【サイバーエージェント決算②】メディア事業はAbemaTVの広告と課金収入伸び20%の増収 成長事業になったが収益化は「さらさら考えていない」 今後も投資継続
サイバーエージェント<4751>の藤田晋社長(写真)は、AbemaTVを中心とするメディア事業について「成長事業になっている」とコメントした。「AbemaTV」とマッチングアプリ「タップル誕生」が増収をけん引しており、メディア事業の売上高は前年同期比(YonY)で20.5%増の78億円に拡大した。AbemaTVについては、WAU(週次アクティブユーザー数)とMAU(月次アクティブユーザー数)が一定の山を作りながらベースが徐々に上がっており、広告収益と課金収入が伸びているという。
注目すべきポイントとして、ユーザーの視聴スタイルに変化が出ていることも明らかにした。昨年6月時点ではリニア視聴が77%を占めていたが、リニアとオンデマンド視聴の双方を利用するユーザーが62%に増えたそうだ。オンデマンドは有料の「プライム会員」のみが利用できるサービスで、課金収入の伸びにつながっている。「テレビ局が録画する層を収益源として取り込めていない」ことを課題として取り入れたものだったが、一定の成果が出ている。今後、オンデマンドで視聴する場合、無料でCMを入れるなどの施策を行う考え。
このほか、やや大きなトピックスと感じたのは、ソニーの4Kブラビア対応リモコンにAbemaTVのボタンが追加されたことも明らかになったことだろう。インターネットに接続するテレビが普及する中、これは大きな一歩といえよう。藤田社長は、ソニー以外のテレビメーカーとも協議を行っている最中とし、今後、採用されるテレビが増えていく可能性があると示唆した。
視聴者数、売上ともに順調に伸びているAbemaTVだが、収益化については「さらさら考えていない」「10年がかりで立ち上げるつもりでやっており、粘り強くやっていく」と述べ、引き続き投資を行っていく考えを示した。今後もAbemaTVへの投資については番組制作がメインとなるが、来期(2019年9月期)の年末年始にはプロモーションに一部使う考えもあるとのこと。来期の投資額については、次回の決算説明会で開示する予定だ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高8029億9600万円、営業利益418億4300万円、経常利益414億7500万円、最終利益162億4600万円(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751