【Aiming決算説明会②】『ログレス』のDAUは「今年の1月に過去最高を記録」(椎葉社長) IPタイトルや共同タイトルの開発にも着手


Aiming<3911>は、2月14日、東京都内で2016年12月期の決算説明会を開催した。決算説明会に先立ち、発表された2016年12月期の連結決算は、売上高96億8900万円(前々期比20.3%減)、営業損益3億1000万円の赤字(前々期8億8300万円の黒字)、経常損益3億4900万円の赤字(同28億5300万円の黒字)、最終損益5億5100万円の赤字(同19億0700万円の黒字)となった。売り上げは同社の創業以来初の減収となっている。

決算説明会では、同社の椎葉忠志代表取締役社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。


■QonQでは黒字転換を達成 『ログレス』好調、広告宣伝費も適正水準に


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第4四半期期間(10~12月)は、売上高が前四半期比6.3%増の27億3500万円、営業利益は1億2600万円(前四半期6億9200万円の赤字)、経常利益1億2600万円(同6億9800万円の赤字)、最終利益1億8100万円(同8億9000万円の赤字)と増収、大幅黒字転換での着地となった。

第2四半期にリリースした『空と大地のクロスノア』の売上が振るわず自社タイトルはさえなかったものの、マーベラス<7844>との共同タイトルである『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下『ログレス』)が新コンテンツの追加や、『Fate/EXTELLA』など他社IPとのコラボが奏功し、売り上げを伸ばした。
 

続いて費用の四半期推移を見ると、前四半期と比べて広告宣伝費が3分の1以下となっている。これは前四半期に積極的なプロモーションをかけた反動によるもので、「広告宣伝費は適正な水準に戻った」(椎葉社長)としていた。
 

次に従業員数の推移だが、国内はほぼ横ばいの推移が続いており、海外の台湾スタジオの人員が急速に増強されていることが見て取れる。台湾スタジオはほぼグラフィッカーが集められているとのことで、今後開発していくゲームにおいて同社がグラフィック制作力で戦っていこうとしている、そんな方針の表れとなっている。
 
 

■『ログレス』は「今年の1月に過去最高のアクティブユーザーを記録」(椎葉社長)


同社の主力タイトルである『ログレス』の状況を見てみたい。『ログレス』は、「昨年9月から底打ち感出てきた」(同)といい、「今年の1月に過去最高のアクティブユーザーを記録した」(同)という。新ジョブ追加、IPコラボ、3周年イベントなどが奏功した格好だ。
 

ただし、海外展開については難しい状況だ。中国本土で昨年11月にリリースした簡体字版は、当初想定していたような収益が見込めずサービスの中止を決定した。
 

■IPや他社との共同タイトルにシフト タイトルが出そろうのは2年以内を見込む


2016年12月期の結果を踏まえ、同社は新作タイトルの方針を修正した。これまではオリジナルタイトルや、海外のヒットタイトルの国内パブリッシングを主に行ってきたが、その比重を落とし、IPタイトルと他社との共同タイトルを増やすことになるという。
 

新規ユーザーを取り込むためにも、パッと見の見た目でまずは手に取ってもらえることが大事で、IPタイトルはそうした点で強いと考えているようだ。なお、IPタイトルについては、「どなたも知っている強力なものの開発に着手している」(同)という。

なお、新作タイトルのパイプラインを見直して、開発中タイトルの開発中止も行われることになるが、「開発費用は毎月計上しているため、今回の見直しで評価損が発生することはない」(同)としていた。また、2016年のタイトルが開発期間の長期化で遅れたことなども踏まえ、今まで作っていたゲームの資産・経験を活かしてをIPを使ったタイトルを作るとしており、「新しいタイトルが出そろうのに2年以内か、そこまではかからないくらい」(同)ともしていた。



■期待のオリジナルタイトルProject『Caravan』も開発進む


ただし、オリジナルタイトルにも期待のタイトルがあるという。それがProject『Caravan』で、PCモニターで見ても遜色のないレベルという、グラフィックにこだわり抜いたタイトルとなっているようだ。この『Caravan』については、「そう遠くないタイミングでリリースできるように開発している」(同)としていた。
 


■1Q見通しは共同タイトルの先行投資分を計上


2017年12月期の見通しは非開示とし、同社は第1四半期の業績予想を開示している。第1四半期は売上高20億3700万円(前年同期比13.9%減)、営業損益2億3900万円の赤字、経常損益2億3100万円の赤字、最終損益2億1900万円の赤字の見込み。

売上高が減収となっているのは、2月の日数減分を考慮したことと、好調だった年末の反動を見込んでいるため。なお、利益面では費用に共同タイトルの先行投資分を計上している影響も含まれている。
 
(編集部:柴田正之)