【インタビュー】新たな集客手法として拡大するインフルエンサーマーケティング…Rekoo Japan、BitStarが仕掛けたYouTuberの活用施策に迫る
スマートフォンゲームアプリのマーケティングはブーストやアドネットワーク、twittter、LINEなどを活用したSNS施策、事前登録やβテストなど多くの新しいマーケティング施策が生まれてきた。
そして今、成熟期と言われるスマホゲーム市場において新たな施策として拡大を続けているのがYouTuberを活用したインフルエンサーマーケティングだ。しかし、ECや旅行、美容などと比較してスマホゲームアプリのインフルエンサーマーケティングの成功例はまだ少なく、どのようにマーケティングに活用すれば良いのか悩みを抱えているスマホゲーム会社も多いのではないだろうか。
今回SocialGameInfoでは、Rekoo Japan株式会社マーケティング部ゼネラルマネージャーの大倉信彦氏、株式会社BitStarのマーケティング室マーケティング・ディレクターの高尾啓人氏、インフルエンサー広告事業部の池松信行氏にインタビューを実施。『スタートリガー』はどのようにインフルエンサーマーケティングを活用し、リリース直後から売上ランキング100位台を維持するという垂直立ち上げに成功したのか、話を聞くことができた。
―:本日はよろしくお願いいたします。
大倉氏(以下、大倉):よろしくお願いいたします。私はRekoo Japanで『スタートリガー』と『ファンタジードライブ』というタイトルのマーケティングを担当しています。具体的には、アプリのプロモーション施策全般をはじめとして、アプリ内の数字の分析、版権の交渉などを行っています。また『スタートリガー』では、仕様や施策をまとめるなどプランナー的なことも行っています。
池松氏(以下、池松):BitStarのインフルエンサー広告事業部で企業様向けの営業を担当しています。具体的にはYouTuberを活用したプロモーションやタイアップの企業様への提案を行っています。『スタートリガー』のプロモーションにもご協力させていただきました。
高尾氏(以下、高尾):BitStarのマーケティング事業やアライアンス事業を担当しています。先日α版の提供を開始したインフルエンサーマーケティングのプランニング・分析ツール「Influencer Power Ranking」やデジタルとマスの融合をコンセプトとしたインフルエンサープロダクション「E-DGE(エッジ)」など業界認知を広げる活動も行っています。
―:すでにご存じのかたも多いと思いますが『スタートリガー』について改めて紹介をお願いします。
大倉:『スタートリガー』は、かわいいキャラクターの3Dアバター、ガンシューティング、最大10人対10人のリアルタイムギルドバトルが大きな特徴のアクションシューティングゲームとなります。8月25日にサービスを開始して、10月13日時点で70万人の方にインストールしていただいております。
▲iOSの売上ランキング推移。リリースは月末となったが、既存アプリが売上施策を実施する月初も売上ランキングは上昇を続け、9月6日にはゲームで69位となる垂直立ち上げに成功した。
―:『スタートリガー』はどのようなマーケティング戦略を考えていたのでしょうか?
大倉:ゲームの特性であるガンシューティングや3Dアバターキャラクターを訴求するのに、動画が適していると考え、動画を中心としたマーケティング戦略を思い描きました。事前登録数の最大化でなくリリース後に効率的にインストール数を増やしていくことを最優先させるために、8月25日のリリース日以降にYouTuberを活用した動画プロモーションの集中的な実施を考えました。
―:プロモーションのターゲット層についてはどのように考えていたのでしょうか?
大倉:『スタートリガー』では、リリース前にβテストを数回実施したのですが、分析するとほかのタイトルと比較して10代のユーザーからの評価が高いことがわかりました。10代のユーザーは20代や30代のユーザーと比較して課金など直近の数字に効果が表れにくい部分もありますが、アプリを大きく成長させるためには重要な層であり、また、10代のユーザーからの高い支持を得ているということ自体がプロモーション上のアドバンテージになるとも思いました。
そこでゲームユーザーをターゲットとしたプロモーションに加えて、10代のユーザーをターゲットにゲーム系のYouTuberだけではなくエンタメ系のYouTuberにも範囲を拡大して幅広く動画プロモーションも行おうと考えました。
―:動画プロモーションを中心としたマーケティング戦略の効果を実感したのはいつ頃になるのでしょうか?
大倉:事前登録期間に10代に人気のインフルエンサーを活用した動画施策をテスト的に1つ実施したのですが、想定以上の影響があり、結果として事前登録数も大きく伸ばすことができました。これによって10代をターゲットに動画を中心とした施策の効果に確信を持つことができ、リリース後には「BitStar」でのYouTuberを活用したプロモーションを積極的に実施することができました。
―:動画プロモーションを実施するにあたり「BitStar」のサービスを選んだ理由について教えてください。
大倉:実は『スタートリガー』は、事前登録の段階では複数の会社様と一緒に動画プロモーションを行っていましたが、リリース後の施策は「BitStar」をメインに実施しました。一番の理由は弊社のマーケティング戦略の意図を理解していただいたことが大きいです。
具体的には、ゲームだけではなくエンタメに範囲を拡大して幅広く訴求を行いたいという意図に対して、「BitStar」にはエンタメ系のYouTuberの方も多く、たくさんのエンタメ系のYouTuberの方を提案とともに、ゲームに興味を持ってもらえるような動画を企画いただきました。
―:「BitStar」のサービスについて教えてください。
高尾:「BitStar」のサービスを一言で言うと「スマホ時代のインフルエンサーの力を最大化するプラットフォーム」になります。具体的には、エージェンシーやプロダクションにとどまらずインフルエンサーの価値を最大化する環境を提供しています。
法人様に対しては、単純に企業とインフルエンサーのマッチングだけではなくインフルエンサーを活用した企画の提案を行い、また施策の振り返りや改善まで長期的な取り組みを行っています。ゲーム会社様だけではなく旅行や美容系の会社様など幅広い法人様のマーケティングを、一緒にタイトルをグロースする立場でお手伝いさせていただいています。
―:『スタートリガー』での取り組みについて教えてください。
池松:『スタートリガー』のマーケティング戦略の意図を踏まえて、ゲーム実況のYouTuberの方を活用することを軸にしっかりゲームユーザーに訴求しながらも、エンタメ系のYouTuberの方も活用するプロモーションを提案しました。
具体的には、『スタートリガー』はキャラのアバターもゲームの大きな魅力のひとつになっています。そこで、エンタメ系のYouTuberがアバターのキャラのコスプレをした動画などの企画などを考えました。
高尾:エンタメ系のYouTuberの方はコスプレや最近では車の爆破などユーザーの興味を引くための企画のバリエーションが他のジャンルと比べて広くなっていて、視聴者もそれを受け入れる環境が整っています。ゲーム会社様のプロモーションではゲーム実況者を活用した取り組みとなることが多いのですが、『スタートリガー』では、ゲーム実況者だけでなくエンタメ系のYouTuberも活用して、コスプレによるゲームのアバターを訴求するなど企画が上手くマッチした部分も大きいと思います。
―:YouTuberのプランニングも大きなポイントになると思いますが、どのような基準を考えていたのでしょうか?
大倉:YouTuberのプランニングにあたって、多くのチャンネル登録者数がいるかではなく、今登録者数が伸びているか、これからの成長が期待できるかを基準にアサインをお願いしました。
さらに、ターゲットとなるユーザーが複数のYoutuberの動画で『スタートリガー』を目にしていただくことを目指して選定も行いました。あるYouTuberと関連性の高いYouTuberを選定すれば、視聴者はお気に入りのYouTuberの動画を見ていくなかで、自然と多くのYouTuberが『スタートリガー』を紹介しているように感じ、流行っているのではと思っていただく可能性が高くなると思ったからです。
結果的に、流行感や話題性を作ることに成功し、『スタートリガー』は無料ランキング上位を長い間維持することができました。またストアのレビューも高評価だったこともあり、プロモーション経由でストアにきたユーザーがレビューの高評価を見てインストールするという好循環も生まれました。
▲iOSの無料ランキング推移。変動の大きいランキングにも関わらずリリース後の半月にわたって全体で50位以内、ゲームで10位以内を維持していた。
―:「BitStar」ではYouTuberのプランニングはどのように行われたのでしょうか?
高尾:先日インフルエンサーマーケティングのプランニング・分析ツールである「Influencer Power Ranking」のα版をリリースしましたが、『スタートリガー』では「Influencer Power Ranking」の原型となるツールを使ってYouTuberの選定を行っていました。
「Influencer Power Ranking」は、登録者数のデータからどのチャンネルが伸びているか、誰が影響力を持っているのかなどの定量情報に加えて、Youtuber同士の関連性やチャンネルの視聴者の重なりなど定性情報も保有していて、約1年半分のデータが蓄積されています。今回の取り組みでは、定量と定性のデータを掛け合わせてYouTuberのプランニングを行い、「BitStar」の強みを活かすことができたと思います。
大倉: YouTuberをプランニングしていただきましたが、ピックアップされたYouTuberの数も多く、またデータに裏付けされていたのでとても助かりました。
▲「Influencer Power Ranking」は、YouTuberやInstagrammerなどを活用したインフルエンサーマーケティングにおいて、影響力や実績情報を収集しビッグデータを解析し、マーケティングのプランニングや分析に活用できるツール。α版の提供を開始している。
―:『スタートリガー』での取り組みを聞いていると、積極的に新しい取り組みにチャレンジされていると感じます。
高尾:今回の取り組みは、チャレンジさせてもらった部分も大きいと思います。スマホゲームのマーケッターの方は実績からROASや定着率などの定量的な数字を見て広告の実施や運用を判断される方が多いと感じています。今回は「Influencer Power Ranking」のデータを使いつつも新しいチャレンジを行ってユーザーの注目を集めたことで、結果的に広告の効果も伸びたのではないでしょうか。
大倉:自分は10代の感性を正しく理解することができないので自分の感覚を正にするべきではないと思っていました。例えば、自分が面白くないかなと思っていた動画が10代のユーザーにはすごく反応が良かった。もちろんゲーム会社のマーケッターとして最低限チェックすることはあります。今回の取り組みは、「Influencer Power Ranking」のデータに基づいた提案ということでチャレンジできた部分も大きいと思います。
池松:私自身は営業として、できる限り対面で会話させていただき、新しい取り組みの中で双方の認識の違いのないように、プロモーションの意図を確認しながら取り組みを進めました。大倉様の動画マーケティングに関する知見も深く、やり取りを通して良い関係性が構築できたことも大きかったと思います。
大倉:今回はゲーム系に加えてエンタメ系のYouTuberも活用したいという意図もありましたが、「BitStar」ではエンタメ系のYoutuberの方や実績も多く、プロモーションの意図を理解していただき良い取り組みができました。
―:実際に『スタートリガー』でBitStarを実施してみて数値など効果はどうだったのでしょうか。
大倉:とても良い数値となりました。9月のYoutuber施策の全体の数値となりますがCPVは目標の8割以下となりました。今回目標としたCPVを切ることは段々難しくなっている中で良い数字だと思います。CPIに関しては自然流入もあるので推定値になります。運用型広告のCPIと比較するとやや高い数値となりますが、動画経由のユーザーは継続率が高いため、それを加味すると十分満足できる数値となりました。
また動画を見た直後にインストールしなかったユーザーが、ほかの広告経由でインストールするという、インフルエンサーマーケティングの副次効果もみられました。
―:最後に読者の方へのメッセージをお願いします。
大倉:『スタートリガー』は日本でのインストール数70万人を突破し、引き続きユーザーの皆様に面白さを提供していきたいと思っています。また、今後の大きなアップデートの際にも「BitStar」でプロモーションを実施したいと思っています。今回の取り組みをベースにもう一歩踏み込んで、もっと多くのユーザー様に『スタートリガー』の魅力を知っていただけるような新しい取り組みができればと考えています。
池松:『スタートリガー』での取り組みは弊社にとっても新たな取り組みとなりましたが、大きな実績を作ることができ、自身としても取り組みに関われたことは光栄に感じています。引き続きRekoo Japan様とは様々な取り組みを行いたいと思います。またこれを機に今後はより多くのゲーム会社様のマーケティングにご協力したいと思っています。
高尾:BitStarでは、今回の『スタートリガー』との取り組みでも活用した「Influencer Power Ranking」や「E-DGE」所属のYouTuberが出演する「水曜夜のエンターテイメントバトル エンタX(エックス)」(テレビ東京 水曜深夜1時35分)を放送開始するなど、ゲーム会社様の価値を高めるための新たなサービスもリリースしています。既存の広告の他に新しいプロモーションを検討されているゲーム会社様はぜひお気軽にお声がけください。貴社のスマホゲームをグロースするご協力をさせていただければと思います。
―:ありがとうございました。
そして今、成熟期と言われるスマホゲーム市場において新たな施策として拡大を続けているのがYouTuberを活用したインフルエンサーマーケティングだ。しかし、ECや旅行、美容などと比較してスマホゲームアプリのインフルエンサーマーケティングの成功例はまだ少なく、どのようにマーケティングに活用すれば良いのか悩みを抱えているスマホゲーム会社も多いのではないだろうか。
今回SocialGameInfoでは、Rekoo Japan株式会社マーケティング部ゼネラルマネージャーの大倉信彦氏、株式会社BitStarのマーケティング室マーケティング・ディレクターの高尾啓人氏、インフルエンサー広告事業部の池松信行氏にインタビューを実施。『スタートリガー』はどのようにインフルエンサーマーケティングを活用し、リリース直後から売上ランキング100位台を維持するという垂直立ち上げに成功したのか、話を聞くことができた。
◼︎エンタメ系TouTuberを活用した幅広いマーケティング
―:本日はよろしくお願いいたします。
大倉氏(以下、大倉):よろしくお願いいたします。私はRekoo Japanで『スタートリガー』と『ファンタジードライブ』というタイトルのマーケティングを担当しています。具体的には、アプリのプロモーション施策全般をはじめとして、アプリ内の数字の分析、版権の交渉などを行っています。また『スタートリガー』では、仕様や施策をまとめるなどプランナー的なことも行っています。
池松氏(以下、池松):BitStarのインフルエンサー広告事業部で企業様向けの営業を担当しています。具体的にはYouTuberを活用したプロモーションやタイアップの企業様への提案を行っています。『スタートリガー』のプロモーションにもご協力させていただきました。
高尾氏(以下、高尾):BitStarのマーケティング事業やアライアンス事業を担当しています。先日α版の提供を開始したインフルエンサーマーケティングのプランニング・分析ツール「Influencer Power Ranking」やデジタルとマスの融合をコンセプトとしたインフルエンサープロダクション「E-DGE(エッジ)」など業界認知を広げる活動も行っています。
▲Rekoo Japan株式会社マーケティング部ゼネラルマネージャーの大倉信彦氏
―:すでにご存じのかたも多いと思いますが『スタートリガー』について改めて紹介をお願いします。
大倉:『スタートリガー』は、かわいいキャラクターの3Dアバター、ガンシューティング、最大10人対10人のリアルタイムギルドバトルが大きな特徴のアクションシューティングゲームとなります。8月25日にサービスを開始して、10月13日時点で70万人の方にインストールしていただいております。
▲iOSの売上ランキング推移。リリースは月末となったが、既存アプリが売上施策を実施する月初も売上ランキングは上昇を続け、9月6日にはゲームで69位となる垂直立ち上げに成功した。
―:『スタートリガー』はどのようなマーケティング戦略を考えていたのでしょうか?
大倉:ゲームの特性であるガンシューティングや3Dアバターキャラクターを訴求するのに、動画が適していると考え、動画を中心としたマーケティング戦略を思い描きました。事前登録数の最大化でなくリリース後に効率的にインストール数を増やしていくことを最優先させるために、8月25日のリリース日以降にYouTuberを活用した動画プロモーションの集中的な実施を考えました。
―:プロモーションのターゲット層についてはどのように考えていたのでしょうか?
大倉:『スタートリガー』では、リリース前にβテストを数回実施したのですが、分析するとほかのタイトルと比較して10代のユーザーからの評価が高いことがわかりました。10代のユーザーは20代や30代のユーザーと比較して課金など直近の数字に効果が表れにくい部分もありますが、アプリを大きく成長させるためには重要な層であり、また、10代のユーザーからの高い支持を得ているということ自体がプロモーション上のアドバンテージになるとも思いました。
そこでゲームユーザーをターゲットとしたプロモーションに加えて、10代のユーザーをターゲットにゲーム系のYouTuberだけではなくエンタメ系のYouTuberにも範囲を拡大して幅広く動画プロモーションも行おうと考えました。
―:動画プロモーションを中心としたマーケティング戦略の効果を実感したのはいつ頃になるのでしょうか?
大倉:事前登録期間に10代に人気のインフルエンサーを活用した動画施策をテスト的に1つ実施したのですが、想定以上の影響があり、結果として事前登録数も大きく伸ばすことができました。これによって10代をターゲットに動画を中心とした施策の効果に確信を持つことができ、リリース後には「BitStar」でのYouTuberを活用したプロモーションを積極的に実施することができました。
◼︎動画反響のデータとタイトルの想いをのせたマーケティング
―:動画プロモーションを実施するにあたり「BitStar」のサービスを選んだ理由について教えてください。
大倉:実は『スタートリガー』は、事前登録の段階では複数の会社様と一緒に動画プロモーションを行っていましたが、リリース後の施策は「BitStar」をメインに実施しました。一番の理由は弊社のマーケティング戦略の意図を理解していただいたことが大きいです。
具体的には、ゲームだけではなくエンタメに範囲を拡大して幅広く訴求を行いたいという意図に対して、「BitStar」にはエンタメ系のYouTuberの方も多く、たくさんのエンタメ系のYouTuberの方を提案とともに、ゲームに興味を持ってもらえるような動画を企画いただきました。
▲株式会社BitStarマーケティング室マーケティング・ディレクターの高尾啓人氏
―:「BitStar」のサービスについて教えてください。
高尾:「BitStar」のサービスを一言で言うと「スマホ時代のインフルエンサーの力を最大化するプラットフォーム」になります。具体的には、エージェンシーやプロダクションにとどまらずインフルエンサーの価値を最大化する環境を提供しています。
法人様に対しては、単純に企業とインフルエンサーのマッチングだけではなくインフルエンサーを活用した企画の提案を行い、また施策の振り返りや改善まで長期的な取り組みを行っています。ゲーム会社様だけではなく旅行や美容系の会社様など幅広い法人様のマーケティングを、一緒にタイトルをグロースする立場でお手伝いさせていただいています。
―:『スタートリガー』での取り組みについて教えてください。
池松:『スタートリガー』のマーケティング戦略の意図を踏まえて、ゲーム実況のYouTuberの方を活用することを軸にしっかりゲームユーザーに訴求しながらも、エンタメ系のYouTuberの方も活用するプロモーションを提案しました。
具体的には、『スタートリガー』はキャラのアバターもゲームの大きな魅力のひとつになっています。そこで、エンタメ系のYouTuberがアバターのキャラのコスプレをした動画などの企画などを考えました。
高尾:エンタメ系のYouTuberの方はコスプレや最近では車の爆破などユーザーの興味を引くための企画のバリエーションが他のジャンルと比べて広くなっていて、視聴者もそれを受け入れる環境が整っています。ゲーム会社様のプロモーションではゲーム実況者を活用した取り組みとなることが多いのですが、『スタートリガー』では、ゲーム実況者だけでなくエンタメ系のYouTuberも活用して、コスプレによるゲームのアバターを訴求するなど企画が上手くマッチした部分も大きいと思います。
▲株式会社BitStarインフルエンサー広告事業部の池松信行氏
―:YouTuberのプランニングも大きなポイントになると思いますが、どのような基準を考えていたのでしょうか?
大倉:YouTuberのプランニングにあたって、多くのチャンネル登録者数がいるかではなく、今登録者数が伸びているか、これからの成長が期待できるかを基準にアサインをお願いしました。
さらに、ターゲットとなるユーザーが複数のYoutuberの動画で『スタートリガー』を目にしていただくことを目指して選定も行いました。あるYouTuberと関連性の高いYouTuberを選定すれば、視聴者はお気に入りのYouTuberの動画を見ていくなかで、自然と多くのYouTuberが『スタートリガー』を紹介しているように感じ、流行っているのではと思っていただく可能性が高くなると思ったからです。
結果的に、流行感や話題性を作ることに成功し、『スタートリガー』は無料ランキング上位を長い間維持することができました。またストアのレビューも高評価だったこともあり、プロモーション経由でストアにきたユーザーがレビューの高評価を見てインストールするという好循環も生まれました。
▲iOSの無料ランキング推移。変動の大きいランキングにも関わらずリリース後の半月にわたって全体で50位以内、ゲームで10位以内を維持していた。
―:「BitStar」ではYouTuberのプランニングはどのように行われたのでしょうか?
高尾:先日インフルエンサーマーケティングのプランニング・分析ツールである「Influencer Power Ranking」のα版をリリースしましたが、『スタートリガー』では「Influencer Power Ranking」の原型となるツールを使ってYouTuberの選定を行っていました。
「Influencer Power Ranking」は、登録者数のデータからどのチャンネルが伸びているか、誰が影響力を持っているのかなどの定量情報に加えて、Youtuber同士の関連性やチャンネルの視聴者の重なりなど定性情報も保有していて、約1年半分のデータが蓄積されています。今回の取り組みでは、定量と定性のデータを掛け合わせてYouTuberのプランニングを行い、「BitStar」の強みを活かすことができたと思います。
大倉: YouTuberをプランニングしていただきましたが、ピックアップされたYouTuberの数も多く、またデータに裏付けされていたのでとても助かりました。
▲「Influencer Power Ranking」は、YouTuberやInstagrammerなどを活用したインフルエンサーマーケティングにおいて、影響力や実績情報を収集しビッグデータを解析し、マーケティングのプランニングや分析に活用できるツール。α版の提供を開始している。
―:『スタートリガー』での取り組みを聞いていると、積極的に新しい取り組みにチャレンジされていると感じます。
高尾:今回の取り組みは、チャレンジさせてもらった部分も大きいと思います。スマホゲームのマーケッターの方は実績からROASや定着率などの定量的な数字を見て広告の実施や運用を判断される方が多いと感じています。今回は「Influencer Power Ranking」のデータを使いつつも新しいチャレンジを行ってユーザーの注目を集めたことで、結果的に広告の効果も伸びたのではないでしょうか。
大倉:自分は10代の感性を正しく理解することができないので自分の感覚を正にするべきではないと思っていました。例えば、自分が面白くないかなと思っていた動画が10代のユーザーにはすごく反応が良かった。もちろんゲーム会社のマーケッターとして最低限チェックすることはあります。今回の取り組みは、「Influencer Power Ranking」のデータに基づいた提案ということでチャレンジできた部分も大きいと思います。
池松:私自身は営業として、できる限り対面で会話させていただき、新しい取り組みの中で双方の認識の違いのないように、プロモーションの意図を確認しながら取り組みを進めました。大倉様の動画マーケティングに関する知見も深く、やり取りを通して良い関係性が構築できたことも大きかったと思います。
大倉:今回はゲーム系に加えてエンタメ系のYouTuberも活用したいという意図もありましたが、「BitStar」ではエンタメ系のYoutuberの方や実績も多く、プロモーションの意図を理解していただき良い取り組みができました。
―:実際に『スタートリガー』でBitStarを実施してみて数値など効果はどうだったのでしょうか。
大倉:とても良い数値となりました。9月のYoutuber施策の全体の数値となりますがCPVは目標の8割以下となりました。今回目標としたCPVを切ることは段々難しくなっている中で良い数字だと思います。CPIに関しては自然流入もあるので推定値になります。運用型広告のCPIと比較するとやや高い数値となりますが、動画経由のユーザーは継続率が高いため、それを加味すると十分満足できる数値となりました。
また動画を見た直後にインストールしなかったユーザーが、ほかの広告経由でインストールするという、インフルエンサーマーケティングの副次効果もみられました。
―:最後に読者の方へのメッセージをお願いします。
大倉:『スタートリガー』は日本でのインストール数70万人を突破し、引き続きユーザーの皆様に面白さを提供していきたいと思っています。また、今後の大きなアップデートの際にも「BitStar」でプロモーションを実施したいと思っています。今回の取り組みをベースにもう一歩踏み込んで、もっと多くのユーザー様に『スタートリガー』の魅力を知っていただけるような新しい取り組みができればと考えています。
池松:『スタートリガー』での取り組みは弊社にとっても新たな取り組みとなりましたが、大きな実績を作ることができ、自身としても取り組みに関われたことは光栄に感じています。引き続きRekoo Japan様とは様々な取り組みを行いたいと思います。またこれを機に今後はより多くのゲーム会社様のマーケティングにご協力したいと思っています。
高尾:BitStarでは、今回の『スタートリガー』との取り組みでも活用した「Influencer Power Ranking」や「E-DGE」所属のYouTuberが出演する「水曜夜のエンターテイメントバトル エンタX(エックス)」(テレビ東京 水曜深夜1時35分)を放送開始するなど、ゲーム会社様の価値を高めるための新たなサービスもリリースしています。既存の広告の他に新しいプロモーションを検討されているゲーム会社様はぜひお気軽にお声がけください。貴社のスマホゲームをグロースするご協力をさせていただければと思います。
―:ありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- Rekoo Japan株式会社
- 設立
- 2009年10月
- 代表者
- パトリック・リュー(刘 勇)
- 直近業績
- 非公開
- 上場区分
- 非上場