
スマートフォンアプリ市場は、日々新作ゲームがリリースされる。その一方で、様々な事情により惜しまれつつサービスが終了してしまうゲームも少なくはない。
gamebizでもサービス終了に関する記事(関連情報)を取り上げている。
それら記事を読み、「あと数ヵ月後に終わるのか…」と思うが、サービス終了発表~サービス終了当日までの期間、そのゲームについて追ってはいなかった。
そこでgamebizでは、それらゲームのサービスが終了する瞬間に立ち会って、ゲーム内でどのような事が起こったのかを伝える「サービス終了、その瞬間」を展開している。
今回は、2025年4月30日をもってサービス終了となった、リッチエイリアンの『カイジ外伝: 激熱の街』(以下、カイジ ゲキマチ)をピックアップする。
◆リッチエイリアン『カイジ外伝:激熱の街』(Since 2024 to 2025)
まずは『カイジ ゲキマチ』の概要について。
『カイジ ゲキマチ』は、人気漫画「賭博黙示録カイジ」公式IPゲームで、原作をもとに新たに開発したオリジナルストーリーをベースにした、賭博&経営シミュレーションとなっている。
2024年10月7日よりサービスを開始しており、サービス開始から約半年でのサービス終了となった。

◆タイトル発表からサービス終了までの歴史を振り返る
続いて、『カイジ ゲキマチ』発表からの歴史を振り返っていこう。
と言っても、いつもならgamebizの過去記事を参考にしながらタイトルが発表された、事前登録がスタートした、などの出来事をここで紹介しているのだが、『カイジ ゲキマチ』の過去記事を調べてみたらいきなり日本で先行リリースという記事だった(関連記事)。
タイトル発表や事前登録の前置きにいきなり配信開始とは、オードブルをすっ飛ばしていきなりメインディッシュみたいで清々しい。まさに激熱!

【公式PV】
日本先行リリース開始以降の過去記事についても探してみたけど、次に出てきた記事は『カイジ ゲキマチ』のサービスが2025年4月30日12時をもって終了することが発表となった記事だった(関連記事)。
メインディッシュの後にはデザートが出てくる、という固定概念を覆されたようで清々しい。まさに激熱!!
とは言え、メディア向けにリリースを配信していなかっただけで、半年のサービス期間で『カイジ ゲキマチ』にも色々あったわけで。この記事を書いている時点で公式Xはまだ閲覧できるので、半年間の動きはそちらでチェックしていただけたら、これ幸い。
◆1週間前からプレイ…有終の美(サ終)を見届ける
『カイジ ゲキマチ』の発表からサービス終了決定までの流れをお届けしたところで、ここからはサービス終了1週間前の2025年4月24日からログインしたプレイ記録をダイジェストでお届けする。
その前に、筆者恒例の脱線でもしよう。『カイジ ゲキマチ』は漫画「賭博黙示録カイジ」を題材にしたゲームだけど、筆者は「カイジ」を読んだことがない。とは言え、「キンキンに冷えてやがるっ……! あ……ありがてえっ……」や「勝たなければゴミ!」などの有名なセリフを知っている程度。

「カイジ」ってざっくり言うとギャンブル漫画という認識だ。そして筆者はこれまで生きてきた中で、ギャンブルは片手で数えるほどしか経験していない。
パチンコは若い頃に友人に勧められて1回やってみて何か当たったみたいだったけどハマらず。
ルールがわからないから麻雀もやっていない。昔深夜に放送されてた「THEわれめDEポン」や、アニメ「勝負師伝説 哲也」は何故か観ていたけど。印南のガン牌やべえよ!
競馬も数年前に初めて100円分の馬券を知人に買ってもらったけど当たらなかったよ。知り合いの女性が自分の息子に好きな数字を言わせて、その数字の馬番だか枠番を買ったら当たったのを間近で見たことはあるけど。
唯一、ギャンブルと言っていいかわからなけど、サッカーくじtotoは毎回1000円分買っている。過去に数回当たったことがあるけど、筆者がいまこうして飯を食うために原稿を書いているってことは、当選額についてはお察しのとおり。
従って、ギャンブルを題材にした「カイジ」を筆者が読んでいなくても不思議ではない。が、筆者は実写映画の「カイジ 人生逆転ゲーム」は観たことがある。
さらに「1日外出録ハンチョウ」の電子書籍を17巻まで購入している(好きなエピソードはバッカスが出てくる第60話)。さらにさらに、「中間管理録トネガワ」も昨年末にYoutubeでアニメ版が公式に配信されていたから観ちゃった(利根川先生がランチタイムに圧倒的カツ丼を食べる回が好き)
もっと言えば、「カイジ」のスピンオフじゃないんだけど、「最強伝説 黒沢」も電子書籍で4巻まで読んだ。……ただ「最強伝説 黒沢」の主人公が筆者の年齢と近いせいか、読んでいると何だか胸が締め付けられるので、途中で読むのをやめちゃった。あ、マンガ自体は面白いよ。
ふぅ、今回もいい感じで脱線したところで、『カイジ ゲキマチ』の話に戻ろうか。まずはいつものように、アプリをインストールしてゲームデータやらなにやらをダウンロードだ。

続いてプレイヤー設定。本作の主人公は小規模ながら安定した企業で働いていたらしいが、友人に騙されて保証人となり、5億円の借金を背負ってしまい、そして帝愛の地下労働施設に送られたそうな。
借金返済にかかる期間は680年! そんな主人公なので名前もそれ相応のものにせねば。

そして地下労働施設と言えば、大槻、沼川、石和だよね。「カイジ」だと嫌な感じのキャラクターなんだけど、筆者は「1日外出録ハンチョウ」を読んでいるもんで、どうもこの三人が憎めないんだよね。負債太郎はめっちゃ大槻にキレてるけども。

しばらくゲームを進めると、美女から肩代わりにした借金チャラ&新ビジネスサポートをしてくれるって話になり、なんやかんやで社長になっちゃったよ。


そして負債太郎こと筆者は、社長として地下労働施設やバーの事業、人材の管理をしたり、新事業のビジネス化を図ったりと、せっせと働いていった。




仕事の息抜きとして、沼やEカードなどのミニゲームで遊ぶことができた。ここは「カイジ」っぽい要素である。


逆に「カイジ」っぽくない要素としては、このゲーム、やたらと美女が登場する。何ならデートまで出来てしまうというのは、なかなか激熱!



▲翌朝までデートしちゃうとか、大人じゃ~ん!(ノリ子orのりお)
そんなこんなで社長業を1週間こなし、『カイジ ゲキマチ』のサ終当日を迎えた。
筆者は予告されていた12時の30分前、11時30分ごろに最後のログインをした。サ終当日、ほかのユーザーさんも最終ログインをしているのか調べるため、サーバーのチャットをチェックしてみた。
すると、多くのユーザーが交流している様子を見ることができた。……できたのだが、何やら気になる会話が。

サ終時刻が延びた、だとっ!?
長くこの企画記事を担当してきたが、このケースは初めてだ。真相を確かめるべく、公式Xを確認してみると。

本当だ。サービス終了時刻が変更となるようだ。まぁそれはいいんだけど、変更後の終了時刻が夕方頃。圧倒的ざっくり!
こりゃあ15時ちょい前、16時ちょい前、17時ちょい前と、一時間おきにログインするしかないけど、中途半端に15時30分とか16時19分とかに終わったら、もうアウトだぞ。
正確な時間がわからないものだから、ほかのユーザーさんたちも戸惑いを隠せない様子だ。


正確な終了時刻がわからないのは痛恨の極みだけど、怪我の功名と言うべきか、1時間おきにログインするたびに、ユーザーさんがトーク番組よろしく『カイジ ゲキマチ』をどのくらいプレイしたかなど語り合っている要素を見ることができて良かった。

そうこうしていると、どうやら18時をもってサ終するのではないかという情報が出回り、17時50分頃からユーザーさんたちが最後の魂の叫びをチャット内に残していった。


そしてサービス終了まで1分を切る。


???
18時を回ったが、まだログインできている。ほかのユーザーさんたちも戸惑いを隠せない様子だ(本日二度目)。
こうなるとチャット上では、夕方頃とは何時なのかという疑問や、サーバー時間との時差があるのではないか説など、さまざまな意見が飛び交う。


そして、あるユーザーさんから「サ終放置」という名言が飛び出したその刹那……。

こうして、『カイジ ゲキマチ』は約半年の歴史に幕を下ろしたのだった。

▲サービス終了後の公式X(Twitter)。
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◆【サービス終了、その瞬間】バックナンバー
★前回の記事 ⇒ DeNA『メギド72』…絶望(サ終)を希望(オフライン版)に変えて物語は続く

★24年11月~25年4月掲載記事まとめ ⇒ 『束縛彼氏』『ハチナイ』『ひな図書』『ひぐらし命』『メギド72』

★2024年に注目を集めた記事は? ⇒ 2024年の年間PVランキングトップ10を発表…本企画担当が選ぶ今年最も印象に残る”終わり方”をしたタイトルも

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