グリー<3632>は、8月30日の「CEDEC2017」で「Flashクリエイターはどこに消えた? 〜変化に適応するマネジメントと、ゲームアプリをリリースするまでの軌跡〜」と題するセッションを行い、Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部から丸山彰吾氏、萬両史浦氏、代一龍氏、淨園崇史氏、赤堀このみ氏が登壇した。
本セッションは、Webゲームからスマホアプリへの移行が進んでいく中で、元々flashクリエイターだった登壇者の5人が、3Dエフェクト、3Dモーション、演出、 2Dモーション、マネジメントとそれぞれ異なるキャリアに進む中で、flashで得た知見をどのように活かし、自身の役割をどのように変えたのか、Wright Flyer Studiosでの『アナザーエデン』、『武器よさらば』の開発での経験を例にしながら、5人それぞれの話を聞くことができた。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 Animation チーム シニアアニメーター 淨園崇史氏
最初に3Dエフェクト編として、現在『武器よさらば』の3Dエフェクト全般を担当する淨園氏が登壇した。淨園氏によるとflashで培ったエフェクトの作り方や削減方法があったから、未経験の3Dプロジェクトにも対応することができた。ツールが変わっても「エフェクトの見せ方」という部分は2Dも3Dも変わらないという。
『武器よさらば』の3Dエフェクトを制作するにあたっては3つの課題があったと明かした。一つ目は社内に3Dゲームの前例がなくノウハウが存在しなかったことだが、flashでのエフェクトの作り方になぞらえて「Maya」でメッシュのアニメーションを作ってみた。例えば斬撃であれば、板ポリ回転させているだけのものにテクスチャを描き動きに緩急やメッシュの変形を加えた。
また二つ目の課題は、エフェクトの処理負荷を極限まで軽減することだったが、アルファを極力使わず、スケールを使ってエフェクトを出したり消してたりした。これはアルファが満足に使えなかったブラウザゲームの手法の応用だという。また板ポリゴンを有効活用することも行ったが、これは少ない容量でどう見せるかというFlash時代の経験が生きていたそうだ。
三つ目の課題はエフェクトを短期間で大量に作る必要があったが、テクスチャやメッシュを使いまわすことで解決した。例えば「水属性の衝撃派」という必殺技のエフェクトは「ドーム型のメッシュ」と「円柱型のメッシュ」に貼られているテクスチャは同じだという。Flash時代と同じようにテクスチャやの使いまわしや流用は『武器よさらば』でも多く行っており、
最初から使いまわしできるものしか作らないという発想で乗り切ったという。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 Animation チーム シニアアニメーター 代一龍氏
2番目に3Dモーション編として『武器よさらば』の3Dアニメーションを担当する行氏が登壇した。行氏によるとモーション仕事に共通することは、挑戦し続けることだという。これは『武器よさらば』の3Dモーション制作においても言えることで、「Maya」に不安があった時には、研修を受け今では社内で勉強会を実施するほどになった。
モーションを作る際にはあきらめずひたすら検証を繰り返し、修正を重ねることでクオリティアップを行い、制作の効率化のために、モーションのパーツ化やパーツの編集法の確立を行ったそうだ。これにより既存モーションの組み合わせで鈍器スキルや大剣スキルが完成した。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 シニアアニメーター 萬両史浦氏
3番目には、演出編として『武器よさらば』で演出を担当する萬両氏が登壇した。萬両氏は演出制作への適応について、『武器よさらば』の開発に参加するまでに、さまざまなプロジェクトに参加し、エフェクト制作やUIアニメーション制作を担当することで変化に適応することができたという。
またFlash時代の経験は、いろいろな要素を組み合わせてひとつの画面演出としてまとめる、見せ方の部分で活きていると語った。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 Animation チーム アニメーター 赤堀このみ氏
4番目の2Dモーション編には『アナザーエデン』のメインアニメーターの赤堀氏が登壇した。赤堀氏はflash時代の経験が活かされた部分として、少ない人数でもすぐに対応できる素体作りや素材差替えだけの簡単量産を挙げた。
実際に赤堀氏が『アナザーエデン』にジョインした時は、制作期間9ヶ月で200体以上、1000モーション以上を制作する必要があった。アナザーエデンのアニメーターは赤堀氏含めて2名しかおらず不可能と思うような状況だったが、Flash時代に1人のflashアニメーターが3プロダクトを兼務していたときの、「どんな、だれでも、量産できる素材を作っていた」という知見を活かして、まず「素材を差し替えるだけで量産できる素体」をつくったという。
その後、8武器種×男女別毎にモーションを作り、制作にかかった期間をリリースまでに必要な体数に照らし合わせてスケジュールを組むことで制作を行った。結果的には、簡単量産によりスケジュールに余裕も生まれたことで、フィールド上でキャラクターを放置すると動き始める遊びモーションも作成することができたという。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 マネージャー 丸山彰吾氏
最後のマネジメント編には丸山氏が登壇した。丸山氏はゲームアプリ開発においては、プロデューサーやディレクター、プランナーなどの各役割があり、一つの役割でひとつのチームレベルにあると思っていたが、企画の各自でやりたいことが異なっていたり、アートのイメ―ジが伝わりづらい、エンジニアはサンプルを作るのに時間がかかるという問題が開発初期にあった。そこで丸山氏は企画草案をflashモックにしてチーム内の認識合わせを行った。プロジェクトへの関わり方として、「各役割のつなぎ役」を意識して、例えば画面構成、遷移図等は巻き取って制作して、早めにデザイナーやエンジニアと認識を合わせができるようにした。
またチームのマネジメントにおいては成長のつなぎ役を意識した。自分が何のためにいる存在なのか、マネージャーとメンバーはどういう関係かをはっきりさせたとのこと。具体的には、チームメンバーの成長がマネージャーの成果となるwin-winの関係ということを素直に共有し、各メンバーの成長につながるような機会やチャレンジ、適応しておくと良さそうな方向性などを持ってきてサポートしたという。
本セッションは、Webゲームからスマホアプリへの移行が進んでいく中で、元々flashクリエイターだった登壇者の5人が、3Dエフェクト、3Dモーション、演出、 2Dモーション、マネジメントとそれぞれ異なるキャリアに進む中で、flashで得た知見をどのように活かし、自身の役割をどのように変えたのか、Wright Flyer Studiosでの『アナザーエデン』、『武器よさらば』の開発での経験を例にしながら、5人それぞれの話を聞くことができた。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 Animation チーム シニアアニメーター 淨園崇史氏
最初に3Dエフェクト編として、現在『武器よさらば』の3Dエフェクト全般を担当する淨園氏が登壇した。淨園氏によるとflashで培ったエフェクトの作り方や削減方法があったから、未経験の3Dプロジェクトにも対応することができた。ツールが変わっても「エフェクトの見せ方」という部分は2Dも3Dも変わらないという。
『武器よさらば』の3Dエフェクトを制作するにあたっては3つの課題があったと明かした。一つ目は社内に3Dゲームの前例がなくノウハウが存在しなかったことだが、flashでのエフェクトの作り方になぞらえて「Maya」でメッシュのアニメーションを作ってみた。例えば斬撃であれば、板ポリ回転させているだけのものにテクスチャを描き動きに緩急やメッシュの変形を加えた。
また二つ目の課題は、エフェクトの処理負荷を極限まで軽減することだったが、アルファを極力使わず、スケールを使ってエフェクトを出したり消してたりした。これはアルファが満足に使えなかったブラウザゲームの手法の応用だという。また板ポリゴンを有効活用することも行ったが、これは少ない容量でどう見せるかというFlash時代の経験が生きていたそうだ。
三つ目の課題はエフェクトを短期間で大量に作る必要があったが、テクスチャやメッシュを使いまわすことで解決した。例えば「水属性の衝撃派」という必殺技のエフェクトは「ドーム型のメッシュ」と「円柱型のメッシュ」に貼られているテクスチャは同じだという。Flash時代と同じようにテクスチャやの使いまわしや流用は『武器よさらば』でも多く行っており、
最初から使いまわしできるものしか作らないという発想で乗り切ったという。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 Animation チーム シニアアニメーター 代一龍氏
2番目に3Dモーション編として『武器よさらば』の3Dアニメーションを担当する行氏が登壇した。行氏によるとモーション仕事に共通することは、挑戦し続けることだという。これは『武器よさらば』の3Dモーション制作においても言えることで、「Maya」に不安があった時には、研修を受け今では社内で勉強会を実施するほどになった。
モーションを作る際にはあきらめずひたすら検証を繰り返し、修正を重ねることでクオリティアップを行い、制作の効率化のために、モーションのパーツ化やパーツの編集法の確立を行ったそうだ。これにより既存モーションの組み合わせで鈍器スキルや大剣スキルが完成した。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 シニアアニメーター 萬両史浦氏
3番目には、演出編として『武器よさらば』で演出を担当する萬両氏が登壇した。萬両氏は演出制作への適応について、『武器よさらば』の開発に参加するまでに、さまざまなプロジェクトに参加し、エフェクト制作やUIアニメーション制作を担当することで変化に適応することができたという。
またFlash時代の経験は、いろいろな要素を組み合わせてひとつの画面演出としてまとめる、見せ方の部分で活きていると語った。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 Animation チーム アニメーター 赤堀このみ氏
4番目の2Dモーション編には『アナザーエデン』のメインアニメーターの赤堀氏が登壇した。赤堀氏はflash時代の経験が活かされた部分として、少ない人数でもすぐに対応できる素体作りや素材差替えだけの簡単量産を挙げた。
実際に赤堀氏が『アナザーエデン』にジョインした時は、制作期間9ヶ月で200体以上、1000モーション以上を制作する必要があった。アナザーエデンのアニメーターは赤堀氏含めて2名しかおらず不可能と思うような状況だったが、Flash時代に1人のflashアニメーターが3プロダクトを兼務していたときの、「どんな、だれでも、量産できる素材を作っていた」という知見を活かして、まず「素材を差し替えるだけで量産できる素体」をつくったという。
その後、8武器種×男女別毎にモーションを作り、制作にかかった期間をリリースまでに必要な体数に照らし合わせてスケジュールを組むことで制作を行った。結果的には、簡単量産によりスケジュールに余裕も生まれたことで、フィールド上でキャラクターを放置すると動き始める遊びモーションも作成することができたという。
▲Wright Flyer Studios事業本部 NT Production部 マネージャー 丸山彰吾氏
最後のマネジメント編には丸山氏が登壇した。丸山氏はゲームアプリ開発においては、プロデューサーやディレクター、プランナーなどの各役割があり、一つの役割でひとつのチームレベルにあると思っていたが、企画の各自でやりたいことが異なっていたり、アートのイメ―ジが伝わりづらい、エンジニアはサンプルを作るのに時間がかかるという問題が開発初期にあった。そこで丸山氏は企画草案をflashモックにしてチーム内の認識合わせを行った。プロジェクトへの関わり方として、「各役割のつなぎ役」を意識して、例えば画面構成、遷移図等は巻き取って制作して、早めにデザイナーやエンジニアと認識を合わせができるようにした。
またチームのマネジメントにおいては成長のつなぎ役を意識した。自分が何のためにいる存在なのか、マネージャーとメンバーはどういう関係かをはっきりさせたとのこと。具体的には、チームメンバーの成長がマネージャーの成果となるwin-winの関係ということを素直に共有し、各メンバーの成長につながるような機会やチャレンジ、適応しておくと良さそうな方向性などを持ってきてサポートしたという。
(撮影・記事執筆 森山晃義)
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632