ミクシィ<2121>は、11月8日、東京都内で2019年3月期第2四半期(7~9月)の決算説明会を開催した。説明会に先立って発表した連結決算では、売上高710億円(前年同期比23.8%減)、営業利益207億円(同43.9%減)、経常利益207億円(同44.0%減)、最終利益129億円(同48.6%減)と減収減益だった。
決算説明会に臨んだ木村こうき代表取締役社長(写真)は、『モンスターストライク』の売上減少による通期予想から下方修正を発表した。ただし、同タイトルの売上の改善は着々と進めている。ミクシィの提供する価値は「みんなでわいわい盛り上がる場所を提供していくこと」と述べ、「既存の『モンスト』を守っていては成長できない。喜んでもらえるような新機能を開発して新たな驚きを提供したいと」と今後の同タイトルの方向性を示した。
同社の売上の大半占める『モンスターストライク』は今後どのような施策を持って運営していくのか、第2四半期の状況を踏まえて見ていこう。
■第2四半期はQonQで増収も減益。広告宣伝費がかさむ
第2四半期(7~9月)の数字を見ると、売上高364億円(前四半期比[QonQ]5.6%増)、営業利益96億円(同12.1%減)、経常利益97億円(同11.5%減)、最終利益が56億円(同22.8%減)と増収減益となった。
第1四半期に比べて『モンスターストライク』のARPPUは回復したものの、開発費と外注費の増加、特に広告宣伝費がQoQで32.7%増(17億2400万円増)の69億9100万円となり利益を圧迫した。この広告宣伝費はXFLAG PARK 2018の開催と、『モンスターストライク』の大型IPコラボ及びアニメの配信開始によって増加したという。
■『モンスト』国民的IP化への取り組み、5周年イベントで回復したMAUで下期回復を狙う
第2四半期の『モンスターストライク』での取り組みは、「ソードアート・オンライン」 、「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」、 「ミッキーマウス」とのコラボを行なった。7月はXFLAG PARK 2018の開催とキャラクターの獣神化が功を奏し、MAUは上向きだったものの8月と9月は低調に推移した。
ただし第3四半期の期初である10月には、5周年イベントや大型アップデートを実施し、MAUは増加した。また子供向けの番組や知育系の家族向けのVR施設を運営するプレースホルダと組んで展開するなど国民的IP化に向けての準備は着々と進めている。
なお、新規IPではニンテンドー3DSとスマートフォンでマルチプレイが楽しめる『モバイルボール』のリリースが延期となった。理由は開発の遅れによるもので配信は2019年春になるとのこと。
同社は例年第4四半期に大幅に売上を伸ばす計画だが、毎年恒例の新限定キャラクターの追加を行っているのがその理由となる。過去には、新限定キャラ「マナ」や、古くは「ルシファー」といった人気キャラクターが登場しており、売上への期待は大きい。第3四半期は『モンスターストライク』の5周年イベント開催で上がったユーザーの熱量とMAUをどこまで維持、あるいは高めて第4四半期に引き継げるかがポイントになりそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121