【ビーグリー決算説明会】売上高は1Q、2Qと連続で過去最高に…「年間で100億円ペースに乗ってきた」(吉田社長) 下期は効率重視の広告宣伝活動を推進
ビーグリー<3981>は、8月19日、東京都内で2019年12月期の第2四半期の決算説明会を開催した。説明会に先立ち、先週8月14日に発表された第2四半期決算は、売上高50億2700万円(前年同期比10.8%増)、営業利益2億8600万円(前年同期8900万円の赤字)、経常利益2億8400万円(同1億700万円の赤字)、最終利益1億6900万円(同1億1300万円の赤字)と増収、黒字転換となった。
説明会では、同社の吉田仁平社長(写真)が決算概要や上期のトピックスなどを説明行した後、質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、第2四半期決算の状況をまとめてみた。
■「まんが王国」をけん引役に年間売上高100億円ペースに
まずは第2四半期期間(4~6月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比4.0%増の25億6300万円、営業利益は同25.6%減の1億2200万円、経常利益は同25.8%減の1億2100万円、最終利益は同24.0%減の7300万円となった。売上高は第1四半期、第2四半期と2四半期連続で過去最高を記録した。また、月次の売上高を見ても、5月、6月と最高売上高を更新しているという。
売り上げをけん引しているのは、主力の「まんが王国」の成長で、その規模は2019年5月に会員数250万人を突破している。吉田社長は「半期で(売上高)50億円、年間で100億円ペースに乗ってきた」とその成長への手応えを感じているようだ。
一方、各利益項目が大幅な減益となっているが、これは広告宣伝費を積極的に投下した影響が大きい。下期は「上期と比べると効率重視で展開する」(吉田社長)とし、上期に獲得したユーザーの再訪を促すものを展開する方針だ。
■「まんが王国」に続く柱の育成に注力 ゲームビジネスはリスクを極力抑えた展開に
「まんが王国」に続く柱の育成にも取り組んでいる。電子書籍ビジネスの横展開と言えるのが、マンガアプリ「コミックevery」や電子小説サービス「novelba」だ。「コミックevery」は、昨年12月のサービス開始から順調な成長を見せている。「収益への影響はまだまだ限定的」(同)とのことだが、配信作品の増強などに「まんが王国」で培ったノウハウを生かして取り組むことでさらなる成長を目指していく。
電子小説サービス「novelba」は、6月に商業小説の取扱いを開始し、コンテンツの拡充に注力しているほか、投稿小説のコミカライズを「まんが王国」で7月より配信開始した。
また、ゲームビジネスへの取り組みも新たな柱の育成という観点から注目される動きだ。同社は共同開発によりリスクを軽減するほか、サービス開始後も同社はプロデュースに特化するなど、ボラティリティの高いゲームビジネスにおいて、リスクを極力抑えた事業展開を進めている。
足元は下期に入って、『ヒーロー’sパーク』と『蒼天のスカイガレオン』がリリースされ、『RenCa:A/N(レンカ アルバニグル)』も2019年内のリリースに向けて準備が進められているが、「1本当たりのリスクとリターンを抑え、複数タイトルで売上を積み上げる」という基本方針の下、今後も年間で複数本のリリースを行っていくイメージを描いているという。
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■下期は効率重視の広告宣伝活動を推進へ
なお、2019年12月期通期の業績予想については、従来予想を据え置いており、売上高100億5500万円(前期比9.4%増)、営業利益7億9700万円(同54.2%増)、経常利益7億8700万円(同58.9%増)、最終利益4億7100万円(同80.7%増)の見込み。
上期の積極的な広告宣伝活動によって獲得した会員の再訪を促すような施策に取り組みつつ、上期と比べると効率重視の広告宣伝活動を行っていくとしている。なお、会社側によると、今期の計画にはゲームビジネスは高く織り込んではいないとしていた。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ビーグリー
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 吉田 仁平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高190億8000万円、営業利益14億9600万円、経常利益14億4000万円、最終利益6億8900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3981