『モンスターストライク』デザイナーチームインタビュー 年始イベントや新キャラクター「パンドラ」の制作でも活躍した『セーブポイント』の実力に迫る
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活用しているゲームのメーカー、ジャンルも多岐にわたるが、ミクシィ XFLAG スタジオが配信するビッグタイトル『モンスターストライク』もそのひとつだ。同作品が『セーブポイント』を本格導入してから1年以上が経過しているが、その中で開発環境はどのように変わっていったのか、同スタジオのデザイナーとして活躍するXFLAG ARTS アート第1グループの只隈広明氏、手島桃氏、XFLAG ARTS 制作サポートグループの和田尚乃氏にインタビューを行い、気になる質問をぶつけてきた。
■『セーブポイント』導入の決め手はシンプルさ
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XFLAG スタジオ
XFLAG ARTS アート第1グループ
マネージャー
只隈広明氏(写真右)
XFLAG ARTS アート第1グループ
モンスト第1チーム リーダー
手島桃氏(写真中央)
XFLAG ARTS 制作サポートグループ
リーダー
和田尚乃氏(写真左)
―――:本日はよろしくお願いします。まずは皆さんが現在携わっている業務について教えてもらえますか。
只隈氏:よろしくお願いします。私はXFLAG ARTS アート第1グループのマネージャーを務めています。XFLAG ARTS アート第1グループは『モンスターストライク』を始めとするゲームのイラスト等のクリエイティブを制作しているチームです。
手島氏:私はXFLAG ARTS アート第1グループに所属するモンスト第1チームで、リーダーを担当しています。『モンスターストライク』のイラスト全体を取りまとめており、制作に携わっているスタッフをさらに俯瞰して見ている立場とイメージしてもらえればと思います。
和田氏:私はXFLAG ARTS 制作サポートグループのリーダーです。『モンスターストライク』のキャラクター設定を行いつつ、『セーブポイント』の案件登録や発注業務、請求書や契約書をまとめる業務も行っています。
―――:皆さんが『モンスターストライク』のデザインに関わる業務に携わっているのですね。では、『セーブポイント』も自然に使っていると。
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―――:本格導入することになった決め手はなんでしたか?
只隈氏:一言で言うとシンプルで使いやすかった点です。『セーブポイント』を導入する前にもいろいろと検証しましたが、やはりこれがもっとも分かりやすく便利であったことが決め手になりました。制作の現場が直接使うツールということもあり、複雑な機能の多さよりも直感的に使えるシンプルさのほうが重要でした。デザイナーとして業務に専念できる「働きやすい」環境を築きたいという気持ちもあり、学習コストなどの敷居が低くて便利なツールは何かないものかと検討していました。こうしたわがままとも言える条件をすべてクリアしてくれたのが『セーブポイント』でした。
―――:機能が多いから良いというわけではないと。
只隈氏:おっしゃるとおりです。機能が多ければその分ボタンやメニューなども増え、操作も複雑になりがちです。そうなると、使用頻度が低くなってしまう状況だと操作方法を忘れてしまうこともあります。改めて覚え直すのは効率も悪いため、使いやすさ、分かりやすさはもっとも重視したポイントでした。
―――:具体的に、使い勝手が良いと感じる部分はどこですか?
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和田氏:イラスト以外にも月末の請求書等の書類をとりまとめる時にも役立ちます。というのも、『セーブポイント』であれば、いつ、誰が、なにをやったかがひと目で分かるため、1ヶ月分の業務をまとめるのがとても楽なんです。もちろん自分自身のタスクの管理という意味でも、どの業務がどこまで進んでいるのか、止まっている作業はどれなのかが分かりやすく助かっています。
―――:本格的に導入してみて、スタッフの皆さんの反響はいかがでしたか?
只隈氏:特に重宝されているのはラベル管理の機能です。担当者ラベルを制作物に貼っておけば、自分が今やるべき作業や次に何を行えば良いのかの優先順位がつけやすくなります。加えて自身が抱えている業務の全体数までも確認することができます。全体数が分かれば、まだ対応は可能か、もしくはこれ以上は物理的に厳しいのかも個人で判断できるようになり、結果的には円滑なイラスト制作につながっていきます。
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▲ラベル機能
手島氏:スタッフに業務フローを学んでもらうのにも『セーブポイント』は役立っています。ツール内でやりとりの確認が過去に遡ってできるため、それがそのまま実例として伝えられます。ノウハウの蓄積が自然と行われていると言っていいと思います。
―――:新しく入ったスタッフも、スムーズに業務を覚えられるのですね。
只隈氏:そうですね。この機能によって新しく入社された方は業務の流れや方法を素早く把握することができ、例えばイラスト制作においてチーム異動が発生した場合でも使用ツールは変わらないため、新たなツールを学習する必要がなく、作業が滞ることもありません。もしもスタッフの誰かが休暇などで対応が難しくなった場合も、サポートをすることが可能です。関係する皆さんが働きやすい環境をつくることもXFLAG スタジオでは大切にしており、これらの作業に集中出来る環境がユーザーの皆さんに“面白い”と思ってもらえるものを提供する原動力になっています。
―――:先程はシンプルさが魅力というお話をされていましたが、機能面もかなり充実していると思います。気に入っている機能があれば教えてください。
只隈氏:「見たよ」ボタンはいいですね。返事をする時間がなく、だけど確認が終わったことは伝えたいときにこのボタンを押せば、それだけで確認済みであることを相手に伝えることができます。とてもシンプルな機能ですが奥深く、制作現場の様々な悩みを理解した上で開発されたのだろうと思う機能だと思います。
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▲「見たよ」機能
確認の返事などの細かい業務もシンプルに行うことができる。
―――:今までだとメールでのやりとりだったと思いますが、その手間が省けるのは嬉しいですね。
只隈氏:本当に助かっています。例えばメールでやり取りするとなると定型文を書く時間もとても惜しいと感じることがあります。『セーブポイント』だと定型文をワンタッチで出して、送信する機能もあるため大変便利です。
和田氏:プロジェクトの人数が多くなれば、分かりにくさから進行が遅れるケースもでてきます。そんなときでも『セーブポイント』ならパッと見ただけで確認が取れるのは楽ですね。
只隈氏:現在の進行具合なども『セーブポイント』上で確認できるため、他部署と情報共有がスムーズになりました。そのおかげで、締め切りに間に合わせるためのタイトなスケジュール調整や、リクエストに応えたくても応えられないといったこともなくなり、マネジメントの側面も含め、働きやすさは大きく向上しました。
―――:『セーブポイント』を活用することによる働きやすさも感じているのですね。
手島氏:そうですね。たとえば外部制作パートナーと担当スタッフの『セーブポイント』を通してのやり取りは、基本は個々にお任せしています。ですが、どうしてもやり取りの中で躓いてしまったり、方向性について悩んだりしてしまう事も有ります。そういったときに私や他のスタッフなどが問題に至るまでの経緯を『セーブポイント』でサッと追う事が出来、フォローもしやすくなります。
また、フォローしやすい分、ある程度の進め方や方向性の舵取りはそれぞれにお任せする、というスタンスがとれるため、担当スタッフの裁量も増え、やりがいや働きやすさに繋がると考えています。
■イラスト管理ツールの枠を超えた存在に
―――:制作だけでなく、運用の面で役立つ機能もあるのですか?
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只隈氏:イラスト制作の効率化はもちろん、デザイン以外の業務に割かれる時間が効率化されたことによって、クリエイティブにますます集中できるようになったことも、デザイナーが気持ちよく働くうえでは大きなポイントです。
―――:導入後も、MUGENUPさんからのサポートなどはあったのでしょうか。
手島氏:機能の追加や修正してほしい点を積極的に聞いてくださったことがあり、まとめて伝えたことがありました。
只隈氏:開発中の段階では、ほしい機能はもちろん、デザイナーが考えなくて済むインターフェイスなどいろいろなお願いをしました。リリース後も要望を出すと、いつの間にかアップデートで改善されていることが多く驚かされます。
―――:実際にあとから追加されて、便利だった機能はありますか?
只隈氏:担当者別タスク可視化機能(以下、ヒートマップ)は実際に要望していた機能でした。MUGENUPさんとも密にお話してきた機能です。弊社はスタッフも多く、スケジュールを可視化したい思いがありました。ヒートマップはそれを実現してくれました。
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▲ヒートマップ機能
モザイクが掛かっている部分が各制作担当者。スケジュール上でタスクを多く持っている担当者の色が
濃くなるようなっており、担当タスクを一瞥で確認できる仕様になっている。
またサムネビューも、実は「これは使わないだろう」と思っていたのですが、試しに一度使ってみたらとても便利で、今では一番使っている機能になっています。サムネビューはチーム内の振り返りでも使えますし、ミスをしそうな場合の軌道修正も行いやすくなりました。今ではミーティングにも使うくらいで、イラスト管理ツールの枠を超えた存在になっています。
手島氏:画像の比較ができるのもありがたいですね。部署によっては毎朝新着のイラストを確認して、修正をお願いするところもあります。そんなときに一件ずつ見ていくのではなく、比較しながらまとめてチェックできます。
只隈氏:画像比較は『モンスターストライク』よりも、例えば新規開発中のタイトルで使う機会が多いです。『モンスターストライク』はイラストの方向性もはっきりしているため、大きな修正が入る機会は少ないのですが、新規タイトルにおいては模索しながら先に進めることも多く、画像比較はとても役立っています。タイトルによって使用する機能が変わってくるのは、『セーブポイント』の面白い点だと思います。
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▲サムネビュー
最新の画像をサムネイル形式で表示することでデータの最新状態を俯瞰できる。
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▲画像比較機能
画像を並べたり重ねたりすることで、修正前後の微細な違いを画面上で確認できる。
左が修正後、右が修正前。エフェクトや衣装におけるディティールへのこだわりが伺える。
―――:『モンスターストライク』以外のタイトルでも利用しているのですね。
只隈氏:そうですね。現状は2Dイラストの管理に特化したツールであり、イラストを使用するタイトルであれば積極的に活用しています。一旦スタッフを登録すれば、確認ができます。つまり、やり取りをしている担当者以外でも簡単に進行が把握することが出来るのです。特に開発途中のゲームの場合はスケジュールにもバラつきが出ることがあるので、全体を俯瞰して見る事のできる『セーブポイント』は重宝しています。
―――:アップデートでは、見やすさ、分かりやすさも洗練されていったのでしょうか?
只隈氏:弊社の案件だと膨大なイラスト数になることもあり、導入当時はひと目で確認することができませんでした。このような意見も汲み取っていただき、本当に必要な案件だけを先読みするなどの機能が追加されていきました。我々の意見に対して積極的に耳を傾けていただき、確実に良い環境になっていると思います。
―――:中には、要望を出していなくても追加される機能もあるのですか?
只隈氏:ええ。その辺りは我々だけでなく、さまざまなお客様からの意見を吸収しているのだと思います。どの機能も、クリエイターが思う不満を解消してくれるものばかりです。
―――:そういえば『モンスターストライク』では年始イベントも行われ、盛り上がりを見せましたよね。このイベントでもやはり『セーブポイント』は活用されたのですか?
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只隈氏:弊社では制作を行ったキャラクターをすぐにはゲームに実装させず、ストックしておくこともよくあります。そのイラストを使用するとなったとき、『セーブポイント』の中で作られた背景やこだわり抜いたポイント等を確認出来ることで、その後の作業が円滑になるのはあると思います。
和田氏:長期間経ってしまうと記憶も風化して、そもそもどういう経緯で制作をおこなったかが曖昧になってしまいますからね。今回のイベントでは、『セーブポイント』のアーカイブスとして利用できる点が活かされました。
―――:分かりました。それでは今後、『セーブポイント』に期待することがあれば教えてください。
只隈氏:使い勝手という意味ではガントチャートがもっと軽くなってくれたら嬉しいですね。あとはモバイル対応にも期待しています。今もスマートフォンで見ようと思えば見られるのですが、より最適化されるととても助かります。
和田氏:キャラクター名で検索したときの表記など、細かい部分ではありますが、今後も改善していただけたら嬉しく思います。『モンスターストライク』の場合キャラクターごとでさまざまなバリエーションがあり、検索を利用する機会も多いです。もっと良くなる余地があると思っているため今後にも期待しています。
―――:ありがとうございました。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- 株式会社MUGENUP
- 設立
- 2011年6月
- 代表者
- 代表取締役 伊藤 勝悟