ドリコム<3793>の内藤裕紀社長(写真)は、同社の業績見通しについて、来期(2019年3月期)から新作が利益貢献する「収益化フェーズ」に入るとの見方を示した。今期中は新作タイトル5~7本リリースする計画だが、来期は新作タイトルが減る一方、バンダイナムコエンターテインメントとのブラウザゲームプラットフォームとブラウザゲームに注力する方針だ。
今期(2018年3月期)に関しては、売上の拡大を図っていくフェーズにあるという。同社では、新作リリース後、半年ほどは新規開発担当と運用担当の2チーム体制で運用する。運用人員が2倍になるだけでなく、IPタイトルは初期にユーザーを集める必要があるため、リリース初期に広告宣伝費を積み増している。したがって今期に関しては売上が伸びるものの、先行投資で利益が出づらい状況になると想定しているそうだ。
そして、来期になると、リリースから半年以上経過した安定運用のタイトルが増えるとともに、新規開発担当がチームから外れることになる。これに伴い、運用に関わる人件費が半分に減ることになる。ユーザー数も安定するため、広告宣伝費も同様に落ち着く。したがって、来期からはコストが下がり、徐々に利益の出るフェーズに移行することになるという。
内藤社長は「売上拡大と収益力向上を同時にやれればいいが、両方同時に行うと、かえって成長率が下がってしまう。当社のこれまでの歴史をみても、収益化フェーズに入った場合、短期間で収益を上げることは可能だ。当面は、売上拡大を重視したい」と述べ、来期からの収益化への自信を示すとともに、今期の保守的な業績予想に理解を求めた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793