷氏:PERFECT。すばらしい。相当なグリモイスト(グリモアファンの意)ですね。以前のインタビューの通り、我々は時に自爆するほど変な運営です。普通の会社ではやらない悪ふざけを大真面目にやっていく。それは、世界中のグリモイストたちの期待を良い方向に裏切っていこう!という考え方に他なりません。期待されればされるほど違う方法で達成したくなる。「グリモアって変だな(褒め言葉)」と言われるような事をとにかく突き詰めていくことが「グリモアらしさ」なのです。
新井氏:コミケに不思議な広告を出したりしていましたね。あれもまた、グリモアらしさなのかな、と。
神谷氏:OOPS。それを先に言われるとは。新井社長もかなりのグリモイストのご様子。グリモアでは、普通に考えれば効果がなさそう・出ないだろうな、というクリエイティブで広告を出すことがあります。ちょうど1年前の冬に「企業ブースに落選したのでエアコミケやってる」という内容の広告をコミックマーケット企業ブースエリアに出しました。普通、作品を知ってもらおうとか、どのくらいユーザーさんを増やしたいとかを考えますよね?でもグリモアのメッセージは「コミケ出たい」ってことなんです。もっと言えば「次のコミケでは企業ブース出す予定だから待っててね」と。こんなこと広告費を払ってまで伝えるべきことか、と思ってしまうような事に価値があると考えている。こういうことを積み重ねていくと「この人たち、ちょっと変だな。作るゲームは他と違うのかな」と思ってもらえるようになっていくだろう、と。
新井氏:本当に変わってます(笑)。
神谷氏:THANKS。ありがとうございます。こういう「変だな」の小さな要素の集まりがグリモアらしさ。考えても見て下さい。そんなグリモアがHappy Elementsと組んだとき、さぁ、一体どんな奇跡が起きてしまうのか!考えるだけで楽しみでしょう?
▲コミックマーケット89での「ブレ×ブレ」の広告。
――:奇跡ですか。もしかして、『ブレイブソード×ブレイズソウル(以下、ブレ×ブレ)』と『あんさんぶるスターズ!(以下、あんスタ)』のコラボですか。奇跡というか、とんでもないことになりそうな予感がします。
神谷氏:HAHAHA。それはもはや奇跡の域を超えてプレッシャーで息ができない。『ブレ×ブレ』 は女の子ばっかりなので夢ノ咲学院のみんなには女の子になってもらうしか(笑)。少しだけ服が脱げちゃいますけどいいですか?
新井氏:聞かなかったことにしておきます。
神谷氏:KIDDING。冗談はさておき、スタートは人材交流からやりたいと話しています。カカリアスタジオの方々にも実際にグリモアらしさを体感してほしいですし、我々もHappy Elementsらしさを肌感覚で知りたい。
新井氏:どうやっていくかは検討中ですが、おもしろいコラボレーションができると良いと考えています。
神谷氏:LOVE。愛ですね。まずはお互いを知り合って、徐々に歩み寄りつつ同じ方向を向いて歩く。まるで初恋のような…。
新井氏:………。どうやっていくかはまだまだ検討中ですが!おもしろいコラボレーションができると良いと考えています!
神谷氏:TWICE。大事なので2回。大事ですね。まずはお互いを知ることで自らを知ろうと。お互いにどこを尖らせていくべきなのか、グリモアの本質とは何なのか、何を武器とすべきなのか。それらと向き合った上で「グリモアらしい」ゲームを作っていきたい、そう思わざるを得ません。その意味で、両社のコラボは未知数…震えますね。
――:机を揺らすのはやめていただけますか。ところで新井さんはもうグリモアには足を運ばれているとおもいますが、どういった印象をお持ちですか。
新井氏:本当に「ザ・スタートアップ」って感じです(笑)。小さいオフィスで少人数で頑張っているという印象を持ちました。うちもそういう時期がありましたから、懐かしいと思いましたね。Happy Elementsのスタッフもグリモアの空気に触れることで、色々と学べることがあるはずです。
神谷氏:OH!ちなみに、前回いらした時よりはキレイになりましたよ!たしかに、その辺に抱きまくらとか資料用の下着が落ちていたことは否定しませんけど…。
新井氏:そういうところも含めて本当に「ザ・スタートアップ」って感じですね(笑)。ただ下着は普通は落ちていませんね。
神谷氏:WOW。驚きです。普通のスタートアップには落ちていると思っていました。
▲グリモア社内の様子。抱きまくらやバランスボールなど「ザ・スタートアップ」な雰囲気。
――:社内も既に「グリモアらしい」のですね。さて、グリモアらしいということで先ほど少し話に出ました新作について、どういった作品になるのでしょうか。お話できる限りで、結構ですが。
神谷氏:SECRET。内緒ですよ?ですが、確実なことを1つ。Happy Elementsの新作をグリモアが開発中です。
公開時期や作品の内容についてはまだ言えません。ですが、新井社長のインタビューに乱入させていただいた以上何も言わないわけにはいきません。そこでヒントを少々、というのはどうでしょう。
新井氏:しょうがないですね。ですが公開して良いのは3つまで。
神谷氏:GENEROUS。太っ腹です。流石は新井社長。3つ、そうですね…、アイン(1つ目)はデバイスがスマホであるということ、ツヴァイ(2つ目)はターゲットが男性だけでなく女性も楽しめる作品であること、ドライ(3つ目)は、歴史や神話上の英霊、戦車・戦艦の擬人化が登場する作品では無いということ。
――:え、英霊?戦車に戦艦?
神谷氏:FULL。お腹いっぱいです。ガチャで英霊を戦士として呼び出して戦ってもらう系の作品が最近多すぎるという印象は拭えません。いい加減、信長やナポレオン、アーサー王には休んでいてもらいましょう。『ブレ×ブレ』という武器擬人化の作品を開発・運営している身で何を言う、という感じかもしれませんが(笑)。しかし、『ブレ×ブレ』はモチーフあれど架空武器ですし、きっちりした英霊ものや擬人化ものをやってしまったら、それはグリモアらしくも、勝手な私のイメージですがHappy Elementsらしくもないのかな、と。
――:なるほど、攻めますね。Happy Elementsの新作、Happy Elementsらしさ、ということは、Happy Elements名義の作品となるのでしょうか。
神谷氏:EXACTLY。その通りでございます。新作は、企画と開発をグリモアが行い、Happy Elements名義でリリースすることになるでしょう。グリモア作品は、カカリアスタジオ作品と色合いが全く違う…ようにみえますよね。いえ、否定しません。その通りかと思いますが、だからこそ「良い」のです。だからこそグリモアがHappy Elements名義でリリースする意味がある。
――:グリモアがタイトルの幅を広げる役割をする、と。新井さんとしては、グリモア加入にはそういった意味合いも考えておられた?
新井氏:もともと当社は、ポートフォリオを組んでタイトルを展開していこう、という考え方は持っていません。開発チームを作ったら、何を作るかはチームのメンバーに自由に決めてもらっています。不思議なもので、結果的に「Happy Elementsっぽさ」と呼べるようなカラーができている状況ですが、こういうものでなくてはならない、という考えはありません。グリモアはグリモアの好きなものを作ってもらいたい、そう考えています。
――:そうだったのですか。てっきりポートフォリオのイメージがあって開発をされているのかと思っていました。各チームの自主性を尊重しているのですね。
新井氏:チームの自主性に任せていて、私がゲームに対して何か口を出すことはまず無いです。ちなみに、アレコレ意見を言うことはあるのですが、大体いわゆるテンプレ回答で対応されてます。「今後の参考にさせていただきます」って!
一同:(笑)
▲Happy Elements の新作を担当するグリモアの第1弾作品「ブレイブソード×ブレイズソウル」。
――:新作はいまどういったフェーズなのでしょうか。
神谷氏:PHASE 1。企画をじっくりコトコト詰めている段階、と言えば伝わるでしょうか。期待に応えられるよう、なるべく早く世に公開したい、と前向きに考えている所存です。とはいえリリースしてからが本当の戦いですし、ならば今はまさに「文化祭の前日」と言えるでしょう。
新井氏:Happy Elementsとしては、良いものができたら出せばいいと思っています。スケジュールはもちろん大事ですが、本音を言えば、良いものができるまで作り込んで欲しい。時期を決めて無理に出しても良い結果にはならないですし、とにかく全力でやっている限りは好きなだけ魂を注いで欲しいですね。
神谷氏:C’MON。震えますね。クリエイター冥利に尽きます。こう言われると何が何でも良いものを、それもカカリアスタジオの皆様が「斜め上にすごいな、これ」と驚愕するようなやつを作ってみたいですね。そして必ずプレイヤーの皆様を驚かせてみせますよ。ここまで来たら骨と皮になるまで頑張ります。今後の新情報にご期待ください!
――:お待ちしております。ところで、もう一つ確認なのですが『ブレ×ブレ』の運営は続けるのでしょうか。
神谷氏:OF COURSE。もちろんです。終わりません。とはいえ、ニュースサイトに買収の話がでたときは『ブレ×ブレ』の魔剣使い様(『ブレ×ブレ』プレイヤーの呼称)たちもザワついていました。「『ブレ×ブレ』が終わるんじゃないか」「Happy Elementsグループに入ったらこんなゲーム運営させてもらえないんじゃないか」と。驚かせて、そして心配させてしまったことは本当に申し訳なかったです。即日、ゲーム内お知らせにて「終わりませんよ」という告知を出しました。グリモアは変わりませんよ、と。『ブレ×ブレ』には既に準備中のものも含め、これからも公開予定のコンテンツがゲーム内外にたくさんあります。
――:冬コミにもついに出展されると聞きました。
神谷氏:AMAZING。先の広告の話のとおり、去年の冬、今年の夏、と出展できなかったコミックマーケットの企業ブースに、今年はついに出展することとなりました。クリスマス前にはニコ生などで『ブレ×ブレ』の最新情報を伝える番組も配信予定です。まだまだ『ブレ×ブレ』の挑戦は終わりませんよ!
――:それは楽しみですね!…とはいえ、6人で開発されているということでしたが、どう考えても新作を開発するのは無理ですよね。開発体制はどうされるのですか?
神谷氏:DEAD OR ALIVE。まさに正念場。少人数開発のこだわりは維持しつつも、ただいま組織を強化中です。企画、開発、デザイン…どの職種であろうとも優秀な人を採用していきたいですね。とはいっても何十人も増やして大企業!みたいなことは目指していませんので、引き続き数人レベルの採用を続けていくつもりです。というより実はグリモアとして初めての採用強化なのですが(笑)。
――:ずっと少人数で開発運営をされてきた。ということは、5~6人を新しく入れて新作のチームを作って、という計画なのでしょうか。
神谷氏:NO。残念ながら、今までそういった人員計画で上手くいった例をそれほど多く知りません。新作専門チームを作るのではなく、全員で既存タイトルと新規開発を並行する。それがグリモアの出した答えです。
――:珍しい体制です。何か強い信念がありそうですが、どういった理由から。
神谷氏:JESUS。それは『ブレ×ブレ』から得た学び、あるいは反省です。想像してください、新作ソーシャルゲームをとりあえずダウンロードするタイプのプレイヤーなら皆様必ず経験があるはずです。「このゲーム、出来は良いのに運営が下手だな」と感じる瞬間を。ご多分にもれず、我々もそうでした。昨今のスマホゲームの開発期間は約1~2年くらい、その間を新規開発だけやっていると、過去にどれだけ運営に従事していたとしても、運営感や温度感のようなゲーム運営の感覚や気持ちをびっくりするほど忘れるんです。おそらく、世界中でおきているリリース直後のゲームの運営事故はこれが原因だと思っています。『ブレ×ブレ』も2ちゃんねるのスレタイに『自爆運営』の冠を頂戴したことがありました。『ブレ×ブレ』の開発期間は約1年。ほんの1年運営から離れただけで、プレイヤーの気持ちに気付けなかったり、気付くのが遅くなるんです。長くソーシャルゲーム業界に身を置いていたにも関わらずこんなミスしてしまうのかと我が事ながらショックを受けました。だからこそ、開発メンバーには常に魔剣使い様たちを見ていて欲しい。サービスを提供する感覚を失わずに、新作を作っていってほしい。そういった思いから、既存と新規の並行開発に挑戦したいと考えています。
――:それも「グリモアらしさ」といえるかもしれませんね。面白い考え方です。
新井氏:そうですね。新作について唯一疑問だったのは、6人という少人数で本当に開発できるのか。何を作ってもいいけど、どうやって作るんだろうと(笑)。さすがに採用するということなので、安心しました。
――:どういう方に来て欲しいとお考えですか?
神谷氏:BLACK HISTORY。そう黒歴史ホルダー、あるいは『中二病』――。例えて言えば、中学校の時、筆箱の中に妖精がいる設定で「…おい、来んなって言っただろ!」と小声で会話したことがある、怪我してないのに右手に包帯を巻いて学校に行った、自分を多重人格だと思いこんで別人格と対話した…そういった経験を持つ者を待っています。
▲右手の封印を解放したシーンを再現する神谷氏。
――:それってもしかして全部…
神谷氏:WHAT’S!?私ではありませんよ。ゲフンゲフン。ちなみに社内には、秘薬調合…という設定で粉々にしたお菓子を怪しく摂取していた黒歴史ホルダーなど様々な中二病を羅患してきた者たちがいます。彼らはいずれも才能があるスタッフばかり。私は彼らを、中二病を大人になっても忘れなかった恵まれた才能の持ち主だと考えています。
というのも、我々グリモアでは中二病を「夢を見る能力」として定義しています。思春期が見せる夢を、大人になって実現する者たち。彼らを増やしていきたい、彼らを手助けしたい。それがグリモアのビジョンです。それは作品を通してのものでもあり、採用を通じてのスタッフへのメッセージでもあります。
『我々が大人になってしまったら誰が世界に夢を見せるのか』というメッセージに共感できる方、常に子どものような部分を持ち続けたいと思う方を大募集しております。
――:なるほど、中二病の魂を持つ者たち。では、もう少し具体的に、ゲーム業界経験など期待する技能や実績などはあるのでしょうか。
神谷氏:NICE。良い質問ですね。実は「こういう人に来て欲しいシリーズ」を考えていまして、例を挙げると、コスプレイヤーなデザイナーさんや、声優なプランナーさんで…
一同:…。
神谷氏:WHY?おやおや「コイツまた不思議なことを言いやがった」という雰囲気ですね。ふふ、この空気嫌いじゃないです。ですが、悪ふざけで言っているわけではありません。大真面目ですから。
――:しかし、コスプレイヤーに声優とは…
神谷氏:DON’T BE AFRAID。引かないで。聞いて下さい。まずはこれ(服をつかむ)服飾です。これは、作品を作っていくにあたって大事な視線だと思っています。つまり、服飾に関する知見、そしてそれを現実に再現する想いのある方ですね。というのも、オリジナル作品のキャラクターを世に出していくにあたって二次創作のことを考えるのはすごく重要だと捉えています。このキャラになりたい、このキャラに会いたい、そう思ってもらえるようでなくてはいけない。そして、そう思う大事な要素の1つが、服装をリアルに想像できるか、描きやすいかどうか。ゲーム・アニメなど出自を問わず、世の人気キャラクターには「謎の服」な構造のものがあまり存在しないように見受けられます。つまり再現しやすい。
――:なるほど。そういった意味でコスプレイヤー。確かにデザイナー職との相性はよさそうですね。
神谷氏:COOL。おわかりいただけましたか。もちろんデザイナーである必要はなくて、あくまで一例です。プランナーでもエンジニアでも。
これは私の私見ですが、例えば『あんスタ』は、キャラクターの服が描きやすく、着やすそうに感じます。同人誌やコスプレの入り口として敷居も低く、ファンが楽しみやすい。一方、ゲームとして人気はあるもののオリジナルIPとして一線を超えにくい作品は、服の構造が謎だったり複雑だったりして描きにくいし作りにくい、再現が難しいものが少なくありません。そういった意味でコスプレイヤーさんの視点がほしい。
新井氏:思いがけないところで『あんスタ』の話が出てきました。ですが神谷くんの指摘は間違っていなくて、『あんスタ』ではキャラの衣装にムチャクチャこだわっています。衣装決めの会議が白熱しすぎて…なんてこともあります。
神谷氏:WOW。カカリアスタジオにはポーズを確認するための鏡張りの部屋が用意されているほどですから、きっとこだわっているだろうと思っていました。
――:なるほど、そうだったのですね。シリーズということなんですが、声優のプランナーというのは?
神谷氏:YES。そのままの意味、演技と声の専門家、つまり声優さん、もしくは声優の卵さんをグリモア内部に迎えさせていただきたいということです。ゲームにおけるセリフや声の演技は非常に重要な要素です。専門家としての意見や知見をやはり大きいですし、逆にゲームづくりの現場にいることで声優さんが得られるものも大きいのではないか、と考えています。何より声のニーズの大きさを実感してもらいたいですし、グリモア作品の開発もしつつそのまま出演いただくような組み方ができたら素敵じゃないかな、と。
これも私見ですが、現状のアニメ放送枠には限界があり、ゲームは声優さんが活躍できる重要なフィールドになってきていると感じています。であれば、もっと密な取り組みができても面白いな、と。まずは事務所さんとお話しないといけないですが(笑)
――:これもまた「グリモアらしさ」満載の考え方ですね。中二病にコスプレイヤー、声優、一見バラバラにも見えますが、共通するところはあるのでしょうか?
神谷氏:SOUL。これが一番重要です。今までお話した中二病やコスプレイヤー、声優というところはプラスアルファな要素ですが、そこには共通した思いがあると考えています。それは作品や空想、夢を愛する心、その魂を持っていることです。何より大事なポテンシャルである魂を持っている方をお迎えし、一緒にゲーム開発をしていきたいという思いが強くあります。
新井氏:やはり内製でやる強みは大きいと思います。カカリアスタジオでは、ゲームで使うイラストはほぼ内製なのですが、目標の浸透や目線の合わせやすさなど、クオリティの追求がやりやすいのはクリエイターが社内にいるからこそできる大きなメリットだと感じています。
――:思いを同じくした人を内部に持つという考え方は、グループに共通した「らしさ」のように感じました。では、内製する体制を作るにあたり具体的にどのような職種を募集しているのでしょうか?
神谷氏:GOOD。よくぞ聞いてくれました。このままだと何職を募集しているか謎のままですよね(笑)。募集している職種はイラストレイター、デザイナー、プランナー、サーバサイドエンジニア、クライアントエンジニア、アニメーター、ディレクター…全部の職種で採用強化中です!大々的に中二病を募集しちゃう会社なのがグリモアで、そういう文化に興味を持てる人、その中で成長したい人、そういう思いを持ってくれる方を大募集です!
具体的な話でいえば、ゲーム業界未経験でも大歓迎です。むしろ文化に合うかどうかのほうが大事ですね。グリモアのような雰囲気を気持ち良いと感じてくれる方。そういう方はきっと何でもできますし成長できます。むしろ、ゲームが大好き!やり込んでいるスマホゲームがある!という方は素晴らしい。そうじゃないとこの業界は楽しくないと思いますし(笑)
――:YES。確かにそれは大事ですね。それでは最後に、お二人からメッセージをいただければ。
神谷氏:SO COOL。ついにYESがうつりましたね。感動的です。さて、そんな変なことばっかりやっているグリモアがHappy Elements作品を手掛けるなんて!これはなんか面白そうだ!と思った方、期待していてください。そして、少しでもグリモアに興味をもって下さった方、まだまだベンチャーな我々ですが【ワンフォーオール】な社風で一所懸命開発しています!どうです?一緒に「大真面目に悪ふざけ」しませんか?連絡お待ちしております。
新井氏:YES…コホン。そうですね…。Happy Elementsとグリモアのコラボにご期待ください。
――:ありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社グリモア
- 設立
- 2014年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 神谷 友輔