サイバーエージェント、AbemaTVを投資局面から収益化にシフト 「赤字を徐々に減らす」 広告と課金、周辺事業で収益伸ばす 有料会員は年内100万人も
サイバーエージェント<4751>の藤田晋社長(写真)は、本日(1月29日)、YouTube Liveで配信された第1四半期(2019年10月~12月)の決算説明会で、AbemaTVについて、「マネタイズ方面に徐々に振っていく」と述べ、収益化を目指していく考えを示した。これまで四半期ベースで50億円の赤字を出すような投資を行ってきたが、広告と課金、周辺ビジネスで収益をあげ、赤字幅を徐々に減らしていく。収益化の目安とした1000万WAU(週次アクティブユーザー数)を安定的に超えるようになってきたためだ。
AbemaTVの収益の柱となるのが広告だ。広告商品の開発強化に取り組んでおり、新広告フォーマットとして、全ユーザーに広告配信ができる「AbemaTVフルリーチプラン」、さらに有料会員しか見られないオンデマンド番組について、広告主が費用負担することで誰でも見られるようにする「オンデマンドの協賛企画」を用意する。
もう一つの軸となる有料会員「Abemaプレミアム」だ。その規模も、視聴者の伸びとアーカイブされたコンテンツの蓄積に伴い、順調に拡大している。有料会員数は、前年同期比で1.7倍の59万3000人となった。藤田社長は、「今年中に100万を突破するのではないか」との見方を示した。
このほか、周辺ビジネスも徐々に芽が出てきた。AbemaTVでは、競輪のライブ配信を行う「競輪チャンネル」を4月にオープンするとともに、車券がオンラインで購入できる「WinTicket」のサービスも開始した。取扱高が急拡大しており、10~12月期は、前四半期比で倍以上となる17億円となった。
なお、AbemaTVを中心とするメディア事業の業績は、営業損益は50億円の赤字(前年同期は46億円の赤字)と投資超過が続いているが、売上高が前四半期比で6.9%増の122億円と伸びている。1ケタの増収は物足りなく感じるかもしれないが、前年同期は「アメーバピグ」(2019年12月終了、3月発表)の収益が計上されていた。「アメーバピグ」の減収分をカバーしての増収ということで、順調に伸ばしていると見て良さそうだ。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751