個人的な見解だが、人間という生き物は大きく二つのタイプに分類されると思っている。「経営者」と「労働者」だ。
筆者は何かを経営する能力やセンスは皆無だと自己分析しており、労働者としてせっせと働きお給料をもらっている。それはそれで素晴らしいことだが、もし自分に経営者としての素質があるのなら、正直な話その手腕をいかんなく発揮し、大金を稼ぎ、億万長者になってみたいものである。
導入からお金の話になってしまい、生臭い記事に思われそうだが、ご安心を。本記事は、ケイブ<3760>から2017年11月28日に配信が決定した新作アプリゲーム『ロード・オブ・ダンジョン』のレビューをお届けする内容である。何やら本作は、「24時間ダンジョン経営シミュレーションゲーム」というコンセプトを謳っており、プレイヤーの「ダンジョン経営」手腕によって億万長者の高みを目指し、「稼ぐ快感」を体験することができるそうな。
現実の世界では成し得ることができないであろう、経営者になって億万長者になるという筆者の夢と希望を、『ロード・オブ・ダンジョン』が叶えてくれるのではなかろうか? そんな淡い期待を抱き、プレイを開始した。
■『ロード・オブ・ダンジョン』ってどんなゲーム?
「探索」によって領地を拡大し、発見したダンジョンで「バトル」をすることでモンスターを捕獲。味方としたモンスターを配置したダンジョンを「経営」することで、村を拡張していく。「ダンジョン」と「村」を経営手腕により成長させ、億万長者を目指すゲーム性は非常に中毒性が高く、24時間あっても時間が足りない! 「24時間ダンジョン経営シミュレーションゲーム」であることが最大の魅力となっている。
【『ロード・オブ・ダンジョン』公式ゲーム PV】
【関連記事】
・ケイブ、24時間ダンジョン経営SLG『ロード・オブ・ ダンジョン』の事前登録者数が50万人突破 現金20万円が当たる「第三回大喜利キャンペーン」開催
・ケイブ、24時間ダンジョン経営SLG『ロード・オブ・ ダンジョン』のPVを公開 現金10万円が当たるキャンペーンも開始
・ケイブ、24時間ダンジョン経営SLG『ロード・オブ・ ダンジョン』を配信へ 事前登録キャンペーンと大喜利キャンペーンをスタート!
■軌道に乗ってきてから本領を発揮する”経営のおもしろさ”
『ロード・オブ・ダンジョン』の舞台は、良い意味で王道ファンタジーといった世界。一瞬、「俺がこの世界を救う!」と勇者のような気分になったがそうじゃなかった。本作では、自分は冒険家ではなく、小さな村の経営者なのだ。従って、この世界を旅している冒険家たちからお金を巻き上……村の施設で装備品を買ってもらったり、宿屋に泊まってもらうことでお金を稼ぎ、村を発展させて億万長者を目指すのだ!
ひとまず筆者は、自分の村を眺めてみた。まだ施設も少ないが、いずれは大きな都市に発展していくことを想像するだけで顔がにやけてくる。本作は、一定期間が経つと収益報告書が更新され、その期間内の収益やダンジョン生産物を見ることができる。が、しばらく経っても一向に収益が上がる気配がない。当たり前である。筆者はただ漠然と自分の村を眺めていただけだった。
この世界の冒険家たちは、何も筆者の村に観光にくるわけではなく、村の周辺にあるダンジョンに潜ることが目的なのだ。いきなりナンセンスな経営能力を露呈してしまった筆者。収益を上げるため、村の施設のひとつ「酒場」やガチャで、エリアを探索できるメンバーを雇い、ダンジョンを探索させた。未開の地を探索し、新たなダンジョンを発見できたときの「ご苦労様、探索メンバー!」という経営者の上から目線感はたまらない。ゲームを進めていくと、探索できるエリアも広がり、探索に出せるメンバー数も増えていき、新しいダンジョンやモンスター、アイテムを一度に発見できるので、効率も楽しさも倍増していったのは言うまでもない。
発見したダンジョン内には、モンスターが生息しており、占領するためにバトルが発生する。バトルは探索メンバーとは異なる戦闘メンバーが必要。序盤こそ、生息モンスターのレベルが低く、難なく占領できたが、探索エリアを拡大するに従い、恐ろしく強いモンスターに返り討ちにあうこともしばしば。
それでも、探索メンバーが見つけてきたゴールドや、まだわずかだが村の収益を削って、戦闘メンバーをレベルアップさせ、レベルの高いモンスターからダンジョンを奪い取ったときの達成感が実に心地よい。お金を使って社内の人材育成を行い、従業員が結果を出したときの経営者も、きっとこんな感覚なのだろう。未開拓のエリアを守るモンスターの中には、現状では天地がひっくり返っても勝てないほどレベル差のあるモンスターもいるが、そのモンスターを撃破し、新たなエリアのダンジョンを獲得するため戦闘メンバーをさらに強化したくなる気持ちが自然と湧き上がってきた。
▲条件を満たすことで進化させることができる。
占領したダンジョンを経営するというのが、『ロード・オブ・ダンジョン』ならではの斬新な切り口。占領したダンジョンは、ただ放置しているだけでは冒険家たちは潜ってくれない。ダンジョン内に冒険家たちを迎え撃つモンスターや、ダンジョン内で資源や遺物を生産する配置メンバーを雇う必要がある。
各モンスターは、ランクや属性、状態、スキルなどのパラメーターがあり、どのモンスターを配置するか、その組み合わせによって、ダンジョンの状態が変化する。人気のないモンスターを配置したり、モンスター数が少ないとダンジョン訪問者がほとんどいない「不足」の状態に、逆に人気の高いモンスターばかりを配置すると訪問者でダンジョンがあふれかえり「崩壊の危機」になってしまうのだ。
ダンジョンを快適な状態で管理することで、村の収益増につながるというわけ。これで筆者の村の収益も一安心だ。と、油断していると、一度快適にしてダンジョンも、あるモンスターが突然人気になってダンジョン環境のバランスが乱れて崩壊の危機に陥ったり、気づいたら外部モンスターからの侵攻を受けてしまい、収入が減る事態に見舞われてしまった。
そう、最初はひとつ、ふたつのダンジョンを管理しているだけでよかったが、徐々に経営できるダンジョン数が増えていくので、定期的にしっかりと管理する必要があったのだ。正直、最初はちょっぴり面倒くさそうに思えたが、経営しているすべてのダンジョンの状態をリストで確認し、すべて快適だったときの爽快感は、会社の各部門の業績が平均的に良かったときに経営者が感じるソレにきっと近いに違いない。もっといいモンスターの配置の組み合わせはないか? このダンジョンは人気があって収益につながるから拡張させようか、良いダンジョンを発見したからあのダンジョンを閉鎖しようか、など、ゲームを進めて多くのダンジョンを管理するようになると、より経営者としての考えを働かせることができるのもおもしろい。
探索によってエリアを拡大させ、経営するダンジョンが増えると、いよいよ自分の村に冒険家たちが訪れるようになる。そして、いかに冒険家たちのお金を村に落とさせるかで更なる収益につながる。うむ、いよいよ筆者も経営者らしい考え方ができるようになり、経営の楽しさがわかってきた。
村の敷地内には、武器屋や防具屋、旅館、病院を始め、さまざまな施設を配置することができる。いかに村を訪れる冒険家が利用したい施設を充実させられるかが収益につながり、最初は殺風景だった村も、施設を建設していくことで徐々に賑わいを見せていく。最初は雑居ビルの一角から起業し、数年後にオシャレタウンの一等地に自社ビルを構えた経営者がビルを眺める気分はこういうものなのかもしれない。
▲施設が増えて大きくなっていく自分の村を眺めるのも本作の醍醐味のひとつ。
エリアを探索してダンジョンやモンスター、アイテムを発見し、戦闘でそれらをゲットして、管理することで収益を上げる。この一連のサイクルで自分の爵位を上げていけば、村を拡張させてさらに新しい施設を建設できたり、一度に探索できるメンバー数や管理できるダンジョンも増え、さらなる富を得ることができるという、まさに億万長者のルーティーンが、『ロード・オブ・ダンジョン』で味わうことができる。
実際に、始めのころは、収益報告書や探索報告書をチェックしても、「まぁ、こんなものか」という感覚だったが、ゲームをある程度進めて経営が軌道に乗ってきてからは、獲得できるゴールドやダンジョン生産アイテムの種類など、そのボリュームが増え、毎回収益報告書、探索報告書をチェックするのが楽しみになっている自分がそこにいた。この感覚は、気になる異性に送ったメールの返信が出会ったころのそっけない一文からそれなりの文字量だったときの高揚感に似ていると言わざるを得ない!(経営者目線関係なし)
そして、何よりも、現状の報告書よりもより良い結果を出したい、ほかのプレイヤーよりも収益をあげたいと思わせる中毒性と、収益を増やすためにやるべきこと、やれることが多いというやり込み要素が、『ロード・オブ・ダンジョン』の最大の魅力であり、24時間止められないダンジョン経営SLGというのは間違いではないことを、今回のプレイで実感することができた。
■『 ロード・オブ・ダンジョン』
© 2017 CAVE Interactive CO.,LTD. EKGames CO.,LTD. All rights reserverd. ※画面は開発中のものです。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高122億7400万円、営業利益18億7000万円、経常利益19億4300万円、最終利益14億4100万円(2024年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760