【エイチーム決算説明会】3Qは「エンタメは新作寄与、ライフとECは繁忙期でQonQで伸びる予想」(林社長) 期中はIncrementsがグループ入り
エイチーム<3662>は、3月9日、東京都内で2018年7月期の第2四半期(8~1月)の決算説明会を開催した。同日に発表した2018年7月期の第2四半期の連結決算は、売上高180億6900万円(前年同期比18.2%増)、営業利益20億5600万円(同2.0倍)、経常利益20億7600万円(同93.9%増)、四半期純利益14億3300万円(同2.2倍)となった。
説明会では、同社の林高生社長が決算概要やセグメント別の事業状況、足元の第3四半期の進捗などの説明を行った後、質疑応答が行われた。今回はその会見の様子をまとめてみた。
■ライフ事業をけん引役にQonQで増収増益を達成
まずは第2四半期期間(11~1月)の業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比2.9%増の91億6500万円、営業利益は同13.5%増の10億9300万円、経常利益は同11.8%増の10億9600万円、四半期純利益は同11.4%増の7億5500万円となった。エンターテインメント事業(以下、エンタメ事業)は、『ユニゾンリーグ』の年末年始イベント施策が功を奏したものの、QonQではほぼ横ばいという推移になっており、この四半期はライフスタイルサポート事業(以下、ライフ事業)がQonQで売上高9.1%増、セグメント利益24.7%増となったことが業績をけん引した格好となっている。
続いて広告宣伝費の推移を見てみると、エンタメ事業は年末年始のイベントで広告宣伝費を投下したものの、全体では抑制したこともあり、過去3四半期とほぼ同水準にとどまった。一方、ライフ事業は次の第3四半期が繁忙期に当たるため、プロモーションを強化したこともあり、過去最高水準の広告宣伝費を投下する形となっている。
人員数の四半期推移は、前四半期比65名の増加と大きく増加した。これは採用が順調に進んだことに加え、昨年12月にプログラマ向けの技術情報共有サービス「Qiita」などを手掛けるIncrementsを子会社化(関連記事)したことによる影響も含まれている。なお、Incrementsの人員はライフ事業にカウントしているとのこと。
■エンタメ事業はほぼ横ばい ライフ事業は全分野が増収に
次にセグメント別の状況を見てみたい。まずはエンタメ事業だが、前述のとおり、『ユニゾンリーグ』の年末年始イベント施策が寄与したものの、QonQで0.1%増とほぼ横ばいの売上高での着地となった。一時期好調だった『ヴァルキリーコネクト』が引き続き落ち込んでいるという。なお、海外売上高比率は28%とこちらも前四半期から大きな変化はない状況だ。
続いてライフ事業は、四半期ベースで過去最高の売上高を更新するなど好調だった。この第2四半期は引越し関連、自動車関連、ブライダル関連、金融メディアのいずれもがQonQでもYonYでも増収となっており、バランスよく成長した印象だ。
EC事業については、この第2四半期が需要の谷間にあたることもあり、QonQでは減収となった。ただし、YonYでは72.5%の増収となっており、事業としての規模は着実に成長してきている。現時点では投資が先行している段階にあるが、今後どのくらいの時期に収益化が実現してくるのかにも関心が募るところだ。
■3Qは各事業とも「QonQで大きく伸びる予想」(林社長)
足元第3四半期については、「エンタメ事業は新作の寄与、ライフ事業とEC事業は繁忙期でQonQで大きく伸びる予想」(林社長)としていた。中で変動リスクとなりそうなのは、エンタメ事業の新作が順調にリリースとなるのかどうかだが、担当の中内之公エンターテインメント事業本部長によると、「現状遅れているが大きなトラブルや課題があるわけでない」とのこと。
また、2月には福岡オフィスをオープンしているが、これは仮オフィスの形で「人数は数名でのスタート」(林社長)となっている。ちなみに「今年の夏には移転も予定」(同)しているという。
■不確定要素を踏まえて通期予想は据え置き
2018年7月期通期の連結業績予想は、新作など不確定要素を踏まえ、売上高400億円(前期比15.6%増)、営業利益47億円(同15.3%増)、経常利益47億円(同14.1%増)、当期純利益31億円(同20.2%増)と従来予想を据え置いている。
エンタメ事業の新作は、1~2本の予定で業績予想にはリリース時のプロモーション費用を織り込む一方で、収益貢献は保守的に予想しているという。
なお、Incrementsの子会社化については、採用面でのメリットに加え、「新しい技術をキャッチする部分でシナジーを期待している」(同)とのことだ。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662