【Aiming決算説明会】『ゲシュタルト・オーディン』は「10月25日にグランドオープン」(椎葉社長) 4Qは『ログレス』『キャラスト』の周年効果も寄与


Aiming<3911>は、10月26日、東京都内で2018年12月期の第3四半期(1~9月)の決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された第3四半期決算は、売上高55億1900万円(前年同期比10.6%増)、営業損益11億2000万円の赤字(前年同期19億2600万円の赤字)、経常損益11億4200万円の赤字(同19億3000万円の赤字)、最終損益11億5800万円の赤字(同19億5100万円の赤字)となった。

決算説明会では、同社の椎葉社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■3Qは新作の共同開発化で開発費負担が軽減 繁体字版『キャラスト』は好発進


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第3四半期期間(7~9月)は、売上高が前四半期比5.0%減の17億2800万円となった一方で、営業損益は500万円の赤字、経常損益は700万円の赤字、四半期純損益は1900万円の赤字と前四半期比で赤字幅が大きく縮小した。これは2019年リリース予定タイトルが共同事業化されたため、開発費負担が減少するとともに、これまでの開発費用の負担分も同様にこの四半期でまとめて計上した影響が大きく出ている。
 


一方、減収の要因についてだが、こちらは前四半期に受託タイトルの権利譲渡を行っており、「その影響による1億円の影響」(椎葉社長)がなくなったことが大きいものとなっている。なお、自社開発・配信タイトルの売り上げが伸びているのは、繁体字版『CARAVAN STORIES』(以下『キャラスト』)の寄与によるものだという。
 

続いて従業員数の推移を見てみると、こちらは前四半期の期末対比で30人の増員となった。増えたのは台湾の従業員数で、台湾での『キャラスト』のサービスを自社運営で開始したことで「運営人員の増員を行った」(同)ほか、グラフィックなどの制作スタッフも増強したとのこと。日本の従業員数はほぼ横ばいの推移となっているが、こちらは無理に増やすことも減らすことも行っていないとしていた。
 

次に各タイトルの状況を見てみよう。まずは主力タイトルの『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下『ログレス』)だが、「状況は大きくは改善していない」(同)という。ただ、コラボの実施などで9月にアクティブユーザーが回復したとのことで、12月17日の5周年に向けて、いかに課金も行ってもらうような施策を展開できるかが大きな課題となってきそうだ。
 

次に『キャラスト』は、前述の通り、繁体字版が良好なスタートを切っており、本作の「全体の25%を超える売り上げが繁体字版」(同)が占めているとのこと。こちらも11月28日にサービス開始1周年を迎えることで、第4四半期は周年施策をどう盛り上げていくかが大事になってくるところ。

また、2019年にはPS4版を配信開始する予定であるほか、中国・上海のX.D.社とライセンス契約による中国本土・韓国版の配信を予定している。ただし、中国本土版については、昨今問題になっている許可の問題が影響しており、リリース時期などはまだ不透明なもようだ。
 
 

■『ゲシュタルト・オーディン』がリリース 『戦国大河』の開発・運営を担当


新作については、10月18日にスクウェア・エニックスとの共同タイトル『ゲシュタルト・オーディン』が配信開始となり、現在はパイプラインは4タイトルとなっている。共同事業化となったのは、先般発表されたマーベラス<7844>との新作スマホゲームの共同開発で、こちらは2019年配信予定となっている。
 

『ゲシュタルト・オーディン』については、10月18日にリリースしたが、これは「プレオープンの状態で、10月25日にグランドオープンした」(同)とのこと。25日まではマーケティングなども行っていなかったが、今後はマーケティングやゲーム内施策を展開し、市場での存在感を上げていくことができるのか注目されるところ。
 

先日、事前登録が開始されたバンダイナムコオンラインの『戦国大河』は、同社がこれまで2018年にリリースするとしていたオリジナルのMMOSRPGで同社は開発・運営を担当することになる。こちらは10月23日より事前登録を開始しており、年内のリリースが予定されている。
 

なお、詳細が不明なのは、年内リリース予定のアニメ系IPタイトルと2019年リリース予定のゲーム系IPタイトルとなるが、アニメ系IPタイトルについては、「年内配信予定で進んでいる」(同)としていた。
 

■4Qは大幅増収、黒字化の見通し 既存2タイトルの周年イベント効果と新作寄与で


2018年12月期の通期の予想は、売上高77億8800万円(前期比14.0%増)、営業損益10億4900万円の赤字、経常損益10億7700万円の赤字、最終損益10億9500万円の赤字の見込みで、この前提となる第4四半期期間(10~12月)の業績予想は、売上高22億6800万円(前四半期比31.2%増)、営業利益7100万円、経常利益6400万円、最終利益6200万円という予想になる。

売上高がQonQで大きく伸びるのは、前述の通り、既存の主力タイトルの『ログレス』と『キャラスト』がともにこの第4四半期期間で周年イベントを実施する効果に加え、「新作の『ゲシュタルト・オーディン』の売り上げも入っている」という。

また、販売管理費が大きく増加する見通しとなっているが、これは既存タイトルの年末プロモーションを予定しているため広告宣伝費が増加することによるものとなっている。
 
 
(編集部:柴田正之)