【SPAJAM2018】最優秀賞は「まどや」が獲得! 車椅子利用者の電車移動を支援するアプリ『WheelFree!』を開発
モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、この日(7月9日)、国内最大級のスマートフォンアプリのハッカソンイベント「SPAJAM 2018」の表彰式を開催し、最優秀賞として、『WheelFree!』を開発したチーム「まどや」(西中 智樹、山崎 好洋、玉木 英嗣、鈴木 歓喜、安藤 祐貴)を選定した。
開発したアプリは、車いす利用者の電車乗降予約サービスアプリだ。車いす利用者が乗車予約するために必要な情報を入力すると、アプリが音声言語に自動的に変換し、希望する駅に電話予約してくれる。車いす利用者が電車移動の不便さを解消するとともに、事前に連絡が来るので駅員の負担を軽減することができる。
「まどや」のチーム代表は、「率直にいって嬉しい。2時までブレストしまくって出たアイディアを本気で開発して実装した。全員が納得できる状態で実装できたのが良かったのではないか」とコメントした。
評価ポイントは、世の中の潜在的な問題点を掘り起こして解決しようという考えだった。「市場やビジネスなどの課題はあるが、社会的に意義のあることをやろうというのは素晴らしい」。一方、鉄道会社が再度、聴き直すことができるなど、受け付ける鉄道会社の人も聞きやすいように配慮している点も高評価だった。
そのほか、優秀賞、審査員特別賞の受賞チームは以下のとおり。
■優秀賞
【チーム名】温泉行きたいチーム@React Native
【内容】旅行中、移動のお供として起動すると、移動のあとに思い出や感情を再現したマップを作成し、共有、思い出の追体験を促すアプリ。バックグランドで動作しており、自動的に位置情報をとるほか、設定したハッシュタグでTwitterでつぶやくと、すごろくマップを作成してくれる。すごろくは遊ぶことが可能。
【アプリ名】『#RETRAVEL』
【講評】審査員か、旅の情報をまとめるだけでなく、すごろくをつくるところが面白いと好評だった。個人的には、ユーザーにほとんど操作をさせない所が良いと思った。アプリで色々とやってもらいたいと思っても、ユーザーはアプリでは面倒なことはなかなかやりたがらない。シンプルでハッシュタグを入れるだけ、というところが良かった。
【チーム名】おなかすいた(松尾 卓朗、神武 里奈、最上 聖也、平田 章、馬場 南実)
【アプリ名】『JUMP&TRIP』
内容】自撮り画面と様々な場所を合成して、世界中の観光地や名所などに行ったかのように体験できるアプリ。自撮りも可能。また、その場所に行きたいとき、観光情報なども誘導することで、モビリティ(移動)を促進する。顔認識技術を活用。Thetaで撮影した360度映像を組み合わせているとのこと。
【講評】過去に似たようなアプリが受賞したことがあった。そういうのがいいのかとなったが、画像の合成部分は荒いが、技術的、エンジニアリングとして正しいことをやっているところを評価が高かった。また細かいところまで作り込んでいるところも良かった。
■審査員特別賞
【チーム名】卍(会津 慎弥、矢野 颯太、高畑 孝輝、池田 俊輝、永井 智大)
【アプリ名】『どこなのさしすせそ』
【内容】食器型ガジェット型モビリティ&デバイスAPP。砂糖や塩、しょうゆなど入れ物などを探しているとき、アプリを起動してタップや声、ジェスチャーで指示を与えると動作して存在をアピールしてくれる。たとえば「塩はどこか」や塩のボタンをタップで塩の入った容器が自動的に動いてアピールしてくれる。
【講評】モビリティから震えるところに着想を転換したところが良かった。また、動きの可愛らしさも印象的だった。手持ちのパーツであそこまでよく実装したところを評価した。
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▲各賞の発表に先立ち、副委員長の越智政人氏が「SPAJAM」について、モバイルコンテンツ業界の健全な発展を目指したMCFの活動の一環となる。世界に通じるアプリクリエイターを輩出するという考えから開催しているという。イベントを通じて体験したことを今後のアプリ開発に役立てて世界にはばたいてもらいたい」と呼びかけた。
▲及川卓也氏は総評として、「個人的には電車やタクシーなどが便利に乗れるようになるものしか思いつかなかったが、様々なバリエーションのものが出てきて面白かった」と感想を語った。アプリの実装までできないチームがあったが、まずデモをつくっておくほうが良いとアドバイスを送った。今回受賞できなかったところも次回に挑戦してほしいと述べた。またいくつかのアプリにはアイディア面でのアドバイスも行った。
▲箱根町長の山口昇士氏も来賓として登壇した。
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