【マイネット決算説明会】チャレンジ不発で第2四半期は2.19億円の営業赤字に ゲーム運営は"原点回帰"で立て直しへ M&AやAI、クラウドゲーミングを新しい成長の柱に



マイネット<3928>は、8月15日、第2四半期の決算説明会をマイネット本社で開催した。前日に発表した第2四半期累計(1月~6月)の連結決算をみると、売上高59億4400万円(前年同期比7.4%増)、営業損益3億8100万円の赤字(前年同期4億2900万円の赤字)、最終損益9億0800万円の赤字(同35億2800万円の赤字)だった。売上高は予想値を6500万円、営業損益は2億1900万円下回っての着地となった。

下振れの原因は、赤字タイトルを買い取って再設計した上でリリースする「再設計型」や、既存タイトルで新機能開発などで売上伸長を狙う「グロスアップ」が期待した成果を上げることができなかったことが主な要因だ。上原仁社長(写真)は、すでに報じたように、同社では「再設計型」の買取は以後行わず、利益の着実に出るタイトルに限定して買取を行う方針を明かした。

同時に成長戦略も変更した。既存事業で着実に収益を稼ぎつつ、得意とするM&A(企業買収)やAIを活用したソリューション、クラウドゲーミングタイトルの新規開発に着手したことを明らかにした。成長事業が業績に貢献するかは未知数だが、既存事業の立て直しで、来期(2020年12月期)は4億円の営業利益、2021年12月期以降は15億円を目指すという。


 
■4~6月の業績

続いて、4~6月の業績を見ていこう。まず、売上高については、前四半期比(QonQ)で1.6%減の29億4700万円と減収となった。新たに4タイトルの運営を開始したものの、3タイトルがサービス終了となったことに加えて、既存タイトルの売上が逓減したことが主な要因だった。運営タイトル数は37本となった。
 


営業損益は、2億1900万円の赤字となり、前四半期の1億6200万円の赤字から赤字幅が拡大した。EBITDAについても3500万円の赤字だった。17四半期ぶりの赤字になったという。チャレンジタイトルでコスト負担に対して売上が思うように伸びなかったことが要因だ。
 

▲既存タイトルの売上減とコスト増に加えて、第2四半期の仕入れタイトルのコスト増が売上増を上回ったという。


また、最終損益については6億1700万円の赤字だった。前の期の2億9000万円から赤字幅が拡大した。こちらも営業赤字幅の拡大に加えて、買取時に策定した回収計画通りに進んでいない2タイトルの減損損失を特別損失に計上したことによる。

 
▲費用の推移。チーム合流型の買取や新卒社員の入社などがあったため、人件費がQonQで17.5%増の9億5900万円に増えた。売上高に対する比率が32.5%と直近の四半期ではかなり高水準となっている。膨らんだ外注費や人件費については削減するなど構造改革を行なっていくという。


なお、買い取ったタイトルの回収状況についてだが、2014年~2016年に仕入れたタイトルについてはすでに全額回収が完了した。20今期については問題となった再設計型となるため、回収に遅れが生じている。
 


このうち、大型案件をフォーカスすると、ポケラボ案件については回収率が251%に達した。クルーズは、インシデントの影響で一部タイトルが毀損したが、74%まで回収が完了した。2018年4月に買い取ったグラニ案件については順調に進捗しており、回収率75%まで進んだ。
 


 
■2019年12月通期の予想

続く2019年12月通期は、売上高119億4400万円~122億4400万円(前期比1.6%減~0.9%増)、営業損益7億8100万円の赤字~6億3100万円の赤字、経常損益8億1800万円の赤字~6億6800万円の赤字、最終損益2500万円の赤字~1億2400万円の黒字を見込む。従来は、売上高のみ予想を開示し、133億4900万円とし、営業黒字を見込んでいたが下方修正となった。
 


今後の展開については、すでに記事として取り上げているのでそちらを参照いただきたい。


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これは余談となるが、決算説明会は、決算発表の翌日だったが、会場はほぼ満席だった。スマホゲーム会社の赤字決算や減益決算が増える中、市場関係者からの注目度が下がっており、参加者が随分減っている印象があったので、今回の盛況ぶりはちょっとした驚きであった(稀に従業員を動員しているケースもあるのだが…)。

多くの会社は、引け後の15時に決算発表を行なった後、大手町や茅場町などで決算説明会を開催しているが、昨今の状況から同じ時間に説明会があるとどうしても優先度が低くなりがちだ。決算説明会への参加者が少ないと悩んでいる会社は、テレカン以外に同社のように他社と被りづらい時間に説明会を開催するのも一考ではないか。


 
(編集部・木村英彦)
株式会社マイネット
http://mynet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社マイネット
設立
2006年7月
代表者
代表取締役社長 上原 仁
決算期
12月
直近業績
売上高105億7100万円、営業利益5億7700万円、経常利益5億4600万円、最終利益2億2900万円(2021年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3928
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