【コロプラ決算説明会】2Qは通期計画対比の進捗率で売上高47%、営業利益52%とほぼ計画通り 3Q広告宣伝費は「11億円台を見込む」(馬場社長)


コロプラ<3668>は、5月9日、2018年9月期の第2四半期(10~3月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した第2四半期決算は、売上高235億5800万円(前年同期比13.6%減)、営業利益41億8000万円(同43.2%減)、経常利益38億7000万円(同49.6%減)、最終利益26億0300万円(同46.7%減)となった。

決算説明会では、同社の馬場社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■QonQで売上高9%減、営業益9%減と減収減益に


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見ると、第2四半期期間(1~3月)の売上高は前四半期比9.6%減の111億8700万円、営業利益は同9.8%減の19億8200万円、経常利益は同25.1%減の16億5700万円、最終利益は同7.5%減の12億5100万円となった。

もともと年末需要からの反動が出やすいという季節要因により、QonQベースで減収となりやすい傾向にある同社の第2四半期だが、累計業績が通期計画対比の進捗率で売上高で47%、営業利益で52%に達するなどほぼ計画通りの推移となっている。
 

費用面では、『白猫プロジェクト』や『ディズニー ツムツムランド』『アリス・ギア・アイギス』でTVCMを放映しつつも広告宣伝費を前四半期比で5億円減まで抑制したことが、この四半期の特徴として表れている。なお、続く第3四半期については、大型コラボ、各種周年に向けたプロモーションで2億円増の「11億円台を見込んでいる」(馬場社長)とのこと。

また、ロイヤリティがQonQで減少しているのは、『ツムツムランド』のリリース直後の過熱感が過ぎ去り、「安定フェーズに入った」(同)ためだという。
 

続いて従業員数の推移を見てみると、グループ全体ではほぼ横ばいとなっているものの、同社単体では30名の減少となっている。これはグッズ企画販売、イベント企画運営およびLAP事業を子会社に事業承継したことなどが要因となる。

「人の採用、確保、クリエイターの育成に苦労している」(同)とのことで、これは足元の業界全体の大きな課題となっていると言えそうだ。
 
 

■『黒猫のウィズ』の5周年イベント成功でFY13ものが伸長


次にリリース時期別等売上推移を見ると、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』を含むFY13ものが大きく伸長している。これは、『黒猫のウィズ』で実施した5周年イベントが成功したことによるもの。

また、FY18ものが伸びているのは、『ツムツムランド』に続き、1月22日にリリースした『アリス・ギア・アイギス』の貢献が始まったため。
 


新作の開発状況については、パイプラインに新規開発承認された3本が加わり、合計12本のスマホゲームの開発が進められている。他社IPタイトルについては、現在2タイトルがパイプライン上にあるもよう。

なお、5月8日に発表した新作『バクレツモンスター』については、「暑い時期に出せれば」(同)とし、今夏のリリースを目指して開発を進めているようだ。
 

また、前述のとおり、5周年イベントが成功した『黒猫のウィズ』は、5周年記念のサントラ、アートブックの予約数も好調に推移しているとのこと。2018年夏には同社タイトル初のコンサート「魔法使いと黒猫のウィズ Live Concert 2018」も開催予定で、こうした自社IPの展開も着実に取り組みが進められている。
 
 

■3Qは複数の他社IPコラボを計画


2018年9月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高500億円(前期比4.3%減)、営業利益80億円(同38.1%減)、経常利益74億万円(同42.6%減)、最終利益51億円(同41.3%減)を見込んでいる。

第3四半期期間には、他社IPとのコラボイベントが複数控えているほか、第4四半期には『白猫PJ』と『白猫テニス』の周年イベントの開催が予定されており、下期に攻めに転じることができるのか、注目されるところだ。
 
 
(編集部:柴田正之)


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株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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