​Aiming、第1四半期は減収も赤字幅は想定より改善 椎葉社長は『DQタクト』の「CBTは順調」と強調 受託ビジネス強化で新しい柱育成



Aiming<3911>は、4月28日、2020年12月期の第1四半期(20年1~3月)の決算を発表するとともに、同社IRサイト上で決算説明動画を公開した。第1四半期の業績は、売上高が前四半期比で19.9%減の11億1600万円、営業損益が1億4600万円の赤字(前四半期は2億0400万円の赤字)、最終損益が1億5500万円の赤字(同4億3600万円の赤字)となり、減収・赤字幅縮小となった。事前の業績予想との比較では、売上高はほぼ計画に沿った着地だが、赤字幅は予想よりも約5000万円ほど改善して着地した。

 

▲期初時点の第1四半期の予想。売上は計画通りだが、利益部分は予想より良かったことが確認できる。


 
■注目ポイントは『ドラゴンクエストタクト』

今回の注目ポイントは、目先の決算の数字そのものというよりも、スクウェア・エニックスとの共同タイトル『ドラゴンクエストタクト』の動向だろう。『ドラゴンクエストウォーク』の共同開発として参画したコロプラ<3668>が業績面で大きく改善した経緯もあって、同タイトルへの注目度は特に高いようだ。

ただ、最終的な決定権を持つのは、あくまでスクウェア・エニックスである。故にAimingとして発表できることは限られていた。事前登録の開始時期やリリース時期は当然いえない。椎葉忠志社長(写真)は、3月に実施したクローズドβテストについて「大きなトラブルはなく順調だった」とのみコメントした。

同社の株式に関しては、『ドラゴンクエストタクト』の動き次第になっていくだろう。事前登録が果たしていつ頃始まるのか、どのくらいの事前登録が集まるのか、そしてサービス開始はいつ頃なのかなど、同タイトルの動き一つ一つの情報に株価が一喜一憂する状況となりそうだ。

 


また、自社タイトルと協業タイトルの開発・運営に加えて、受託開発・運営に注力していく方針も示したことも注目される。受託では、グラフィック制作など部分的な開発を請け負うだけでなく、特定タイトルのゲーム運営全般についても複数の引き合いがあることを明かした。すでに契約締結した案件、協議を進めている案件、トライアル案件など、様々なステータスにあるという。次の四半期に大きめの売上計上が行われる見通しだ。


 
■計画線での着地だった第1四半期

さて、発表した決算について見ていこう。売上高はQonQで2億7600万円の減少の11億1600万円だった。前四半期(12月)に『CARAVAN STORIES』と『剣と魔法のログレス いにしえの女神』で周年イベントが行われたが、そのイベント効果がこの四半期で剥落したため。マーベラスとの共同タイトル『ログレス物語』については、Aimingに移管となった。また、運営受託していた1タイトルが終了したことも減収要因となった。

 


減収となった一方で、営業赤字幅が1億4600万円の赤字と赤字幅が縮小した。周年イベントのプロモーションと『ログレス物語(ストーリーズ)』の新規獲得のためのプロモーション費用が減ったことに加えて、外注費、人件費などコスト削減に取り組んだことが奏功した。台湾スタジオの規模縮小や大阪スタジオの譲渡による費用削減効果については、次の四半期(4~6月)から現れてくるとのことだった。

 


 
■第2四半期は増収見通しも赤字幅拡大

続く第2四半期(4~6月)の業績は、売上高が前四半期比で10.9%増の12億3800万円、営業損益が2億1900万円の赤字(同1億4600万円の赤字)、最終損益が2億2200万円(同1億5500万円の赤字)となり、増収・赤字幅拡大となる見通し。

 


業績予想の前提だが、売上高の増加については受託売上の計上が見込まれる。また赤字幅が拡大するが、受託案件の売上計上に伴い開発費も計上することと、共同事業でのコスト増などが圧迫することが主な要因となる。人件費の削減効果も見込まれるが、費用の増加要因などもあって、全体への効果は限定的となるようだ。


 
(編集部 木村英彦)