▲木村弘毅社長(今年5月の決算説明会で撮影)
ミクシィ<2121>は、8月9日、の連結決算についてのテレフォンカンファレンス(電話会議)による説明会を実施した。説明会に先立って発表した2020年第1四半期(4-6月)の連結決算を発表し、売上高207億8000万円(前年同期比39.9%減)、営業利益16億3700万円(同85.2%減)、経常利益16億8300万円(同84.7%減)、最終利益11億3400万円(同84.4%減)となった。
2020年第1四半期のエンターテインメント事業売上は前年同期比、前期比共に減収で、その要因は同社の売上のかなりの割合を占める『モンスターストライク』(モンスト)の低迷によるものだった。同タイトルの現状とこれからの展望を中心に決算説明会の内容をお伝えしていく。
■YoYでエンターテインメント事業の売上が40%減、『モンスト』のARPUが4月に伸び悩む
同社の売上・利益の大半は『モンスト』となっている。そのため、同タイトルの売上がそのまま業績に反映されるが、前期のエンターテインメント事業の売上が前年同期比4割減と大幅な減収となった。その減収の理由として、4月のARPUに伸び悩みにあったという。
また売上原価では、映画『プロメア』および『パンドラとアクビ』の制作費計上や「モバイルボール」およびその他新規事業の開発中⽌に伴い、その他資産で計上していた開発費等を⼀括で費⽤に振替えたことで外注費がYoYで増加した。販管費では「モバイルボール」およびその他新規事業の開発中⽌に伴い、その他資産で計上していた開発費等を⼀括で費⽤に振替えたことで外注費がYoYで増加、チャリロト社の連結に伴う「のれん償却費」なども発生した。決済手数料を除けばQoQとYoYでおおよそ横ばいといったところで、1Qは『モンスト』の売上低迷が目立つ結果となった。
▲Q4と比べて大幅な人員が増加している。新卒が4月に20名程度入社。チャリロト、スフィダンテ、またエンタメ事業に関してはスポーツなど中長期的に柱となる事業に取り組む人材が増えたという。
■『モンスト』の5〜6月のARPU は回復傾向、7月のMAUは前年を上回る推移に
『モンスト』の5〜6月の状況に関してはARPU は回復傾向にあり、ほぼ想定通りとのこと。またMAUに関しては前期比の約10%減だが、今期(7月)に入り前年を上回る推移を見せているという。MAUの回復に関しては7月に開催した XFLAG PARK の影響が大きいことに加え、来期に行う6周年へのカウントダウン等、その後キャンペーンを連続で実施していることによる相乗効果によるものだという。現在『モンスターストライク』事業のトップに3周年の際に劇的な回復を成し遂げたマーケティング責任者の根本氏を据えており、短期での業績V字回復をゴールとした「モンスターストライクのリバイブ」を進めている。
また中⻑期で見ると、モンスト】「モンストブランド」の提供価値最⼤化としており、その一つが新作『モンストドリームカンパニー』となる。それ以外にも『モンスト』IPを利用したタイトル開発も検討中とのこと。その一方で『モンスト』だけに頼らないポートフォリオの拡充も行っていく。その第一弾となったのが、セガゲームスより『共闘ことばRPG コトダマン』の譲受となる。『共闘ことばRPG コトダマン』では、モンスト運営で培ったゲーム運営やマーケティングのアセット・ノウハウを注ぎ込み成長加速させるのを狙いとしている。さらに外部のゲームクリエーターを起⽤したタイトルなども進めているという。
■高まる『モンスト』の熱量を周年イベントと年末年始まで維持がポイント
2020年3月通期は、売上高1000億円(前期比30.6%減)、営業利益50億円(同87.8%減)、経常利益50億円(同87.8%減)、最終利益30億円(同88.7%減)を見込んでおり、従来予想からは変更はないという。
また『共闘ことばRPG コトダマン』の運営譲受も業績に与える影響は軽微としている。また新作タイトルである、『モンストカンパニー』もカジュアルゲームとしており売上への寄与は未知数だ。スポーツ事業やライフスタイルに関しても現時点では大きなインパクトは見込みにくい。
ただし、主力である『モンスト』のMAUが回復傾向にあることは朗報で、木村社長が「『モンスト』の直近のMAUが昨年を上回るなどかなり良い傾向」と話したこともあり、期待は非常に高いようだ。高まっている『モンスト』の熱量をそのまま3Qに行う周年イベントに活かせるか、また大きな売上が見込める年始の4Qに引き継げるかが2020年3月期のポイントになりそうだ。
ミクシィ<2121>は、8月9日、の連結決算についてのテレフォンカンファレンス(電話会議)による説明会を実施した。説明会に先立って発表した2020年第1四半期(4-6月)の連結決算を発表し、売上高207億8000万円(前年同期比39.9%減)、営業利益16億3700万円(同85.2%減)、経常利益16億8300万円(同84.7%減)、最終利益11億3400万円(同84.4%減)となった。
2020年第1四半期のエンターテインメント事業売上は前年同期比、前期比共に減収で、その要因は同社の売上のかなりの割合を占める『モンスターストライク』(モンスト)の低迷によるものだった。同タイトルの現状とこれからの展望を中心に決算説明会の内容をお伝えしていく。
■YoYでエンターテインメント事業の売上が40%減、『モンスト』のARPUが4月に伸び悩む
同社の売上・利益の大半は『モンスト』となっている。そのため、同タイトルの売上がそのまま業績に反映されるが、前期のエンターテインメント事業の売上が前年同期比4割減と大幅な減収となった。その減収の理由として、4月のARPUに伸び悩みにあったという。
また売上原価では、映画『プロメア』および『パンドラとアクビ』の制作費計上や「モバイルボール」およびその他新規事業の開発中⽌に伴い、その他資産で計上していた開発費等を⼀括で費⽤に振替えたことで外注費がYoYで増加した。販管費では「モバイルボール」およびその他新規事業の開発中⽌に伴い、その他資産で計上していた開発費等を⼀括で費⽤に振替えたことで外注費がYoYで増加、チャリロト社の連結に伴う「のれん償却費」なども発生した。決済手数料を除けばQoQとYoYでおおよそ横ばいといったところで、1Qは『モンスト』の売上低迷が目立つ結果となった。
▲Q4と比べて大幅な人員が増加している。新卒が4月に20名程度入社。チャリロト、スフィダンテ、またエンタメ事業に関してはスポーツなど中長期的に柱となる事業に取り組む人材が増えたという。
■『モンスト』の5〜6月のARPU は回復傾向、7月のMAUは前年を上回る推移に
『モンスト』の5〜6月の状況に関してはARPU は回復傾向にあり、ほぼ想定通りとのこと。またMAUに関しては前期比の約10%減だが、今期(7月)に入り前年を上回る推移を見せているという。MAUの回復に関しては7月に開催した XFLAG PARK の影響が大きいことに加え、来期に行う6周年へのカウントダウン等、その後キャンペーンを連続で実施していることによる相乗効果によるものだという。現在『モンスターストライク』事業のトップに3周年の際に劇的な回復を成し遂げたマーケティング責任者の根本氏を据えており、短期での業績V字回復をゴールとした「モンスターストライクのリバイブ」を進めている。
また中⻑期で見ると、モンスト】「モンストブランド」の提供価値最⼤化としており、その一つが新作『モンストドリームカンパニー』となる。それ以外にも『モンスト』IPを利用したタイトル開発も検討中とのこと。その一方で『モンスト』だけに頼らないポートフォリオの拡充も行っていく。その第一弾となったのが、セガゲームスより『共闘ことばRPG コトダマン』の譲受となる。『共闘ことばRPG コトダマン』では、モンスト運営で培ったゲーム運営やマーケティングのアセット・ノウハウを注ぎ込み成長加速させるのを狙いとしている。さらに外部のゲームクリエーターを起⽤したタイトルなども進めているという。
■高まる『モンスト』の熱量を周年イベントと年末年始まで維持がポイント
2020年3月通期は、売上高1000億円(前期比30.6%減)、営業利益50億円(同87.8%減)、経常利益50億円(同87.8%減)、最終利益30億円(同88.7%減)を見込んでおり、従来予想からは変更はないという。
また『共闘ことばRPG コトダマン』の運営譲受も業績に与える影響は軽微としている。また新作タイトルである、『モンストカンパニー』もカジュアルゲームとしており売上への寄与は未知数だ。スポーツ事業やライフスタイルに関しても現時点では大きなインパクトは見込みにくい。
ただし、主力である『モンスト』のMAUが回復傾向にあることは朗報で、木村社長が「『モンスト』の直近のMAUが昨年を上回るなどかなり良い傾向」と話したこともあり、期待は非常に高いようだ。高まっている『モンスト』の熱量をそのまま3Qに行う周年イベントに活かせるか、また大きな売上が見込める年始の4Qに引き継げるかが2020年3月期のポイントになりそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121