ブロッコリー、アプリ不振とコンテンツ整理で20年2月期は減益着地 『うたプリ』と『Z/X』、新作『ジャックジャンヌ』で21年2月期は32%営業増益狙う
ブロッコリー<2706>は、4月10日、2020年2月通期の決算説明資料を公開した。発表した決算は、売上高64億7900万円(前の期比8.4%増)、営業利益6億8000万円(同15.9%減)、経常利益7億0300万円(同15.7%減)、最終利益3億7800万円(同31.2%減)と増収・減益だった。4月22日に決算説明会を開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止し、コーポレートサイト上に決算説明動画も公開した。
高橋善之社長(写真)は、減益要因について、「高利益率の商品販売が好調であったこと、劇場版『うたの☆プリンスさまっ♪』(うたプリ)関連グッズのロイヤリティ配分など増益要素があった一方、昨年リリースしたゲームアプリの不調と『マルチポイント×コネクション』のゲームアプリの開発中止に伴う損失計上などがあったため」と説明した。次の期に向けて、いったんコンテンツを整理し立て直す。
続いて売上高を見ていこう。増収となったが、けん引役となったコンテンツは『うたプリ』とトレーディングカードゲーム(TCG)『Z/X(ゼクス))』だった。
主力の『うたプリ』は、劇場版の大ヒットを追い風に、イベントの実施とグッズ販売を大々的に実施し、前年を上回る売上を達成した。特に夏季限定ショップ「SHINING STORE」でのアクセサリーブランドとのコラボ限定グッズが好評だったそうだ。2月のイベントから「ぬいスター」第1弾として「うたプリ」を発売した。
CD商材についても、『うたプリ』ST☆RISHソロベストアルバム7作を発売し、前年を上回った。ゲームも初参入となるSwitch版の新作ゲーム、スマホゲームともに『Shining Live』でも2周年を迎える大々的なキャンペーンも実施した。
他方、『Z/X』については、年間を通して好調に維持することに成功した。商品の投入数増加が奏功し、1月には累計出荷数3000万パックを突破した。
売上に占める比率は、『うたプリ』が53.1%から58.4%に上昇した。『Z/X』についても12.1%から15.6%となった。利益率の高い自社コンテンツの占める比率が74%に到達した。
続く2021年2月期は、売上高73億円(前期比12.7%増)、営業利益9億円(同32.2%増)、経常利益9億3000万円(同32.2%増)、最終利益6億円(同58.6%増)を見込む。『ジャックジャンヌ』などの新規コンテンツの投入と、既存コンテンツの最大活用を図っていく考えだ。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブロッコリー
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 鈴木 恵喜
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 2706