12月8日に発表されたgumi<3903>の2018年4月期の第2四半期累計(5~10月)の連結決算は、売上高139億7000万円(前年同期比23.9%増)、営業利益4億1800万円(同25.7%減)、経常利益3億5200万円(同42.2%減)、最終利益1億8300万円(同66.2%減)と増収ながらも減益での着地となった。
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今回はgumiが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
まずは業績の四半期推移(QonQ)を見てみると、第2四半期期間(8~10月)の売上高は69億4600万円(前四半期比1.1%減)、営業利益は2億円(同8.3%減)、経常利益は1億4600万円(同28.8%減)、最終利益は8800万円(同7.4%減)となった。『誰ガ為のアルケミスト』(以下『タガタメ』)など一部既存タイトルの売り上げが落ちたことで売上高は微減収となった。また、各利益項目については、『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)のTVCM放映と新作のプロモーション費用で広告宣伝費がQonQで61.9%増加したことが利益率を押し下げた。
ただし、この広告宣伝費の増加は前回の決算発表時にも方針として打ち出されていたものであり、計画対比で見ると各利益項目はむしろ上ブレしての着地となっている。
続いて、人員数の四半期推移に目を移すと、第2四半期の人員数は前四半期比39人の増加となっている。引き続き、新規タイトルの開発ラインの増強が進められており、国内拠点の人数が前四半期比25名の増加となっている。
次は各タイトルの状況を見てみたい。大きな動きがあったのは、『ファンキル』で「海上編」の実装とTVCM放映など大型プロモーションの実施により売上は好調に推移した。また、10月23日に3周年を迎え機能改修や大型キャンペーンを実施し、ユーザーベースが拡大しており、1月の新章追加によりさらなる売上拡大を図るという。
また、第2四半期期間は、『クリスタル オブ リユニオン』の英語版を東南アジア、オセアニアで配信開始した。海外展開については、『タガタメ』の海外言語版『THE ALCHEMIST CODE』も4言語対応で全世界配信を11月14日より開始しており、配信後約3週間で100万ダウンロードを突破するなど好調なスタートを切っている。
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新作のパイプラインを見ると、現在はオリジナルタイトル6タイトル(海外版含む)に加え、他社IPタイトルを1タイトルを開発中だという。前述の通り、『誰ガ為のアルケミスト』の海外言語版が配信開始となったため、前四半期と比べると2タイトルが新たにパイプラインに加わった形になる。
ただし、パイプライン上のタイトルで情報が明らかになっているのは、これまで既に発表済みの今冬配信開始予定の『ブレフロ2』と今冬事前登録開始予定『ドールズオーダー』の2タイトルとなっており、新たな情報は出ていない状況だ。
なお、2018年4月通期の業績予想は非開示で、同社は第2四半期累計(5~10月)の業績予想を開示。売上高205億7000万円(前年同期比9.8%増)、営業利益4億1800万円(同66.2%減)、経常利益3億5200万円(同73.9%減)を見込んでいる。
この予想に基づく、第3四半期期間(11~1月)の業績見通しは、売上高が前四半期比4.9%減の66億円、営業利益と経常利益はゼロというものになる。『スマッシュ&マジック』『カクテル王子』『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』の寄与が限定的となることを想定して減収を見込んでいるほか、パイプラインの増強による開発費の大幅な増加が予想されるとしている。
この第2四半期については、目新しい材料はなく、『タガタメ』の売り上げ減少と新作3タイトルが伸び悩んだことで売り上げ面でやや苦戦した印象だ。ただ、減収、利益ゼロ予想としている第3四半期については、『タガタメ』の海外言語版の好調な滑り出しを見ると、その貢献が業績予想の上ブレにつながる可能性がありそうだ。
また、今回は新たな情報の発表はなかったが、超有力IPを活用した新作タイトルなど、パイプライン上の開発タイトルの情報は引き続き大きな注目材料となるだろう。
(編集部:柴田正之)
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今回はgumiが開示した決算説明資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。
■『ファンキル』のTVCMと新作プロモで広告宣伝費が61%増加
まずは業績の四半期推移(QonQ)を見てみると、第2四半期期間(8~10月)の売上高は69億4600万円(前四半期比1.1%減)、営業利益は2億円(同8.3%減)、経常利益は1億4600万円(同28.8%減)、最終利益は8800万円(同7.4%減)となった。『誰ガ為のアルケミスト』(以下『タガタメ』)など一部既存タイトルの売り上げが落ちたことで売上高は微減収となった。また、各利益項目については、『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)のTVCM放映と新作のプロモーション費用で広告宣伝費がQonQで61.9%増加したことが利益率を押し下げた。
ただし、この広告宣伝費の増加は前回の決算発表時にも方針として打ち出されていたものであり、計画対比で見ると各利益項目はむしろ上ブレしての着地となっている。
続いて、人員数の四半期推移に目を移すと、第2四半期の人員数は前四半期比39人の増加となっている。引き続き、新規タイトルの開発ラインの増強が進められており、国内拠点の人数が前四半期比25名の増加となっている。
■『タガタメ』海外版が好スタート! 新作パイプラインは2タイトルが追加に
次は各タイトルの状況を見てみたい。大きな動きがあったのは、『ファンキル』で「海上編」の実装とTVCM放映など大型プロモーションの実施により売上は好調に推移した。また、10月23日に3周年を迎え機能改修や大型キャンペーンを実施し、ユーザーベースが拡大しており、1月の新章追加によりさらなる売上拡大を図るという。
また、第2四半期期間は、『クリスタル オブ リユニオン』の英語版を東南アジア、オセアニアで配信開始した。海外展開については、『タガタメ』の海外言語版『THE ALCHEMIST CODE』も4言語対応で全世界配信を11月14日より開始しており、配信後約3週間で100万ダウンロードを突破するなど好調なスタートを切っている。
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新作のパイプラインを見ると、現在はオリジナルタイトル6タイトル(海外版含む)に加え、他社IPタイトルを1タイトルを開発中だという。前述の通り、『誰ガ為のアルケミスト』の海外言語版が配信開始となったため、前四半期と比べると2タイトルが新たにパイプラインに加わった形になる。
ただし、パイプライン上のタイトルで情報が明らかになっているのは、これまで既に発表済みの今冬配信開始予定の『ブレフロ2』と今冬事前登録開始予定『ドールズオーダー』の2タイトルとなっており、新たな情報は出ていない状況だ。
■パイプラインの増強で開発費の大幅増加を見込む
なお、2018年4月通期の業績予想は非開示で、同社は第2四半期累計(5~10月)の業績予想を開示。売上高205億7000万円(前年同期比9.8%増)、営業利益4億1800万円(同66.2%減)、経常利益3億5200万円(同73.9%減)を見込んでいる。
この予想に基づく、第3四半期期間(11~1月)の業績見通しは、売上高が前四半期比4.9%減の66億円、営業利益と経常利益はゼロというものになる。『スマッシュ&マジック』『カクテル王子』『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』の寄与が限定的となることを想定して減収を見込んでいるほか、パイプラインの増強による開発費の大幅な増加が予想されるとしている。
■まとめ
この第2四半期については、目新しい材料はなく、『タガタメ』の売り上げ減少と新作3タイトルが伸び悩んだことで売り上げ面でやや苦戦した印象だ。ただ、減収、利益ゼロ予想としている第3四半期については、『タガタメ』の海外言語版の好調な滑り出しを見ると、その貢献が業績予想の上ブレにつながる可能性がありそうだ。
また、今回は新たな情報の発表はなかったが、超有力IPを活用した新作タイトルなど、パイプライン上の開発タイトルの情報は引き続き大きな注目材料となるだろう。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903